渡邉恒雄の発言 (規制緩和に関する特別委員会)
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○渡邉参考人 ただいまの枝野委員の御説には全面的に賛成でございます。
そもそも、著作物が法定再販になっている。金子さんが専ら新聞の話をされたので、私は反論するために新聞についてのみお話ししたのですが、本日は、新聞及び出版、書籍、雑誌等について、その業界を代表して参っておる次第でございます。私は、現在の独禁法が法定再販として著作物という概念を挙げておる、著作物という概念は法律上は著作権法にしかないわけでございます。著作権法は文化庁の所管でありまして、現在、マルチメディア化時代にいろいろな意味の著作物、コンピューターソフトとかいろいろなものが出てきましたので、多少混乱しております。その範囲を明確にすることは必要だと存じます。そして、今枝野委員がおっしゃったような意味で著作権というものを厳重に保護していかなければならない。私どもも、新聞社でありますが、出版局を持っております。著者の価格コントロール権というものは実際にはある。例えば、何万部出すか、どの程度の宣伝費をかけるか等は、著者との相対のネゴシエーションで行われるわけでありまして、その際に著者の要求を聞かなければほかの出版社に出されてしまうわけであります、いい著者の場合でございますけれども。そういう意味では価格コントロール権は著者にあります。
それから、中間報告は、二十八年の改正独禁法で著作物を法定再販にしたことについて、立法の趣旨が具体的に明らかにされていたわけではないと書いてございますが、そうではございません。たしか二十四年でしたか、二年でしたか忘れましたが、最初の独禁法が導入され、独立と同時に、昭和二十八年に改正独禁法ができたときに著作物を法定再販とした際、公取委員会の事務局長がドイツに参りましてドイツの独禁法を十分研究し、その中でこの著作物というものを入れたわけでございます。
それで、ドイツの当時の考え方はどういうことかというと、これは簡単に申し上げますが、ドイツの立法の趣旨は明らかでございます。例えば、ドイツの独禁法の代表的な法学者で国際的にも著名なフィッケンシャーというミュンヘン大学の教授がおります。また、ドイツの独禁委員長をやっておられたイメンガというゲッチンゲン大学の教授がおられます。この二人の言葉を、簡単でございますので申し上げると、当時の、二十八年の独禁法改正の際の著作物というものを法定再販にした理由、それからドイツ法が一体どういう考えであったかということがわかります。
フィッケンシャー教授は、ドイツで新聞、書籍等が再販禁止の例外扱いとなっているのは、我々ドイツ人が効率性を超えて文化の多様性を守りたいからだ。文化の多様性ということを非常に強調しております。これは、先ほどの永井委員からもるるお話がございました、言論、表現の自由権は経済権に優越しているという思想であります。
それから、イメンガ教授は、新聞を含む出版物の再販制度は効率的な流通システムの基盤になっている、出版物は全国的に普及させるべきであり、同時に質の高さが維持されなければならない、これこそ民主主義国家にとって一定の文化水準を保持する重要な要素である。こういう意味で、著作物というものは文化的な価値のために法定再販となったのであります。文化的な価値というものは、やはり著作者の持つ権利、著作者の値打ちでございます。
以上です。
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