初村謙一郎の発言 (決算委員会第三分科会)
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○初村分科員 私は、実は、昭和五十九年から長崎の県議会におりまして、この干拓事業の特別委員長もさせていただきました。この干拓、要するに、今の農業を取り巻く環境の中で、あれだけ大きな土地をつくって、しかも後でお聞きをしたいと思いますけれども、総事業額を単純に入植者の数で割って、本当に幾らぐらいで入植できるのか。実際農業を営んでそれがペイするのかどうかということを考えたときに、果たして農業が成り立つのかなという感じがするわけであります。
しかし、ここに住んでおります地元の、私もそうでありますけれども、地元の住民は、防災だ、防災を実は主眼に置いた事業であるということで、南部総合開発という当初の規模からしてかなり圧縮した小規模になった形で実は妥協をいたしました。
昭和五十八年だったと記憶しておりますけれども、当時の金子農林大臣が、この干拓事業を実は打ち切りました。そして地元が、防災ですよ、防災を主眼に置いた事業ですよということで涙を流しながら、当時の金子大臣が防災事業としての干拓事業を推進していただいたという経緯があります。その経緯を考えて、今名称すら防災という言葉が除かれました。これは農林省の中にも防災という観点はないのかもしれませんけれども、実は農林省が進めておりますこの干拓事業で防災という必要性を前面に出さないものですから、という私は解釈をいたしておりますけれども、いろいろな問題が実は地元で起こっております。
実は、有明海は長崎、佐賀、熊本、そして福岡県、四県にまたがった海であります。その形からしても、また魚介類のふ化の状況から見ても、海の子宮であると言われるぐらいに稚魚あるいは稚貝が育っております。そこで干拓をやる、環境破壊じゃないかという問題が一つ出てきております。
陸上を見ましても、ハママツナ、もう一面赤くじゅうたんを敷いたような植物が咲きますし、日本の野鳥も珍しいものがあります。干潟の上を見ましても、珍しいムツゴロウという魚もおります。海中を見ましても、タイラギというおいしい二枚貝がありました。これが、干拓事業が始まりましてから実は不漁になっております。その不漁すら、この干拓事業が実は原因だというふうなことが漁民の中から出ておりまして、実際私も海中の写真を見ました。非常に濁っております。
当然ながら影響があるのかなという感じがしておりますけれども、しかしながら、これは諌早全体の防災であるという認識を持っておればこそ我慢できるものなんですね。人命の方が重要であるという認識に立ては、私は、これは我慢できると思うのでありますけれども、しかしながら、農林省はどうも、まあ人事がかわってその経緯がわからない方もおられると思いますけれども、主眼として防災に力点を置かないと地元の皆さんに説得ができないのではないかなという感じがいたしております。
そこで、先ほどもちょっとお聞きしておりますけれども、営農計画はどういうふうになっておるのか、それから、もし資料がありましたならばお教えいただきたいと思いますが、一農家当たり入植者がどれくらい入植料を支払って、実際ペイできるのかどうか、その辺をお教えいただきたいと思います。