小野晋也の発言 (文教委員会)
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○小野委員 それでは、大臣におかれましては二重のお話になるかもしれませんが、私の感想も含めまして、この本の御紹介をさせてもらいたいと思うのです。
この本は、先ほど申しましたとおり子供の間で一番広く読まれている漫画雑誌だろうと思いますが、少年ジャンプという本の編集部の人が、漫画雑誌発行を通して子供の心にいつも接触している中で、いじめ問題の議論というのは幅広くこの日本の国で行われているわけでございますけれども、その議論が大人の立場からのみ語られていて、子供の心に触れていないのではないだろうか、こんな疑問を持つ中から生まれたものだということでございます。
この本の中に漫画もこのように出ているわけでございますけれども、これは、精神科医でございます土屋守さんという方が、そのお嬢さんの怜さんと一緒に、みずからのこのお嬢さんの体験を書いた「私のいじめられ日記」というのがあるそうでございますが、それからこの漫画を編成なさった。そして、それと同時に、その漫画を読みなが
ら子供たちがどのような意見を持っているかということについても集めながら、それを一体にまとめた本がこの「いじめリポート」という本だということでございます。手紙は何と千八百通、子供たちからの悲痛な叫びが寄せられた、こういうわけでございます。
この編集部の人が、「あとがき」にこんなことを書いているのです。
いじめの問題についての議論は、近年あちこ
ちで盛んにおこなわれています。しかし、問題
の核心にまで触れているものは、まだ少ないよ
うです。この問題の中には、日本人と、日本人
のつくりあげた社会の根幹に関わる問いかけが
含まれていると思うのですが、私たちはいまだ
に、いじめを語りうる言葉さえ持てずに、問題
の周辺をぐるぐると回っているだけのような気
がします。
私も、この本を読みながら、子供たちが決していじめという問題を、自分たち子供の世界で、いじめる子供が一方にいて、もう一方にいじめられる子供がいる、こんな関係だけでとらえているわけではないということに気づきました。つまり、このいじめ問題の奥には、子供の心を本当に理解をせずにただ建前だけを押しつけてくる大人たちの存在、そしてまた、いじめはだめだと言いながら他人の問題には無関心であれ、こう勧めるような現代社会の風潮、このようなものが背景にあるということを、陰に陽に子供たちはこの中で語っていると思うわけでございます。
このしばらくの期間の間にも、千葉県、福岡県そして愛媛県でいじめ自殺があったと報じられています。この子供たちはみんな遺書を残して自殺をしているわけでございますけれども、その自殺の表面にはいじめた子供への恨み等が書きつづられているわけでありますが、その一歩奥をのぞいてみますと、なぜ自分たちのこの悲痛な声が大人社会の中に届いていかないのか、そして、今のこの日本社会というのは何かおかしいところがあるのじゃないのか、こんな声が潜んでいるように思えてならないのでございます。
そういうことから考えてまいりますと、このいじめ自殺の問題というのは、単に個々の人の特別の問題ではない、むしろ、私たち日本社会ないしは日本の教育界全体として真摯に受けとめていかなければ、表に出たものの何千倍、何万倍の子供たちの悲痛な思いというのがこの裏に秘められていると思うのでございます。
そのような広い立場で考えてまいりましたときに、やはり、単に学校現場だけでこのいじめ問題が解決されればいいということではないのだろうと私は思います。
昨年、文部省は、英断をもってスクールカウンセラーの充実等の問題について取り組みを進めていただきました。私は、この「いじめリポート」を読みながら、まさにそのスクールカウンセラーと言われるような、今までの学校教育の枠を超えた人たちが、横にいろいろな連絡を持ちながら解決するということを通して救われる子供たちが随分いるのではなかろうか、こんなことを感じた次第でございまして、本日は、そのスクールカウンセラーの問題について、幾つか御質問をさせていただきたいと思います。
先ほど申しましたとおり、昨年三億円の予算をつけていただいたスクールカウンセラー事業でございますけれども、平成八年度事業に当たりましてはこれを十一億円と、約四倍弱の増額を今提案をいただいているわけでございます。このスクールカウンセラー、各地で御活躍をいただいていると思うわけでございますけれども、いかなる評価をいただいているのか、この点についてお尋ねをさせていただきたいと思います。