橋本龍太郎の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 去る二月十日発生をいたしました北海道豊浜トンネル崩落事故におきまして、残念ながら二十名の人命が失われました。犠牲になられました方々の御冥福を心からお祈り申し上げます。
 次に、笹木議員から御質問のありましたことに順次お答えをいたします。
 まず、「もんじゅ」の事故に対する科学技術庁の監督指導の問題についてのお尋ねでありますが、確かに、事象などといった専門家の間で使われる言葉、それが一般になじみのない言葉であり、わかりやすく説明する努力が必要であるという御指摘は、この件にかかわらず、他の問題についても同様だと考えます。
 また、「もんじゅ」の事故発生後、その後の一連の動燃事業団の対応によりまして、地元の方々や国民の間に不安感、不信感を与える結果となりましたことは、私も大変残念なことだと考えております。この問題につきましては、動燃事業団みずからが改善をしていくことが当然必要でありますけれども、科学技術庁自身も監督指導の徹底に鋭意努力をいたしております。
 用います言葉の点につきましては、議員の御指摘を私は大事に受けとめたいと思います。
 次に、中立的な機関による調査を行うべきだというお尋ねをいただきました。
 今回の「もんじゅ」の事故につきましては、まず科学技術庁の安全規制を行う原子力安全局におきまして、大学、研究機関などの専門家を中心とするタスクフォースを設置し、原因調査等を進めておるところでありまして、これまでの調査により、ナトリウム漏えいの発生原因等の重要な点が明らかになったという印象を持っております。
 また、総理府に設置された諮問機関であり、国会の同意を得て内閣総理大臣が任命する委員から成る原子力安全委員会におきましては、議員が御指摘のような独自の立場から原因の究明及び再発防止のための調査審議を行うこととされ、専門家のグループを設けて現地調査を実施する等鋭意検討が進められており、こうした体制により今回の事故の調査等は適切に実施されると考えております。次に、低濃縮ウランの備蓄をどう考えるかということとともに、今後のFBR路線についてのお尋ねがございました。
 今後の高速増殖炉開発の意義と事故による影響につきましては、原子力は、資源に乏しい我が国にとりまして、エネルギーの安定供給、地球環境問題への対応の観点から、安全を前提に当然いたさなければなりませんけれども、大切なエネルギー源であると考えます。原子力を長期にわたって安定的なエネルギーとして活用していこうと考えますと、限られたウラン資源を有効に利用することのできる高速増殖炉の研究開発の意義は、私は重要だと思います。今後の高速増殖炉の開発に当たりましては、今般の事故の経験を十分生かしながら、幅の広い御意見を伺い、今後の進め方にこれをいかに的確に反映できるかという点に努力をしていきたい、そのように考えております。
 次に、現行の長期エネルギー需給見通しは、我が国におけるエネルギーの安定供給の確保と地球温暖化防止に向けた責務を果たすためのエネルギー政策の目標として、平成六年六月に総合エネルギー調査会における審議を経て取りまとめられました。この見通しの作成に当たりましては、エネルギー関係者の方々だけではなく、学識経験者あるいは消費者代表等幅広い分野からの委員に御参加をいただきまして御審議をいただいたところでありますし、また、同年の九月には総合エネルギー対策推進閣僚会議において御報告を受けております。
 なお、言うまでもなく、この見通しを踏まえた具体的なエネルギー政策の実施に当たりましては、所要の法律、予算等に関し国会において御審議をいただいているところであります。
 次に、原子力長期計画につきましては、現行の計画は、二十一世紀を見据えた我が国の原子力開発利用の基本方針及び具体的推進方策を明らかにするという観点で、平成六年六月、内閣総理大臣の諮問機関である原子力委員会が策定をいたしました。この長期計画は、原子力委員会におきまして国民各界各層の御意見を十分踏まえて策定をされ、閣議において報告をされまして、基本的には政府の政策指針としての性格を有しております。
 なお、言うまでもなく、原子力長期計画を踏まえました具体的な施策の実施に当たりましては、所要の法律、予算等に関し国会において御審議をいただいているところであります。
 次に、国会内にプロジェクト評価の機関を設置すべきではないかというお尋ねをいただきましたが、これは、その是非について内閣としてお答えをすべき立場ではない点はまず御理解をいただきたいと思います。
 ATRあるいはFBRなど原子力開発プロジェクトにつきましては、原子力委員会が策定した長期計画などに従い具体的な開発は進められているところでありますし、その開発過程におきましても、原子力委員会により所要の評価が行われております。この原子力委員会は、科学技術庁長官を委員長として、委員は両議院の同意を得て任命されることとなっているところであります。
 言うまでもなく、この原子力委員会の審議に当たりまして、各界各層の御意見が十分反映されるように努めていくと同時に、今後とも広く国民各位の御理解を得ていくことが何より必要だと考えております。
 残余の問題につきましては、関係大臣から御答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣中川秀直君登壇〕

発言情報

speech_id: 113605254X00719960220_008

発言者: 橋本龍太郎

speaker_id: 24487

日付: 1996-02-20

院: 衆議院

会議名: 本会議