今村修の発言 (本会議)

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○今村修君 社会民主党・護憲連合の今村修であります。
 北海道の豊浜トンネル崩落事故は、御家族を初め多くの国民の祈りもむなしく、大変悲しい結果となりました。亡くなられた被害者の皆さんに心から御冥福をお祈り申し上げ、御家族の皆さんには心から哀悼の意を表します。もっと早く救出できればと思うとき、本当に残念でなりません。再びこうした悲しい事故を繰り返さないための万全の対策を強く要請いたします。
 さて、私は、自由民主党、新党さきがけの御理解をいただき、社会民主党・護憲連合を代表し、ただいま中川科学技術庁長官から報告をされた高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故についてお伺いをいたします。
 ことしは例年になく雪が多く、福井県敦賀市でも一メートル近い積雪を記録していると言います。この雪の中、動燃に対する国民の厳しい批判とともに、「もんじゅ」はいつになく強烈な風雪や波しぶきにさらされています。
 その「もんじゅ」を見渡せる高台には、「文殊菩薩は、智慧を象徴し、獅子に乗っておられます。それは強大な力を持つ巨獣を智慧で完全にコントロールしている姿です。原子力の巨大なエネルギーもこのようにコントロールし、科学と教学の調和の上に立つのでなければ人類の幸福は望めません」と書かれた石碑が建っています。
 しかし、今回の事故で明らかなように、みずからを過信し、思い上がった人間が文殊菩薩になることはしょせん無理でした。今回の事故を振り返るとき、動燃には、いや日本の原子力開発の中に、こうした思い上がりと過信、体質があることを指摘せざるを得ません。
 しかるに、科学技術庁の「もんじゅ」ナトリウム漏えい事故に対する調査状況の取りまとめでは、こうした問題が欠落をしています。この取りまとめでは、一つ、高い信頼性を求められていながら事故を起こした、二つ、火災が拡大しないよう適切に対応できなかった、三つ、地元への報告のおくれやビデオ隠しなど対外的対応が不十分だったの三点を指摘し、特にビデオ隠しや事実と異なる報告などについては、「安全規制の基本を揺るがす問題」と厳しい認識を示しています。また、科学技術庁にも反省すべき点があったとして、現地の監督体制強化などの検討を明らかにしています。
 しかし、これまでの安全審査や指導監督のあり方や体質、過信については十分に触れられず、事故の対応はあくまでも事業者が責任を持って行い、事故の状況や事故後に事業者のとった措置について安全規制当局に迅速かつ正確に連絡することが第一であるとしています。事故を起こした事業者が事故対策に当たったり、日常直接指導監督に当たってきた科学技術庁が事故調査に当たるというのでは、国民の理解を得ることは容易ではありません。
 地元自治体への通報はおくれ、再三にわたりビデオや情報を隠し、これに本社も絡んだ事実を見るとき、過信や思い上がり、体質を改めることがまず必要で、それには、これまでの仕組み、システムを変える必要があると思います。
 そこで、第一の質問として、国民の目から見て公平な判断ができる第三者機関をつくり、事故の調査や検査に当たらせること、また、地元自治体の同意なくして運転を再開しない、すべての情報は公開をし、国民の不信や不安を解消すべきと思いますが、総理の見解をお伺いします。
 今回の事故は、発生と同時に原子炉を停止すれば事故を小さくできたにもかかわらず、判断を誤り事故を大きくしたことは重大であり、まさに人災と言わざるを得ません。
 また、原因は温度計さや管の欠落と言われ、設計自体に問題があると指摘をされています。さらに、振動試験は行われず、安全審査の対象にもなっていません。そして、事故発生と同時に、想定にない事態が次から次へと発生をし、消火作業も行われず、空調ダクトの配置・停止ミスによりナトリウム化合物の拡散で計器類や配線の劣化が心配され、大幅な設計変更も必要と言われています。ライナーの変形では、原因をめぐって専門家の間で意見が対立をしています。
 そこで、第二の質問として、かつてない重大な事故の責任を明らかにすること、また、事故原因の徹底的究明と復旧対策の現状、そのために必要とする期間、さらに、今回の事故による損害額と復旧費用を明らかにすることを科学技術庁長官にお伺いをいたします。
 高速増殖炉開発を目指したドイツやアメリカなど多くの国々は、ナトリウムの制御困難等で次々と撤退しましたが、日本は巨額な経費をつぎ込み、開発を進めてまいりました。そして計画では、二〇〇〇年初頭に実証炉、二〇三〇年に実用炉の建設を目指してきました。この計画に合わせて、フランスやイギリスに委託したり東海や六ケ所の再処理工場でプルトニウムを確保することにしています。また、日本は核兵器をつくるのではないかとの世界の国々の疑惑を解消するため、余剰プルトニウムを持たないとし、プルサーマル計画を一九九〇年代後半に開始することにしてきました。
 しかし、「もんじゅ」の事故や、福井、新潟、福島県知事の原子力計画の見直しなどの申し入れ、六ケ所再処理工場の操業延期などにより大幅な見直しが必要と思われます。
 そこで、第三の質問として、高速増殖炉の開発計画、プルトニウム利用計画、プルサーマル計画の見直しが必要と思いますが、科学技術庁長官の見解をお伺いします。
 最後に、ナトリウム管理が可能か十分検討し、困難な場合、高速増殖炉実用化計画からの撤退を含め再検討すべきと思いますが、総理の見解をお伺いいたします。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕

発言情報

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発言者: 今村修

speaker_id: 27817

日付: 1996-02-20

院: 衆議院

会議名: 本会議