嶋崎譲の発言 (予算委員会)

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○嶋崎委員 さて、これから先が大変なんですね。
 そうしたら大田知事の側は、今度は高裁から最高裁に控訴したんです。これの最高裁の判断を一方で待たなければなりません。他方で総理は、代行署名して、代行署名というのは本来の署名じゃなくて、これは一種のサインです。まだ正規の発動はないが、まあ手続の一つの段階はサインで終わったよ、こういうことを意味しているわけですね。
 さあこれを今度は、署名代行の後は、使用裁決の申請を正規に土地収用委員会その他にやらなければなりません。そして、今の緊急のものは別ですよ、本来の法制度でいってもその手続をもう一遍とらなければいけません。そうすると今度は、裁決申請を受理した収用委員会が土地所有者に通知して、そして、裁決申請書の公告縦覧というのは法律に決められている義務ですから、これもやらなければなりません。ところがこれは、今までの経過ではみんな拒否するでしょう。そうしますと、もう一遍もとに返って、総理大臣はもとに返りながらその手続を踏み直さなければならぬ、ずうっと今と同じ手続を。そういう経過を一方でとらざるを得ません。
 いま一つの方は、緊急使用を収用委員会にかけていますから、これを今仮処分にかけました。そうすると、仮処分の方は一定の段階で判断を下すでしょうが、これもまた重要な一つの裁判として動いています。
 問題なのは、総理が今署名してからその結論が出るまでは、クリントン大統領が来るまでどころか、七カ月かかるのか八カ月かかるのかわからないという事態にならざるを得ない事態です。
 言葉をかえて言いますと、三月三十一日までに土地収用の裁決が行われていなければいけなかったのです。それをやらなかったのですから、やらない以上はそれがずっとまだ今から残るのです。ことしは地主は一人ですが、来年の五月は二百数十人の人間がこの事件に携わることになるのです。
 総理がおっしゃった、今の、国が地方自治法で決められておる百五十一条を適用しつつ、そして司法の判断を待つ態度を堅持されていくということは、ただならぬ沖縄県民からの今後の反応が予想されるということになるのではないかと思うのです。
 そこで、ここは時間も短いですから、私は質問しないで、私が問題の本質を述べたいと思います。
 問題の本質はどこにあるかといったら、国の機関委任事務の中で、別表には、確かに形式には機関委任事務として書いてあるけれども、国が、固有の事務であるところの外交や司法にかかわるものを、地方自治体の長が判断できないものを機関委任事務として位置づけて、最後までその判断を待つ仕組みをつくっているという、ここに問題があるのではないか。
 例えば、同じ地方自治体のもろもろの機関委任事務の中でも、都市計画法をごらんになるとおわかりですが、都市計画の主務大臣は建設大臣です。その都市計画について、地方自治体がつくることになっていますが、しかし、国の方との関係の調整がいかないためにとうとうそれがまとまらぬ、国の計画がまとまらぬという際は、こんな裁判に訴える制度ではなくて、主務大臣が引き取って中央の審議会にかけた上で手続的に代行措置ができるという仕組みになります。
 地方自治体の機関委任事務にしているもので、大臣が、本来なら全部、どんなものでも、意見が違ったら裁判しなければいけないのですよ。だけれども、ほとんどそんなことはありません。問題になった都市計画の場合には、裁判抜きでも主務大臣で処理できる代行措置を決めているのに、これだけは決められないのです。
 というのはなぜか。この法律を改正するときの問題点ほどこにあったかというと、この法律を変えるときになぜ問題になったかというと、改正前でいきますと、裁判を起こしましたら最後は首を切らなければいかぬわけです。ところがそれは、一方は住民から選ばれた大統領制の首長です。片や総理、これは議院内閣制の総理です。総理と首長の違いからして、それを首切るという制度論が問題になり、その他いろいろ要因もあってやめたのです。今や総理は、大田知事が同じ国の事務をやらせてもらっているのに拒否している、ある意味で反乱を起こしている、信用していない、それに対して処置できないのです。
 となると、国の固有の事務の、機関委任事務として扱うものとそうでないものを仕分けする、まさに地方分権の上に立った、固有の事務とそうでない事務を全体的に仕分ける中で、ただ形だけは同じようなことで機関委任事務にしておくのではなくて、実態をやり直すという改革をやらなければ解決できない問題です。それは時間がかかります。今、この問題では、沖縄問題は解けません。
 そこで、問題になるのは次のテーマです。もう時間もありませんから一問だけ質問します。
 したがって、四月十六日から開かれる日米首脳会談というのは、この状況の真っただ中で開かれると言えます。外務大臣、一言質問したいけれども時間がありませんから省きますが、僕だけ申し上げますが、もう既に2プラス2という外務の閣僚の方々の会議が恐らく十六日の直前にセットされているはずですね。そこには実務の関係の、防衛関係、外務関係等々の方々の、下のレベルのいわば行動委員会があって、それが中間報告を持って、そして2プラス2に出すはずですね。大体そこで大枠が決まると思う。その上に立って日米会談が行われると予測されます。
 さて、そこで、日米会談に予測されるテーマは、第一、日米安保条約の再定義問題。二番目、何をおいても沖縄の基地の整理縮小・統合問題。そして、それに絡まって重要なのは、ACSAというテーマです。ACSAについては、前々防衛庁長官と前の防衛庁長官と、今回はまだ見解は聞いていませんが、少しずつ変化してきている。
 さあ、この重要な日米安保条約の再定義というのをアジア情勢を踏まえながらどのようにするのか。そして、アメリカへの軍事協力シンボルと言われるACSA問題と沖縄がセットにされて、日米会談に臨まざるを得ないのではないかと私は思います。
 となりますと、今の第一の質問や機関委任事務の観点からしますと、総理は沖縄問題について相当な県民の期待にこたえたことをやらないと、片一方それを実行しないままACSAや再定義に行きますと、日本の本土の自衛隊の基地を米軍が使えるようにすることで沖縄の問題の代償にしたい、沖縄の問題は固定化されながらプラスアルファの新しい課題が日本の政治に方向づけられやしないか、こういうことを私は心配するわけです。
 今のような経過から見て、日米会談に臨む総理の決意と考え方をお聞きして、私の質問を終わります。

発言情報

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発言者: 嶋崎譲

speaker_id: 860

日付: 1996-04-02

院: 衆議院

会議名: 予算委員会