栗原博久の発言 (予算委員会公聴会)

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○栗原(博)委員 ただいま各公述人の先生方のお話を承りまして、本当にもっともであるというふうに実は思うわけでございます。
 それで、各先生にお話をお聞きする前に、若干私の考えを述べながらお聞きしたいと思います。
 本委員会におきましてもずっと住専問題が論議され、そしてまた我が党におきましても、やはり国際社会におきます金融の秩序を守るためにもということで苦渋の選択をしておるわけでありますが、しかし、その中にもやはり住専の責任の解明、そしてこれに至る事実の解明というものがどうしても必要と私は思います。
 我が党は、六千八百五十億のこの公的資金の導入につきまして、それなりの責任を母体行に求めておるわけでありますし、また、この審議を通じまして紹介融資等の巨額な融資が出てまいった以上、私個人の考えでもございますが、さらなる責任を母体行に求めねばならないと思っておるわけであります。
 野党の方々のお話を承りますと、破産宣告をやるとか、あるいはまた会社の更生手続にのっとってやるとか、あるいはまた我が党と同じようなお考えを持っている方もおられるようですし、あるいはまた感傷的に淡路大震災をとらえながら、農家に対する甘えがあるというようなことを言う方もおられるようでありますが、私もその点を聞きますと、やはり地方出身の国会議員として大変残念でならないわけであります。
 さて、全国津々浦々に、住専に対して税金を使うなという反対があるというようなことを言っておりますが、私はそれよりも、さらにもっとそのほかに見えないものがある。それは、高いときに住宅ローンで土地の資金を借りまして、そして返せなくて困っている。ですから、裁判所に参りますと、融資を受けて返せなくて競売にかかっているのがたくさんあるわけですね。そういう方は、必死になって返したんだけれども、どうもだめだった。なぜ住専が、あるいはまた金融機関だけが生き残れるんだ、そういう偽らざる気持ちもやはりあると思います。
 あるいは、会社を必死になって経営している方々。手形決済が迫ってくる。それはもう夜眠れなくて、脂汗を流しながら翌日の決済、三時に間に合わなくて翌日の九時に決済する方もおられる。そういう方から見ましたら、この委員会における中身は実は全く異様に映っているのじゃなかろうかと思うのであります。
 こういう中で、そういう方々がやはり納得されるような形で本委員会でその結末をつけねばならない。それには、景気をよくして安定的な我が国の、先ほど各先生からもお話ありましたが、特に池尾先生からも国家財政の問題についていろいろ話があったわけでありますが、あるいはまた富田先生からも国債についても厳しく将来の不安感をお述べになりましたが、まずこれを問わねばならぬ。景気を回復するために万全を期して、前向きの予算の審議を進めねばならないと私は思います。
 ただその中で、こういう責任を、そしてまた事実関係を解明するということについて、これからもやはり多くその任を我々国会議員も果たさねばならぬと思うのでありますが、しかし最大の責任は、私は政治にあると思います。政治家が官僚をリードしていなかった、官僚を制することができなかったということを私どもは率直に認めながら、今後再びそういうことが起きないように対処することがどうしても必要でなかろうかと思っております。
 ただ、第一次再建計画の平成二年から第二次再建計画の平成五年三月までの間に、母体行がその紹介で一兆五千億近い金、あるいはまた平成五年から昨年の九月までに至る間に約二兆円近い紹介をして、住専が貸し付けして不良債権が起きている。この前の参考人のお話を聞きますと、実に九〇%近くも、紹介したものが全部パアになったということを聞くと、本当に私はびっくりしたわけであります。
 例えば、普通民間においても、紹介する、ひとつこれを何とかこの会社に融資をしてくれとお願いした場合は、当然お願いされる側は、では、あなた裏書きをやってくれ、紹介する以上はやはり裏書きをする。例えば手形でありますが、手形に裏書きをして、この人は間違いないからひとつ金を貸してやってくれ、これが実体経済の実情であります。
 そして、全くそれをしないで、口一言で金を出すということは、まさしく住専は母体行の子会社以外の何物でもない。保証してくれる者が金を貸せと言うのだから、もうこれはそこに民法上の契約が成り立っているわけでありますから、そういう中で私は、やはり母体行というものの責任は本当に大きいものであるというふうに実は思っておるのであります。
 私は、自分事で大変お恥ずかしい話でありますが、私の関係者、支援者が、名前を言って大変恐縮ですが、住宅ローンサービスから昭和五十三年に千三十万の金を借りました。これは窮余の一策に借りたのでありますが、ずっと返してきた。ところが、半年返せなかったら、保証会社であります東京海上にそのまま債権を移した。五十三年ですから、もう約十七年近く返しているのですが、それでも四百万の金が残っておりました、ずっと利息を払ったわけですから。それが東京海上に債権が移された。すぐ東京海上はそのものに対して競売に出てしまった。
 当然、住宅ローンを返せないということはいろいろ事情があるわけで、私は実は東京海上に行きまして、何とか競売を解除してほしいと。東京海上はこう言いました、では、あなたが保証人になってください。私は保証人を受け継ぎまして、毎月今五十万ずつ返しておりますが、こういうふうに、口でも言った以上これは責任をとらねばならない。これを見ても、これは私のみならず、一般の住宅ローンの住専から借りた方々の保証人は、その義務を遂行しているわけであります。ですから、私はこの母体行の責任は極めて大きいということを思っている。
 あるいは、こういう中で会社を守るために、私も実は当選するまで十六年かかってこの場所に来ておるわけでありますが、多くの方と知り合ってまいりました。私も、自分の支援者が会社の給料を払えない、そして本社社屋を売らねばならない、しかしながら営々と築いたものは売ってはならない。これは病気になったと思うのですが、何人かの人が自殺を見ております。一人は入水自殺、一人は首を切って亡くなっている。そういう方々の遺族は、この実情を見ていますと、自分たちの夫はそこまでしても借金を返したんだ、自分の命を絶っても。私の周りには六人ほどおります。
 そういう方が今のこの国会審議を通じて、特にこの前の参考人陳述の中で、各参考人が参りまして、いろいろまるで他人事のような、私はもう二十年前から社長になっている、しかし彼は、名前を言いませんが、大蔵省の職員であったからこそ社長になれたわけであります。それを全く他人事のようなことを言っておる。借りた側も、それは経済政策の失敗だ。しかし、そうだけれども、少なくとも他人様の金を借りた以上は、どんなことをしても返さねばならぬ。これが経営者の当然の姿である。そして、国民の血税で賄うためには、当然その責任を問わねばならない。
 私は、そういうことで、ぜひ本委員会におきましても、やはりこの責任と事実の解明をさらにしていただいて、ひとつこの予算を執行していただきたいと思うのであります。
 それについて、各先生方から大変御高説を賜りましたが、先生方から、この住専について、責任問題、事実解明をどのようにお考えになっているかお聞きしたいと思いますが、まず池尾公述人からお願いいたします。

発言情報

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発言者: 栗原博久

speaker_id: 33238

日付: 1996-02-23

院: 衆議院

会議名: 予算委員会公聴会