池尾和人の発言 (予算委員会公聴会)

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○池尾公述人 まさにその点が非常に重要な問題であり、住専処理の対策のあり方を考える際にも、最も基本といいますか前提になるべき認識であるというふうに思うわけであります。したがって、公述の中でも最初に申し上げましたように、日本の不良債権問題の全体的規模を明確にするという努力をぜひお願いしたいというふうに思うわけです。
 私は一介の大学の教師をしておりますので、その範囲で可能な限り情報を集めたりとか、人から話を聞いたりして、その感触では、日本の金融システムというのは思われている以上にさらにかなり大変な状況にあるのではないかという懸念を個人的には確かに抱いております。
 しかしながら、その点に関して最も情報をよく持っているのは、銀行に対して直接立入検査を行っている大蔵省でありますし、考査を行っている日本銀行なわけであります。そうしますと、例えば大蔵省は確かに三十八兆円の不良債権ということを公表しておりますが、それとは別に、大蔵省の大臣官房の金融検査部は定期的に金融機関に対して検査に入っており、金融機関の資産を分類しているわけです。今回の住専に関しても出てきましたように、いわゆる第三分類、第四分類といったような不良債権についての認定を行っているわけです。
 そうしますと、個々の金融機関について、第三分類の額が幾らある、第四分類の額が幾らあるというのをディスクローズするというのは信用秩序との関係で問題があると思われますが、しかしながら、銀行検査の結果、検査の対象となっている金融機関に関して、総額として第三分類の不良債権がどれだけあるのか、それから総額として第四分類の不良債権がどれだけあるのかということは公表を求めていい数字だというふうに思います。
 それで、これは全く公表されていないのであくまでも風聞といいますかうわさとしてしか言えないわけですが、そうした第三分類、第四分類の額の単純な合計額は三十八兆円をはるかに上回るというふうなことがまことしやかに語られている、それがうわさとして語られているというのは非常におかしな事態だと思うのですね。それはまさにどうなのかという数字を明確にする、それを踏まえて住専というのを位置づける。
 例えば、アメリカの調査機関が出しております百四十兆円という数字がもし本当だとしますと、住専はたった十分の一以下の問題でしかないということになってしまうわけです。その場合と、住専が大蔵省の公表の数字で三分の一のウエートを占める問題だというときでは、当然扱いは違ってしかるべきでありますので、国会で処理案を決められる過程で、その処理案の最も基本的な前提認識となる日本の不良債権の全体像ということの確認をぜひ行っていただきたい。私は個人的には非常に危惧しておりますので、ぜひやっていただきたいというのが私の要望であります。

発言情報

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発言者: 池尾和人

speaker_id: 12787

日付: 1996-02-23

院: 衆議院

会議名: 予算委員会公聴会