野田正穂の発言 (予算委員会公聴会)
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○野田公述人 日本の過去の歴史を振り返ってみますと、非常に多くの銀行が破綻をしております。それぞれ破綻の原因がございますが、現在問題になっている不良債権問題について言いますと、やはり一九八〇年代後半のバブルのときに、金融機関が、本来持つべきモラルと節度から逸脱しまして、投機的な土地取引に深く関与したということがこの不良債権問題の一番根底にあるのではないかというふうに考えております。先ほど別の委員の御質問にありましたように、私は母体行責任を少し強調し過ぎた面もありますが、大蔵省の責任も極めて大きいというふうに思います。
それで、九〇年の十月に行われました金融学会におきましても、「資産価格変動と金融政策」という共通論題のテーマで討論が行われましたけれども、地方銀行と大蔵省と日本銀行、それから上智大学に属する報告者がこの問題について報告しておりますが、大蔵省の銀行局の担当官が、大変私も重要な発言だというふうに思うのですが、実は、大蔵省は早くから金融機関の間で「投機的土地取引の助長等の社会的批判を招かないよう配慮する」、こういう局長通達を出しておりました。これは八六年であります。
その後、九〇年までに三回も同じような局長通達を出しているのですが、九〇年の時点で、この大蔵省の担当官は、「現時点から見てみると、結果的にはこれらの通達が守られていなかったケースもあり、当局としては遺憾に思っている。」三年も四年もたってから、「守られていなかった」。そういうような守られないような通達なら出さない方がいいし、通達を出した以上は守らせるというのが大蔵省の責任ではないかというふうに思います。
特に、大蔵省は、銀行法に基づいて大変強力な、強大な権限を持っております。検査、調査、勧告、命令、場合によっては認可を取り消すとか業務を停止するとか、そういう処分の権限も持っているわけですから、そういう意味で、大蔵省としては当然、通達を出すだけではなくて、それを守らせるような努力をすべきであったというふうに思います。それが結局なされないために、バブルが一層ひどくなり、現在のような不良債権問題を引き起こしたというふうに考えております。銀行の責任ももちろんですが、同時に大蔵省の責任も大きいというふうに考えております。