松田芳夫の発言 (予算委員会第八分科会)
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○松田政府委員 今委員からダム事業の進め方についていろいろと御意見がございまして、そのうち幾つか御説明申し上げたいと思うのでありますが、まずダムの多目的についていろいろ議論があるのではないかというお話が一番目にはあったかと思います。
日本のダムは、現在のところほとんどが多目的ダムということで、夏の出水期、洪水期には洪水の調節を行う、そのほかの季節には各種用水を供給するためにダムにためておいた水を利水目的に使うということで、治水、利水両面にわたる多目的ダムということで一般的に計画されてございます。それで、我が国の気候、気象の状況とか、特に夏に洪水が多いというような特性を考えますと、この方法が一般論としては一番よろしいのではないかと考えておりますが、最近特に御批判が世間でございますのは、利水上の、特に用水の確保の利水上のダムの目的が産業経済活動の停滞等によりかなりの先行投資になっているのではないかというようなお話がございます。
しかし、ダム事業というのはかなり地域に影響を及ぼす大事業でございますので、一般的に数年でつくるというわけにもまいりません。やはり、これは最近、逆に長過ぎるのではないかということで各方面から御批判を受けているようなところでありますが、ダムの建設に二十年あるいはそれ以上かかるというような実態からいたしますと、その利水上の長期的な物の見方というのはかなり先を読んだ上での仕事かと考えております。
ですから、その時々の経済情勢で水が余っている、足りないという即断は、というよりは、やはり長期的な資源確保という観点からなされるべきというふうに考えてございますので、計画をその時々に入念にチェックすることは必要かと思いますけれども、多目的ダムの本質が失われたとまでは現在のところ考えてございません。
それから、地域の問題で少しお話しさせていただきますと、あと、最近ダム事業に関係いたしまして環境面の問題が非常に話題になってございますが、これは事前に環境影響評価実施要綱に基づきまして必要な調査予測及び評価、いわゆる環境アセスメントということを十分に実施いたしまして、あるいはできるだけ環境に与える影響を少なくしようというようなことで実施してございますし、またそういう影響を及ぼすような場合には必要な対策も講ずるというような環境面のチェックも入念に行っております。
それからもう一つ、ダム事業の問題点は、そのダムをつくることによって便益を受ける方々と、そのダムをつくることによって水没あるいは移転を余儀なくされるというマイナスの方の影響を受ける方とが違うところにいらっしゃる。山の奥の方にダムをつくって、その地元の方だけは迷惑だけをして、そのダムによって洪水を防がれて水を確保できるというのは下流の方というようなことで、地域間の利害のアンバランスが非常に大きい。それからまた、小さい山村をそっくり水没させてしまうというようなこともございまして、非常に議論が多いところでありますが、このような問題に関しましても、最近はダム審議委員会というような組織をつくって、地域社会のいろいろな御意見を伺いながら、みんなが納得のいくようなダムづくりをしたいというような試みもやっておるようなところであります。