佐藤一男の発言 (科学技術特別委員会)

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○説明員(佐藤一男君) 今回の「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故に関しまして、これは御案内のとおり、漏えいが発生いたしましたところはいわゆる二次系でございまして、そのために、周辺の公衆あるいは従事者への放射性物質の影響あるいは放射線の影響、こういうものはなく、原子炉も安全に停止はされたわけでございます。しかしながら、だからといってこれでこの事故は等閑視してよろしいというふうには安全委員会は決して受けとめていないところでございます。逆に、私どもとしましては、結果はともかくとしても、この事故を非常に重く受けとめているところでございます。
 その理由というのは幾つかございますが、主なところを申し上げますと、まずこのナトリウムを取り扱う技術というのは、高速増殖炉の技術開発をしなければならないさまざまなものがございますが、その中でも中核となるようなものでございます。これにつきましては、当然のことでありますが、高い信頼性を確保するということにしていたにもかかわらず、たとえ二次系であっても漏えいが起こったということになりますと、この技術そのものが本当に十分なレベルまで到達しているんだろうか、もし足りないところがあればどういうふうにこれを補っていかなければならないのか、こういう問題が浮かび上がってくるわけでございます。
 さらにまた、あえてつけ加えさせていただきますと、こういう原子炉施設のような、いわゆる俗に言う巨大システムでございますが、非常に複雑で巨大なシステムにおきましては、思いがけない場所の出来事がまた思いがけないところに影響を及ぼすということも決して珍しいことではございません。そういうことで、これが二次系であるといって私どもは等閑視するようなことなく、むしろ問題を非常に幅広くかつ深くとらえて解明していかなければならないというふうに受け取っているところでございます。
 先ほども申しましたように、高い信頼性を確保することにしていたにもかかわらず、このように実際に漏えいが生じ、しかも、この漏えいを速やかにとめることができず火災の影響を拡大するというような事態が起こりました。さらにまた、その後、御案内のビデオ問題等も含めまして情報公開あるいは情報の伝達等に大分問題があったということも明らかになっております。これによりまして、地元の住民の方々を初め多くの国民の方々に不安あるいは不信感というものを与える結果になった。これは安全委員会といたしましても極めて遺憾に存ずるところであります。
 こういうようなことも踏まえまして、安全委員会といたしましては、今回の事故を重視いたしまして、独自の立場から原因究明及び再発防止対策等々の調査審議を行うこととしておりまして、原子炉安全専門審査会の中にワーキンググループを設置いたしましてそれに当たらせているところでございます。
 また、先ほどちょっと安全局長の方からも御紹介がございましたが、私自身も事故の翌日十二月九日、直ちに現地に参りまして状況の把握に努めました。その後、実は十二月二十二日にも現地に参っておりますが、この状況の把握に努めてまいったところでございます。
 大体受けとめ方としてはこういうことだということに御理解いただきまして、この原子力安全の行政を的確に遂行していくために、地元の方々を初めといたしまして国民の信頼が大前提でございますので、私ども原子力安全委員会といたしましても、その期待にこたえるべく、全力で本件に取り組むつもりであるということでございます。

発言情報

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発言者: 佐藤一男

speaker_id: 34997

日付: 1996-04-10

院: 参議院

会議名: 科学技術特別委員会