科学技術特別委員会

1996-04-10 参議院 全70発言

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会議録情報#0
平成八年四月十日(水曜日)
   午後二時開会
    —————————————
   委員の異動
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     谷川 秀善君     志村 哲良君
     中原  爽君     沓掛 哲男君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         長谷川 清君
    理 事
                鹿熊 安正君
                吉川 芳男君
                石田 美栄君
                川橋 幸子君
    委 員
                海老原義彦君
                沓掛 哲男君
                河本 三郎君
                楢崎 泰昌君
                松村 龍二君
                友部 達夫君
                林  寛子君
                山崎  力君
                峰崎 直樹君
                山本 正和君
                阿部 幸代君
                立木  洋君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       中川 秀直君
   政府委員
       科学技術政務次
       官        松谷蒼一郎君
       科学技術庁長官
       官房長      工藤 尚武君
       科学技術庁原子
       力局長      岡崎 俊雄君
       科学技術庁原子
       力安全局長    宮林 正恭君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        塩入 武三君
   説明員
       原子力安全委員
       会委員      佐藤 一男君
   参考人
       動力炉・核燃料
       開発事業団理事
       長        大石  博君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○科学技術振興対策樹立に関する調査
 (高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏
 えい事故に関する件)
    —————————————
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長谷川清#1
○委員長(長谷川清君) ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る三月二十九日、谷川秀善君及び中原爽君が委員を辞任され、その補欠として志村哲良君及び沓掛哲男君が選任されました。
    —————————————
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長谷川清#2
○委員長(長谷川清君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 科学技術振興対策樹立に関する調査のうち、高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故に関する件の調査のため、本日の委員会に動力炉・核燃料開発事業団理事長大石博君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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長谷川清#3
○委員長(長谷川清君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    —————————————
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長谷川清#4
○委員長(長谷川清君) 科学技術振興対策樹立に関する調査のうち、高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故に関する件を議題といたします。
 同件に関し、政府から報告を聴取いたします。中川科学技術庁長官。
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中川秀直#5
○国務大臣(中川秀直君) 昨年末の「もんじゅ」の事故につきましては、地元の方々や国民の皆様に大変な不安感、不信感を与えるという極めて遺憾な結果を引き起こし、原子力行政を預かる者として心からおわびを申し上げます。
 私は、徹底した原因究明を進め、万全の安全対策を講ずるとともに、積極的かつ速やかな情報公開等を行うことにより、一刻も早く国民の皆様の不安、不信を解消し、信頼を回復することが重要と考えております。
 このため、当庁の原子力安全局において鋭意調査を進め、去る二月九日に、これまでの調査検討の結果を取りまとめ、公表するとともに、引き続き破損した温度計部の詳細調査等を行ってきたところであります。
 また、原子力安全委員会におかれましては、第三者機関として、独自の立場から原因の究明及び再発防止等のための調査審議が行われております。
 今後、さらにナトリウム漏えい実験、振動解析等を行い、これらの結果を総合的に評価し、万全の安全対策を講じてまいる決意であります。
 本日、このような調査検討の状況等について、私より参議院本会議に御報告いたしたところでありますが、さらに、本調査検討に直接携わっている原子力安全局長より詳細について説明させることにいたしたいと存じます。
 よろしくお願いをいたします。
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長谷川清#6
○委員長(長谷川清君) 宮林科学技術庁原子力安全局長。
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宮林正恭#7
○政府委員(宮林正恭君) 御説明させていただきます。
 お手元に「高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故の調査状況について」という四月十日付の資料がございますので、それをごらんいただきながら聞いていただければと思います。
 事故は十二月八日に起こったということは既に御存じのとおりでございまして、科学技術庁の方では、安全規制部局であります原子力安全局に外部の専門家及び当庁職員から成りますタスクフォースを設置いたしまして、立入検査等を行いながら事実関係の解明、調査を進めてきております。
 二月九日には、漏えい発生原因、漏えい後の拡大防止及び動燃事業団の事故時の対応といったようなことにつきまして整理をいたしまして、これまでの調査状況を取りまとめ、御報告したところでございます。
 これらの中で幾つかの問題点を指摘しておりますけれども、これに対しまして、二月二十七日に動燃事業団から回答書の提出がございました。その中で、指摘事項については可能なものから改善措置を早急に講じていくということが述べられております。
 これにつきましては、考え方としては基本的におおむね妥当である、こういうふうに考えておりますが、具体的な措置につきましては、引き続き動燃事業団において検討が進められているところでございます。
 次に、原子力安全委員会の方におかれましては、事故の翌日直ちに安全委員のお一人を現地に派遣されるとともに、独自の立場から原因の究明及び再発防止のための調査審議を行うこととされまして、専門のワーキンググループを設置いたしまして、原子力安全委員の方々も参加され、これまで四回の現地調査あるいは八回の会合といったようなことを行われまして調査が進められていると承知しております。
 また、これに加えまして、研究開発段階の原子力施設に係る事故時の情報公開等情報流通のあり方及び研究開発段階の原子力施設に係ります安全確保のあり方という事柄につきまして既に検討しようということにされております。
 それから次に、最近の調査状況でございますが、漏えいいたしました温度計部の詳細調査につきましては、これはCループの配管にあったわけでございますが、これを切り出しまして、日本原子力研究所及び金属材料技術研究所において破面観察などの調査を実施してまいりました。その結果は四ページをごらんいただきたいと思います。
 破面は温度計のさや管の破面でございますが、真ん中にございます図のちょうどドーナツみたいになっておりますのが空洞の部分でございまして、ナトリウム上流側、ナトリウム下流側と書いてございますが、この両側から亀裂が出まして、それで、特にナトリウムの上流側の亀裂の進行がどんどん進みまして、結果といたしまして、ストライエーション領域と書いてあります、ちょっと点が書いてあるような部分でございますが、こういうところが最終的にちぎれた、こういう形の全体的な構造になっているというふうに御理解をいただければと思います。これを立体観察の形で図に書いてみますと、下の図のようなことになります。
 それから次に、温度計のさや管でございますが、これは本体の方でございましたんですが、一方のさや管、約十五センチぐらい、直径が一センチぐらいのものでございます。これの探索に手間取りまして皆様方にも大変御心配をおかけしたわけでございますが、ようやく三月二十八日に至りましてこれを見つけました。現在、これらにつきまして、配管を切断いたしまして取り出すための準備作業を行っております。今月の二十四日には回収作業が開始できるのではないか、こういうふうに考えているところでございます。参考の二、五ページに具体的に見つかった場所が示されておるところでございます。
 上の図で蒸気発生器、過熱器と蒸気発生器は実は二段階に分かれておりますので、その温度をより高める方向のものを過熱器と呼んでいるわけでございますが、その過熱器の中のナトリウムがちょうど入り込んでまいります分配器、こういうふうに称している部分がございますが、この中にさやが埋まっていた、こういうところでございます。これにつきましては、非常に複雑な構造のものでございますので、この中へ機械機器を持ち込みまして具体的に取り出すという作業は、ちょっと何らか一工夫、二工夫必要ということで、現在その手配をしているというところでございます。
 それから三ページでございますが、ナトリウムの燃焼挙動あるいはナトリウムの燃焼に伴う影響といったような調査につきましては、いろいろとやはり試験をする必要がございます。当然、現場の調査あるいはコンクリートのサンプリングなども行ってはおりますけれども、そういう試験をやる必要があるわけでございます。これにつきましては先月末に実験を試みたところでございますが、残念ながらナトリウムが早期に漏えいしましたために中止のやむなきに至りました。また、四月八日に再実験を試みましたところ、予定の流出量の三分の一の流出にとどまっております。現在、これらの実験結果につきまして取りまとめを進めておりますけれども、この結果を得まして今後の方針を決定したいということでございます。
 また五月には、現場の機器配管等の状況を模擬した実験をやりたい、こういうふうに考えており、そのための準備中でございます。
 また、ナトリウムが漏えいいたしましたCループにあります他の温度計を切り出しまして、損傷調査等を実施いたしております。
 それから、Cループ以外にA、Bループというのがあるわけでございます。これらにつきましては、現在も崩壊熱を除去するためにナトリウムを循環させて冷却しているわけでございますが、ナトリウムの流速が小さいために、温度計に何らかの損傷があったとしてもその損傷が進展をいたしまして折れてしまうということはない、こういうふうには考えておりますものの、念のため温度計の密閉性能を強化いたしまして、万一破損を生じましても漏えいが生じないような安全対策を講じているところでございます。
 今後の予定といたしましては、これまでの調査及び実験は先ほど申し上げましたタスクフォースの指揮のもとに行ってきておりますが、先ほども申し上げましたいろいろな実験をやりまして、それが終了し、その評価を行った上で再発防止策を取りまとめ、その上で最終的に報告を出せる段階になるのではないかというふうに考えております。
 なお、途中経過につきましては節目節目で公表するというふうに考えておりますので、最新の情報につきましては、そんなに遅くない段階、できれば連休前には何らかのものが出せないかということで、今、鋭意努力をしている段階にございます。
 以上でございます。
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長谷川清#8
○委員長(長谷川清君) これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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川橋幸子#9
○川橋幸子君 社会民主党の川橋と申します。
 本日は、順番を変えていただきます等、委員長初め関係者の皆様方の御配慮をいただきまして大変ありがとうございます。
 ということで、いつものように大会派の先生の非常にアウトラインがわかるような説明的な設問が入りませんで、突如私の自分の関心事についてお尋ねさせていただきます。
 きょうは本会議もございまして、石田先生、また我が党の同僚議員の照屋さんが大筋質問しておったわけでございます。そこで私は、前回、三月二十八日の当委員会で第三者機関のことをお尋ねさせていただいたわけでございますけれども、本会議の中でもその問題について質問があり御答弁がありましたが、この委員会には、直接その第三者機関のメンバーでいらっしゃる佐藤一男先年にお見えいただいております。お忙しいところ恐れ入りますが、ぜひ第三者機関、御自身のお言葉で御説明いただければありがたいと思います。
 さて、今回、参議院での本会議の取り上げがタイミングはおくれたわけでございますが、おくれたといいますか、それが大変幸いいたしまして、妙な言い方でございますけれども、非常に大きな節目がちょうど来ているような感じがいたします。事業体、行政、そして安全委員会、この三者の中でかなり結論が煮詰まりつつあること、それから国際的な動きといたしましては、原子力サミットが日米首脳会談の後、引き続き十九、二十日とモスクワで開かれる、またそのために事前のIAEAの国際会議が開かれて、チェルノブイリから十年たった今日において、原子力の安全について専門家の中でも条約策定に向けての議論がなされている、こういう大変節目の時期でございます。
 私どもの照屋議員が申し上げましたように、昨年、戦後五十周年の節目でさまざまな安全神話が崩れるような、非常に国民にとりましてもあるいは国民に対しまして責任を負う議会といたしましても心の痛い話があったわけでございますけれども、年が明けまして、これからはどうやってこれを立ち直らせていくか、どうやって信頼回復をしていくか、そういう年になっていくのではないかと思われるわけでございます。こんな観点から佐藤先生にお尋ねしたいと思います。
 まず一点目は、原子力安全委員会におかれましては今回の事故をどのように受けとめておられますでしょうか。タイミングよく原子力安全白書も発刊していただいたところでございます。概略述べられているかとは存じますが、佐藤委員の方からお答えをお願いしたいと思います。
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佐藤一男#10
○説明員(佐藤一男君) 今回の「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故に関しまして、これは御案内のとおり、漏えいが発生いたしましたところはいわゆる二次系でございまして、そのために、周辺の公衆あるいは従事者への放射性物質の影響あるいは放射線の影響、こういうものはなく、原子炉も安全に停止はされたわけでございます。しかしながら、だからといってこれでこの事故は等閑視してよろしいというふうには安全委員会は決して受けとめていないところでございます。逆に、私どもとしましては、結果はともかくとしても、この事故を非常に重く受けとめているところでございます。
 その理由というのは幾つかございますが、主なところを申し上げますと、まずこのナトリウムを取り扱う技術というのは、高速増殖炉の技術開発をしなければならないさまざまなものがございますが、その中でも中核となるようなものでございます。これにつきましては、当然のことでありますが、高い信頼性を確保するということにしていたにもかかわらず、たとえ二次系であっても漏えいが起こったということになりますと、この技術そのものが本当に十分なレベルまで到達しているんだろうか、もし足りないところがあればどういうふうにこれを補っていかなければならないのか、こういう問題が浮かび上がってくるわけでございます。
 さらにまた、あえてつけ加えさせていただきますと、こういう原子炉施設のような、いわゆる俗に言う巨大システムでございますが、非常に複雑で巨大なシステムにおきましては、思いがけない場所の出来事がまた思いがけないところに影響を及ぼすということも決して珍しいことではございません。そういうことで、これが二次系であるといって私どもは等閑視するようなことなく、むしろ問題を非常に幅広くかつ深くとらえて解明していかなければならないというふうに受け取っているところでございます。
 先ほども申しましたように、高い信頼性を確保することにしていたにもかかわらず、このように実際に漏えいが生じ、しかも、この漏えいを速やかにとめることができず火災の影響を拡大するというような事態が起こりました。さらにまた、その後、御案内のビデオ問題等も含めまして情報公開あるいは情報の伝達等に大分問題があったということも明らかになっております。これによりまして、地元の住民の方々を初め多くの国民の方々に不安あるいは不信感というものを与える結果になった。これは安全委員会といたしましても極めて遺憾に存ずるところであります。
 こういうようなことも踏まえまして、安全委員会といたしましては、今回の事故を重視いたしまして、独自の立場から原因究明及び再発防止対策等々の調査審議を行うこととしておりまして、原子炉安全専門審査会の中にワーキンググループを設置いたしましてそれに当たらせているところでございます。
 また、先ほどちょっと安全局長の方からも御紹介がございましたが、私自身も事故の翌日十二月九日、直ちに現地に参りまして状況の把握に努めました。その後、実は十二月二十二日にも現地に参っておりますが、この状況の把握に努めてまいったところでございます。
 大体受けとめ方としてはこういうことだということに御理解いただきまして、この原子力安全の行政を的確に遂行していくために、地元の方々を初めといたしまして国民の信頼が大前提でございますので、私ども原子力安全委員会といたしましても、その期待にこたえるべく、全力で本件に取り組むつもりであるということでございます。
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川橋幸子#11
○川橋幸子君 ありがとうございました。御熱心に御報告いただきましたその方向で着実に取り組んでいただきたいと思うのでございます。
 起こったことは起こったことで、その原因を究明するなりあるいは責任の所在を明らかにして、これからの危機管理対策といいましょうか、災実対策といいましょうか、そのシステムを確立していただきたいと思いますが、その中で一番大きなポイントは、やはり安全審査の問題ではないかと思います。今回は原子力安全委員会がどんな役割を担われて、事前の安全審査についても責任を持たれたと思うのでございますけれども、そこにやはり不備があったと言わざるを得ないということではないのでしょうか。
 きょうの本会議の中で、大臣の説明に対して我が党の同僚議員から、温度計の設計ミスかと非常に簡単明瞭に質問いたしました。それに対するお答えは、ミスという片仮名ではなくて日本語でお答えになられまして、あれはもっと短縮して端的に言えば、大臣の口からミスがあったとおっしゃったというふうに私どもは理解できるような気がいたします。
 そのミスがあったかなかったかではなくて、安全審査というものは、事業体、それから行政、そして第三者機関、ことし出ました白書によりますと、一ページ目には、工夫されたんだと思いますが、顔写真入りでメンバーの方々が御議論していらっしゃる風景が載っております。原子力安全全般について厳格な調査審議を行っていますと、そういうペーパーもございます。
 そうした事前の安全審査が今回はどこかにミスがあった、そごがあった、欠陥があったとしたら、これを修正するのが信頼を取り戻す一番大切なことではないかと思いますが、佐藤先生いかがでございましょうか。
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佐藤一男#12
○説明員(佐藤一男君) 安全委員会の役割と申しますのは規制行政全般にわたるところではございますが、今お尋ねの安全審査は、原子炉施設あるいはその他の原子力施設のいわゆる設置許可時の審査を指しておられるものと理解いたします。
 この審査におきましては、その施設の基本設計ないしは基本的な設計の考え方、こういうことについてまず所管行政庁、この「もんじゅ」の場合は科学技術庁でございますが、所管行政庁において安全審査が行われます。その後、原子力安全委昌会は、その審査の内容につきまして法令の定める許可の基準、例えば技術能力でございますとか、災害の防止上支障がないといったような基準の適用についてそれが妥当なものであるかどうかということを審査する、これを通称ダブルチェックと呼んでいるところでございます。
 ただ、さらに設置許可に関する答申に際しまして、必要に応じまして、その後、設置許可以降行政庁が行う設計及び工事方法の認可でございますとか、使用前検査でございますとか、そういう後続の規制の段階におきまして特に留意すべき重要事項があればこれを摘出いたしまして、行政庁にこれを伝え、そしてその処理方針等について報告を受けているところでございます。
 以上が安全委員会と安全審査のかかわりでございます。
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川橋幸子#13
○川橋幸子君 設立許可時の審査というふうにやや限定的な感じで私はお答えを受けとめましたけれども、設立許可時の審査というのは今後の、もし運転再開が可能になるとすれば、そういう状況になるとすれば、そのときにもこの審査基準がしっかりと体系づけられて、今回の事故が起こるようなことがないようなより綿密な基準を考えていかれる必要があると思うんです。そういう意味のダブルチェックだと思うんです。
 時間がなくて恐縮なのですが、私は、やっぱりぜひとも聞きたい、具体例でもって聞いた方がわかりやすいかと思って聞きたいわけでございますが、温度計の安全性の問題でございます。本会議でも指摘されておりましたが、なぜ常陽と違ったものを使ったのか。安全性をチェックして、それで今度は「もんじゅ」で臨界になったわけです。何のためのテストだったのかというのは、これは常識的に非常に疑問に思います。常陽と違ったのはなぜか。
 それから、フランスのスーパーフェニックスの事故の情報が入っておった。さや管は長いよりは短い方がよい、短くしないと事故が起こりかねないと、そういうフランスの事故の教訓があった。それがなぜ学習効果として生かされないのか。
 それからもう一つ、これは新聞情報でございますが、温度計の技術的なガイドラインについては、ASME、米国機械学会がつくられておられて、ここでもカルマン渦だけではなくて、今回、多分そうであろうというふうに推測されておる対称渦というんですか、この渦のために温度計については九一年に指針を変えておられた。
 これだけの材料があり、これだけの情報があり、多分これは皆さん、事業体も行政も安全委員会も一番最高のアカデミックな人たちがいらっしゃるわけですから、共有されたと思うわけです。なぜ生かされないのか、非常に不思議でございます。
 そういう安全審査の役割と責任について、追及しているわけではございません、これからどうするかという意味を含めてお答えいただきたいと思います。
 これは日経新聞でございますか、この社説の中でも、責任の所在の不明確さ、温度計の安全性をだれが責任を持ってチェックするのかと。これは温度計というのは例示でございます。ほかにもさまざまな構造があり部品がある、材料があるわけでございますけれども、具体例を挙げて温度計についてお伺いしたいと思います。
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佐藤一男#14
○説明員(佐藤一男君) お答え申し上げます。
 まず施設全体、この温度計も含めまして、その安全確保の責任はだれが負うのかということでございますが、これはもう明瞭でございまして、施設の設置者でございます。
 それで、規制当局は、その設置者が社会的責任を果たしているかどうかを監視し監督する、いわゆる監督責任を負っておるわけでございます。安全委員会は、さらにその上に立ちまして、規制当局の規制が適正、妥当であるかどうかを見守る、これも非常に重要な任務であり責任であるというふうに理解しております。
 さて、この温度計の問題でございます。この温度計は、そういう意味ではまず設置者がちゃんとチェックをしなければならないということでございます。実際に、規制で仮にこれをチェックするといたしますと、恐らくは設計及び工事方法の認可という段階で規制当局が行うものと考えますが、現在までの慣行ではそこまでの詳細は監督が及んでいなかったというふうに聞いております。
 しかしながら、今回の「もんじゅ」の事故を踏まえますと、安全委員会では、もう既に十分経験も積みほとんど定式化されているような原子力施設ではなくて、この「もんじゅ」のように研究開発段階の施設につきましては、既にもう十分経験を積んだような施設とは違った目で見て、そして安全確保のためのさまざまの対策を講じていかなければならないであろうと。この中には、当然のことながら規制のあり方、あるいは安全委員会の監視のあり方も含めてでございます。そういうものが必要ではないかというふうに考えまして、先ほど申し上げましたワーキンググループでの調査審議、あるいは規制当局の調査等の結果も踏まえまして、その基本的な考え方を検討することとしてございます。
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川橋幸子#15
○川橋幸子君 時間がないので、本来ならばこの御説明に対して私の再疑問を呈したいところですけれども、きょうはこのお答えでは大変不満だということだけ申し上げさせていただきたいと思います。
 原子力安全全般について国民に対して責任を負う。国民に対する責任という意味では、現場、それから行政、その上に立ってどこかに責任が漏れないようにするのが全般的な責任という意味ではないでしょうか。今後について御検討くださるということでございますので、きょうは今後を期待いたしまして、この質問はこの限りにさせていただきます。
 ところで、この原子力安全委員会、大変大きな力と権限とそして責任を持っていらっしゃるわけでございます。総理大臣が任命する。そして、こうした原子力の問題につきましては総理大臣を通じて関係行政機関の長に対して勧告できる、こういう権限を持った機関でいらっしゃいます。今までそうした勧告を実行されたことがあるのかどうか。
 今回は、これは非常に大きな問題だと思います。原子力に対する国民の信頼を取り戻す、そのためにも、そういうときにこそこの勧告権というものを有効にお使いになる必要があるのではないかと思いますが、結果はこれからというお話でございますから、またこれから必要かどうか判断して必要な場合にはそうしますというお答えではなくて、この勧告権に対する原子力安全委員会自身の意義というものを含めまして、お答えを簡単にいただきたいと思います。簡単で結構でございます。
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佐藤一男#16
○説明員(佐藤一男君) お答え申し上げます。
 まず第一に、国民の皆様方の信頼にこたえるという、原子力安全確保全般にわたる責任を持っているのではないかという御指摘につきましてはそのとおりでございまして、それは日夜痛感しているところでございます。
 まず、この勧告権でございますが、私も安全委員になりましてからまだ三年でございまして、従前のことを調べていただきましたところ、これまで安全委員会の中で企画、審議あるいは決定した事項につきましては関係行政機関の方で十分これを尊重しておられまして、あえて勧告という形をとらなくても十分であったというふうに伺っております。
 今回のナトリウムの事故について、先生からこれからだろうというようなことまでお話ございましたけれども、これは調査審議の結果を踏まえまして結論すべきことではございますが、もしその結果、勧告するのが必要でありかつ適切であるということになりましたら、私どもといたしましては、それを行うのをためらう理由は何もないというふうに考えてございます。
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川橋幸子#17
○川橋幸子君 時間が参ったのですけれども、一問だけ大臣にお聞きしたいことがありまして、お許しいただきたいと思います。
 ところで、原子力安全委員会の事務局が行政の科学技術庁の中にあるのでございます。きょうの報告も科学技術庁が、わざわざ安全委員会の先生がお見えなのにもかかわらず、かわって局長が御説明なさる。これは、行政の側では二重人格である点は十分わきまえながらやっていらっしゃるとは思いますけれども、一般国民、第三者の目から見ますと、やはり独立性というのは非常に薄いように見られます。それは本人の主体的な問題じゃなくて、外から見たときの客観的な印象の問題でございます。
 総理大臣に対して勧告も意見も述べられる、あるいは委員会としても決定できるということでしたら、ぜひその事務局は総理府にお置きになるとか、事務局は行政の機関からセパレートになさるということをお考えになられることはありませんでしょうか。
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中川秀直#18
○国務大臣(中川秀直君) 原子力安全委員会は、何回も申し上げておりますけれども、委員も御承知でございますが、総理府のもとに設置された諮問委員会でございます。下部組織として延べ約四百人に及ぶ各分野の専門家から構成される二つの審査会並びに十六の専門部会を持っている。そして、五人の委員の先生方は国会の御同意を得て内閣総理大臣が任命するということにされている行政庁からは独立した第三者機関でございます。
 委員御指摘の事務局が、それでも科学技術庁原子力安全局にあるのは独立性に欠けるではないか、こういうお尋ねでございますが、行政庁の規制担当課、例えば原子炉規制課というものが行政庁の側にはございますけれども、その課や室とはまた全く別の原子力安全調査室というものがこの安全委員会の事務局として置かれているわけでございます。形としては委員御指摘の考え方も一つの考え方だとは思いますけれども、私としては、こうした体制によりまして、現実には原子力安全委員会の第三者性というものは保障はされている、このように考えております。
 行政改革の中でのスリムな体制ということもございまして、現状の中ではそのように私どもは認識をしておりますし、そしてまた、安全委員会の先生方もみずから御企画をなされ、そして審議をし、そしていろいろな主要な事項は御決定をいたしている、こういうふうに受けとめさせていただいているところでございます。
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川橋幸子#19
○川橋幸子君 ありがとうございました。
 同感いたしかねますけれども、また質問させていただきたいと思います。
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松村龍二#20
○松村龍二君 自由民主党の松村でございます。
 昨年十二月八日に発生いたしました福井県敦賀市にあります高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故につきましては、昨年十二月二十七日に当委員会で調査審議を行い、また本年一月十六日には当委員会として「もんじゅ」サイトにおきます調査を行い、さらに本日、本会議において政府より報告があったところでございます。
 今回の事故が私の地元福井県民に対して、従来大変な信頼を寄せていただけに、大きな不安感と不信感を呼び起こしたことはまことに遺憾でありまして、福井県選出の国会議員として福井県民の気持ちを代弁して今回の事故に対する政府の率直な反省を求め、それを踏まえた取り組みをさせていただきたいと思います。
 私は、昨年十二月二十七日に行われました委員会におきましては、この「もんじゅ」事故に対する東京と地元との意識のギャップ、あるいは専門家と一般市民とのギャップ、これについて指摘すると同時に、また科技庁が動燃だけのミスであるというふうな態度をとるということについては必ずしも地元県民が納得いたしかねるというふうな御質問をさせていただいたところでございます。
   〔委員長退席、理事石田美栄君着席〕
 まず、昨年の事故発生直後から科学技術庁の方では事故調査・検討タスクフォースを設置いたしまして、原因の究明作業を実施されてきたところであります。その途中経過について去る二月九日に中間的に取りまとめ、公表されたのであります。
 その中で、ナトリウム漏えいを初期の段階で掌握し、火災拡大に至らないように適切に対処できなかったというナトリウム漏えい後の拡大防止については既に相当程度明らかにされました。しかしながら、ナトリウム漏えい発生の直接の原因となった温度計の破損原因につきましては、その時点では特定されていなかったのであります。その後、金属材料技術研究所や日本原子力研究所におきます電子顕微鏡を使った調査などさまざまな調査の結果、温度計の破損原因は高サイクル疲労によるものと判断したとのことでございます。それと並行して動燃事業団でも振動試験などを実施し、また他の温度計につきましても調査していると聞いております。
 本日の本会議、また先ほどの局長の御説明である程度御説明があったように承知いたしますけれども、今回のナトリウム漏えい事故の原因となった温度計が高サイクル疲労を起こすメカニズムについて、これまでの調査においてどのようなことがわかっているのか、お伺いしたいと思います。
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宮林正恭#21
○政府委員(宮林正恭君) お答えさせていただきます。できれば、先ほど私が御説明させていただきました資料の参考一ページ四をごらんいただきながら聞いていただければ幸いだと思います。
 まず、先生お話がございましたとおり、温度計につきましては、日本原子力研究所あるいは金属材料技術研究所で電子顕微鏡などを用いまして破断面の調査などを行いました結果、先ほど申し上げましたようなところでございまして、亀裂は約十五カ所から発生したというふうなことがわかっております。そして、それが順次成長していって最後に切れたということでございます。
 また、振動試験を、これはナトリウムをそのまま使うわけにはなかなかいきませんものですから、水を使いまして実験いたしました。この結果、当初はスピードが速いときに亀裂が発生するわけでございますが、流速が小さくなってまいりましてもさや管の振動が生じます。それで最後には切れてしまうというふうなことになっているということがわかったわけでございます。
 具体的には、一〇〇%の流量、つまり一番速いスピードのときでございますが、このときには高サイクル疲労で亀裂が出てまいります。そしてそれは、先ほど申し上げましたように、上流側から下流側に亀裂が徐々に進みまして、逆に下流側からも少しずつ亀裂が出てくる。
 それで、四〇%の流量、これはまさにこの「もんじゅ」のナトリウム漏れが起こったときの状況でございますが、この段階、ある段階まで進んでまいりますとこれくらいの流量でもさや管が振動しやすい状況になりまして、最終的には先ほど申し上げました両方の亀裂が合体をしまして、ちぎれて切れる、こういうふうなことになっているものと考えております。
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松村龍二#22
○松村龍二君 温度計の破損は設計ミスとの指摘がありますが、現時点までの原因究明でこの点は確認されたのでしょうか。
 また、私も大学の受験勉強のときに物理をとった程度の全くの技術の素人でございますけれども、流体の中にさおを入れれば、そのさおに抵抗がかかるというふうなことは私でもわかるわけですけれども、これがなぜチェックされなかったのか、お伺いしたいと思います。
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宮林正恭#23
○政府委員(宮林正恭君) まず、設計ミスであったかどうかということでございますけれども、これにつきましては、先ほど申し上げましたような高サイクル疲労がきっかけとなって最終的に破断をして事故が起こった、こういうふうに考えております。この段階で、最終的なあるいは断定的なことを申し上げるのはちょっと避けさせていただきたいと思いますが、設計に問題があった可能性は非常に高い、こういうふうに考えております。現在進めております調査の結果を最終的に総合的に判断いたしましてそういう判断をさせていただくことになろうか、こういうふうに考えております。
 なぜチェックされなかったかということにつきましてでございますが、これにつきましては現在調査を進めておりますが、動燃におきまして自主保安によって安全確保が図られて設計の審査をされてきているところでございますけれども、それにつきまして十分でなかった面があったというふうに判断せざるを得ない側面もございます。
 なお、研究開発段階の原子力施設の安全確保のあり方、これは先ほどもいろいろ御議論が出ておりましたけれども、設計や施工の方法も含めまして原子力安全委員会において今回の事故にかんがみまして検討されているところでございまして、私どもとしましては、この検討結果を得まして今後の対応を十分とって、こういうふうなことにならないように気をつけていきたい、こういうふうに思っています。
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松村龍二#24
○松村龍二君 折れたさや管につきましては、三月二十八日に蒸気発生器の入り口部分で発見され、実に管の中を百九十メートル流れ流れて蒸気発生器のところでとまっておったということでございますが、ようやく四カ月近くなりまして発見されて、今後、回収の上、調査を行うと聞いております。
 また、一昨日は、動燃事業団でナトリウム漏えいの再現実験が行われまして、今後さらにより実物に近い形での再現実験も行う予定とされておりますが、地元としては、徹底的な原因究明を速やかに行い、その上で万全の再発防止策を慎重にまとめてもらうことが必要と考えるところであります。
   〔理事石田美栄君退席、委員長着席〕
 今後、さらに事故の原因究明作業等をどのように進め、まとめていくつもりなのか、お伺いしたいと思いますが、これは温度計だけの問題ではない。温度計の問題においてこのように初歩的なミスがあったということで、最先端の原子力を利用する発電所ということでございますので、いろいろ事故の究明作業等も行われなければならないと思うところでございますが、どのようにまとめていくつもりか、お伺いします。
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宮林正恭#25
○政府委員(宮林正恭君) お答えさせていただきます。
 現在、これまでに実施されてまいりました温度計の破面観察とか振動試験の結果につきまして最終的な評価をする、あるいは温度計の設計に関する調査といったものについて最終的な整理を進めているところでございます。
 しかしながら、先日行いましたナトリウム漏えい試験といったようなものにつきましては残念ながら必ずしも思ったようにいっていない、こういうふうな段階にございますので、これらの実験もどういうふうにして今後取り扱っていくかということについては、三分の一ぐらいは既に漏出する実験はしておりますので、それを含めまして大至急検討を進めていきたい、こういうふうに思っているところでございます。
 また、さや管の部分につきましては、先ほど申し上げましたように、これを取り出しまして破面観察の調査をするというふうなことをしたいと思っております。
 それから、ライナーの構造などを模擬しました全体的なナトリウム漏えい燃焼試験というふうなことをやはりやる必要があるのではないかということで、現在、タスクフォースの先生方と御相談をしているところでございます。
 したがいまして、これらの試験、実験といったようなものを経まして、その結果を解析し評価をした後に、タスクフォースにおいて最終報告を出し得ると判断できる状況になれば、その段階で最終報告を出させていただきたい。また、先日、二月九日にいろいろと指摘をしたこと等につきましても引き続き調査などを進めておりますので、それにつきましても調査の結果がまとまり次第御報告できるようにしたいというふうに考えておりまして、いずれにしろ、節目節目で公表していくということで進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
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松村龍二#26
○松村龍二君 一方、今回の事故の場合に、動燃事業団から地元自治体への、福井県あるいは敦賀市、あるいは関係近隣の町等への事故発生の通報連絡がおくれたことが指摘されております。
 本来、事故発生時には地元自治体は、事業者との間に結んだ安全協定に基づきまして、事業者から連絡を受けることになっております。この安全協定はあくまでも当事者間の紳士協定でありまして、その運用に関して法的根拠があるわけではありません。要求しないでも出す某会社、要求して出す某会社、要求して出さない某というようなことが地元で言われておるように、まちまちなところがございます。
 国はこれまでも安全協定の遵守について事業者を指導してきておりますが、実際には今回の場合もこれが適切に守られたとは言えず、抜本的な取り組みが必要であるとの指摘があります。すなわち、地元では、通報連絡について法的位置づけを明確にするなど、きちんとした仕組みの中で事業者に義務化すべきではないかという議論がございます。
 考えてみますと、事業者の立場に立てば、事故をなるべく軽くおさめたい、そのことにまず集中したい、あるいはその事業体の幹部に報告し指示を仰ぎたい。県は、地域住民の安全のためにいち早く情報が欲しい、地域住民の生命がかかっておる、今回の場合は幸いにそのようなことはなかったわけですけれども、そのような可能性があるこの問題につきましてはいち早く情報が欲しいという立場でございます。
 今回の事故については、動燃が県に通報したのは一時間おくれであったということが指摘されておるわけでございます。国は、事故がどの程度の規模の事故であり、これをどのように対処するべきか、その意味でいち早く情報が欲しい。それぞれ立場がございまして、これが単なる紳士協定では不十分であるというふうに県では見ておりまして、事業者に法的な位置づけで義務化すべきではないかという議論があるわけでありますけれども、これについてどのようにお考えでしょうか。
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宮林正恭#27
○政府委員(宮林正恭君) お答えさせていただきます。
 事故時におきまして、事業者が国あるいは立地する県、市といったところに直ちに連絡する、これはもう全く当然のことであるというふうに私ども考えております。今回の動燃の対応ぶりにつきましては、行き届かなかったところがあるということについては大変申しわけないことである、こういうふうに考えております。引き続き私どもとしましては動燃に対しまして強く指導してまいりたいということをまず第一点として申し上げたいと思います。
 それで、法的に位置づけるかどうかということでございますが、これにつきましては、法的な意味あるいはその後に通知を受けた者がどんな役割を果たすかといったような全体的な法律論の詰めがどうしても必要になるのではなかろうかというふうに思われるわけでございます。
 今後、自治体の御意見もいろいろ伺いながら、この問題につきましては私どもも研究をしていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
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松村龍二#28
○松村龍二君 原子力の防災につきまして基本法といったものをつくってほしいというような希望を持っておりますので、そのことについては後ほど言及いたしますが、そのような中に位置するのかどうかわかりませんが、御検討をいただきたいと思います。
 また、現地に常駐し、「もんじゅ」の運転管理を行っている科学技術庁の運転管理専門官につきまして、事故発生直後の行動に関しどのような役目を負っていたのか、実際何をしていたのか、事故の状況を的確にとらえていたのかなとの厳しい指摘を県の原子力安全対策にかかわっている人々はするわけでございます。これに対しまして科学技術庁は、二月九日、事故時・緊急時の運転管理専門官の役割の明確化と権限の強化を行うとの方針を示しておられるのであります。しかし、その内容の具体化はまだ示されておりませんので、今までの運転管理専門官と比べて何が変わるのかという疑問を持つ人もいるのであります。
 県の方は、原子力発電所が十五基もございますので、長い間に経験を積んで、いち早く情報をとり、またいち早く現場に駆けつけてというようなことになれているわけですが、国から派遣されております運転管理専門官は、体制も弱いし、どろも県の姿勢と比べますと県民の安全といったことに対して何か緩いという印象を県では持つわけでございます。
 運転管理専門官につきまして、従来と比べてどう強化されるのか、お伺いします。
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宮林正恭#29
○政府委員(宮林正恭君) お答えさせていただきます。
 事故時の対応につきましては、基本的には、まず事業者が責任を持って対応してもらう、そして事故に関します情報が迅速かつ正確に規制当局に十分提供される、こういうふうなことが安全規制の大前提になっております。しかしながら、残余ながら今回の事故ではこの基本は守られなかったということでございます。
 今回の事故の対応を見ますと、運転管理専門官が事故に関する全体的な情報を迅速的確に収集把握をする、あるいは所要の対応をとるという点で弱体であったという御指摘については、私どもとしても反省をしているところでございます。このため、事故時・緊急時における運転管理専門官の役割を明確にしまして、必要に応じて一層主体的に対応できるような行動指針を明確にすることで現在その作業を進めているところでございます。
 この中で、運転管理専門官が必要に応じて事故に関します情報の収集のために強制的な立入検査をするというふうなことにしたい、こういうふうに考えております。また、人的あるいは予算的な面を含めまして体制の強化についても検討を進めているところでございます。
 なお、運転管理専門官への通信手段の強化につきましては、既に携帯電話等の配備は行っておりますけれども、引き続きその強化の手法をぜひ開発していきたいということで、最近の進歩した情報通信手段の活用というふうなことも通信事業者などに接触していろいろ検討を進めているところでございます。
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