エズラ・F・ヴォーゲルの発言 (外務委員会アジア・太平洋に関する小委員会)
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○参考人(エズラ・F・ヴォーゲル君) 寺澤さんの前提は正しいと思います。というのは、八九年の天安門事件の影響はアメリカ人に対して物すごく強かった。そういう気持ちですね。当時、寺澤さんがワシントンにいらっしゃるうちも繰り返したんですけれども、最近も同じ天安門事件のテレビ番組をまた繰り返すわけですね。中国の問題が大体アメリカのテレビに出ると、その八九年にとったフィルムをまた繰り返すわけです。ですから、そのインパクトは今でも物すごく強い。
それから、台湾の影響は八七年以来の民主主義で、最近も台湾はワシントンの友達もすごく多いんですね。ですから、圧力団体それからロビーイングは物すごくうまい。五〇年代に台湾からアメリカへ留学してそれから台湾に戻ってきた李登輝だけではなくて例えば外務大臣も、アメリカの留学生も多くて、ですからワシントンの影響を物すごく、英語もうまいしワシントンのことをよく知っているし、友達がいっぱいいる。ですから、台湾の影響は物すごく強い。
ただ、李登輝がアメリカを訪ねてから台湾に帰ってきて中国の反応は物すごく強い。ですから、アメリカ人は少し遠慮するようになっていると私は思います。議会議員は、李登輝がアメリカを訪ねていきたいというとき、みんな無責任だと。李登輝はアメリカを訪ねていいと。結局どういう効果があるか、外交にどういう影響を及ぼすか、全然考えていなかったと私は思います。ただ、李登輝はいい人だと、アメリカの大学で博士号を取って、それから悪いことを全然しなかった。
例えばアラファトはワシントンを訪問しているし、それからアイルランドのジェリー・アダムズもワシントンを訪問している。そういう人間はワシントンを訪問して、李登輝は立派なアメリカの博士号を持っているのにどうしてアメリカへ来ないかという意見はだれでも持っていた。
ただ、今はやっぱり北京の反応を見て少し遠慮することになっているわけです。例えば、ことし李登輝をまた招待したい気持ちがまだあると思うんです。特に共和党は李登輝をまた招待したい。それから、最恵国待遇をやめるかどうか、アメリカの議会は十分に議論する可能性があると思いますけれども、最後には続くと、私は間違いないと思います。というのは、クリントンは選挙の前で中国とけんかしたくないという気持ちが非常に強いし、それからもし李登輝が本当にもう一度アメリカを訪問したら大変なことになると。それは李登輝自身も十分わかっていると思います。ですから、李登輝はことしとか来年はアメリカを訪問しないと思います。共和党は招待したい、そういう気持ちはあり得るけれども、クリントン政権自体は許さないと私も思うし、それから李登輝も来ないと私は思っております。