大原一三の発言 (金融問題等に関する特別委員会)
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○国務大臣(大原一三君) 委員の御指摘、本当にありがとうございます。御心配の筋、我々も十分認識をしているところでございます。
御承知のように、預金は集まるわけでございます。農協の方というのは、農家の方というのは、品物を扱ったりあるいはまた品物を買ったりするところへ預けておいたり、それからまた、お米の集荷もやられる、代金も入ってくる農協へ預けると、こういう仕組みはやはり今後続いていくだろうと思います。
そういった意味で、農林中金が世界の銀行ランキングの中で、先ほどの御指摘があるにかかわらず、日本ではナンバーワンになっておるわけですね、三菱銀行より系統、農林中金の方が世界の評判がよろしいと。
これは何だろうかと考えてみますと、預金集中能力なんですね。だから農林中金は安定をしておるというようなことでありますが、委員御存じのように、協同組合組織でございますから金利は払います。さらにまた、利用分量分配ということで農家への還元をそれに上乗せして還元しているわけでございまして、御指摘のように内部留保は一般系統の金融機関に比べて非常に薄いわけでございます。
これは協同組合組織の宿命でございまして、今までそういう経営をしておりましたが、今、委員が御指摘されたことは大変重大なポイントでございまして、金融の自由化の中で、もう既に金利は自由化されたわけでございますが、農林中金はやっておりますが、今後、ディスクロージャーを信連、系統ともに進めていかなければなりません。信組、信金と同等にディスクロージャーが今行われていないわけでございます。したがって、貯金をする方の自己責任原則といいましても、ディスクロージャーがされてないところへ、あんた責任持ちなさいと言ったって、これは無理な話でございます。
したがって、系統のこれからの改革の一つの柱の中でディスクロージャーを進めていかなければならない。農林中金は現在やっておりますけれども、信連並びに単協は全然ディスクロージャーをしていないわけでございますから、この八年の三月から十年の三月までに各段階の不良債権をオールディスクロージャーする計画を立てているところでございます。
それと同時に、現在の機構の重畳的組織をどのようにしていくかということでございますが、やはりスリム化というのがリストラの眼目だろうと思うんです。そうなりますと、信連を農中へ吸収していく。人員を全部吸収することはできませんから、その機構を、機能を全部農林中金へ吸収する、そこにいる信連の人たちは恐らく二極分化していくだろうと思います。そういった意味で組織のスリム化を進めていかなければならない。
同時に、単協におきましては、現在二千五百ありますが、この一年間で約二百五、六十の統合が行われまして、単協の数が減っております。これを四、五年以内に六百ぐらいのところへ引き下げていって、やはりスリム化、効率化を進めていかなければならぬと考えております。
そういった状況の中で、経営のやり方がまずいではないかと各方面から御指摘をいただいているのでありますが、まさに農協系統の金融システムは完全な護送船団でございまして、単協の貸し出し割合は四割でございます。信連の貸し出し割合は二割でございます。残りの全部は農林中金に集中されておるということでございます。
じゃ、今後その貯貸率が各段階で改善されるかというと、私は改善されないと思うんです。むしろ、農協、農業それ自体の借り入れば現在の状況では減っていく。そうなれば、七十兆円という資金をどのように効率的に運用するかというのは非常に大きな課題になります。したがって、先ほど申しましたように、農林中金への機能の集約というところに、この金融効率化の改革の一番大きなポイントがそこに置かれるだろうと私は思うんです。
現在、農林中金は外国に支店を持っておりますけれども、その支店の貸し出し自体が農林系にしかできないんですね、ないしは関連事業にしか貸し出しができない。これではやはり本格的な金融のリストラ、改革にはならぬだろうと。したがって、農林中金の行動半径を広げていただく、翼を広げていただく。そうして、国際的にも七十兆円がより有効に効率的に機能できるシステムを再構築するのが改革の主眼だと私は思っております。そういった意味で、我々の農林省にも自主的に、私の手元に官房長を中心にしてプロジェクトチームをつくりました。さらにまた、総理大臣の諮問機関であります農政審議会においては一月から精力的にこの問題に取り組んでいただいております。九月までには申し上げたようなことをひっくるめまして改革案をつくり、でき得れば通常国会に提示したいと思うのであります。
ただ技術的に、今おっしゃいましたようにプロがいない。選挙で選ばれる人でありますから、牛を養い蚕を養っている人が金融を担当するわけですから、これには非常に単協ベースでは問題があるわけでございます。したがって、そこにプロフェッショナルな金融マンを入れていく体制をどうしても今後つくっていかなきゃならない。農林中金等々におきましてもこういうスタッフを今後養成していく体制をつくっていかなきゃならぬと思っております。
さらに、監査につきましても、農林省に現在五十人ぐらいの検査官がいるわけでありますが、我々としてはできるならば、行政改革のさなかでございますが、ほかの部をつぶしても検査部をつくって人員の充実を図り、それにふさわしい人材を充実していったらどうかなと。さらに、外部監査の問題等、より護送船団の外側の知恵を注入することも考えていきたいと思っております。
大変長時間、ありがとうございました。