中川秀直の発言 (決算委員会)
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○国務大臣(中川秀直君) 守住委員にはいつも科学技術分野で党の部会長としても御指導を賜り、また当委員会の委員の先生方に昨年十一月、科学技術基本法を制定していただいて、それに基づきまして本年七月、基本計画を定めさせていただきました。
平成九年度の新予算はまさにその科学技術創造立国元年の概算要求ということになりまして、私ども科学技術会議を初めいろいろな国会の諸先生方の御意見も体しながら懸命に今取り組んでいる次第でございます。その中で挙げられますことは、やはり二十一世紀に向けて宇宙も含め、海洋も含め、そしてまた物質、ライフサイエンス、いろんな分野を含めまして目標を定めましてそれを達成していく、そういうテーマをきちんと掲げていかなきゃいかぬ、こう考えております。
宇宙については、ただいま政府委員からも答弁しましたとおり、諸外国からも、実際それがどうなるかはわかりませんが、全体で二十五基の人工衛星を日本で打ち上げられないか、こんな話もございまして、HⅡAロケットの開発を前倒しで促進すること、あるいはまた新たなものとして宇宙無人往還機HOPElXの開発、さらにはNASDA、開発事業団において月面探査車の開発等にも取り組んでまいりたいと思っております。
同時にまた、先般、NASAへ参りましてゴールディン長官等とも打ち合わせをいたしましたが、こちらからは、何とか我々のかけがえのない惑星である地球を守るために、温暖化を初めさまざまな地球環境の変動の予測をきちんと宇宙から、あるいは海洋から陸域からやっていくべきではないかと。そういうために先般打ち上げた「みどり」、ADEOSも活用するし、これから打ち上げる熱帯降雨観測衛星なども使う。
また、それを海からもきちんとしなければなりませんので、赤道あるいはまた北極圏において「みらい」、新しい海洋観測船等も活用しながら、いろいろなブイを赤道、特に日本の場合は日付変更線から西側になりますが、アメリカが東側になりますが、ブイを設置いたしまして、そのデータをリアルタイムでとっていく。あるいはまた、北極においても「みらい」等が観測するデータを全部新しいデータでとりまして、そしてそれを、これから開発をまたしなければなりませんが、今の大型計算機のさらに千倍ぐらいの能力で、シミュレーターと称しておりますが、計算をする。
こういうことによりまして、今百キロ四方ぐらいの地球全球的なデータが十キロ四方ぐらいのさらに細かい網目でとれるようになる。そういうことを積み重ねてまいりますと、今の気候変動予測も場合によっては一年単位で可能になるのではないか、またそういうことを目指してやりたい。これを日米協力でやったらどうかという提案をいたしました。先方も、大統領補佐官初め賛成をしてくれた次第でございます。
また、向こうからは、火星の生物の痕跡があったということで、これに対する日米協力も申し出がございました。我が方としても、何ができるか今専門家を集めて検討に入っているところでございます。
あわせまして、基本計画では、今委員触れましたとおり、二十一世紀を目指してもう一度日本が世界一を目指す分野として、新しい物質・材料の開発、例えば超鉄鋼、新世紀構造材料を開発したい。これは筑波の金材研を中心にマザーラインを設けまして、二倍の強度、二倍の寿命の鉄鋼を開発する。これは超微細の組成の組み合わせといいましょうか、粗い鉄鋼要素を組み合わせるのじゃなくて、きちんとコントロールして微細組織の要素を全部組み合わせますと二倍の強度になる。こういうことでやりますと、大体まあ建物なんかでも、阪神・淡路で壊れるものが壊れない、あるいは百年でももつ。あるいは、橋でも二千メートルしかかけられないものが六千メートルかけられるようになる。鉄道でも、レールが三年、五年でかえなきゃいけないものが倍ぐらいの寿命になる。
こういうことで、もう一度そういう分野で世界一を目指す。それからできる工作機械や自動車でもまた新たな発展を期すことができる、こういうことも考えておるところでございます。
また、各省と連絡をして、人間の一番の中枢器官である脳の科学を一層欧米に比して負けないように頑張りたい。
さらには、たんぱく質の高次機能の解明とか、あるいは先端技術を開発するためのツールの開発とか、そういったことをきちんとやって二十一世紀の新しい人類への貢献、また日本の新産業の創出、そういうものに資してまいりたい、こう考えている次第でございます。