諸井虔の発言 (地方分権及び規制緩和に関する特別委員会)
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○参考人(諸井虔君) おはようございます。
御紹介いただきました諸井でございます。よろしくお願いいたします。私のお隣が委員長代理の堀江湛慶応大学教授でございます。それから、こちらが地域づくり部会の部会長成田頼明横浜国立大学名誉教授でございます。
きょうは、地方分権推進委員会の審議状況につきまして御説明を申し上げる機会を与えていただきまして、まことにありがとうございました。心から御礼を申し上げます。
それでは、まず当委員会の発足からこれまでの主な審議経緯及び今後の予定につきまして御説明を申し上げます。
当委員会は、資料一にございますとおり、地方分権推進法が施行された昨年七月三日に発足をし、委員として、私と堀江委員のほか、福岡市長の桑原敬一さん、前神奈川県知事の長洲一二さん、東京大学教授の西尾勝さん、評論家の樋口恵子さん、元宮城県知事の山本壮一郎さんの七人が国会の御同意をいただきました上で総理から任命をされております。
初会合には、総理初め関係大臣が臨席され、総理から、政府としては五年間の前半をめどに地方分権推進計画を作成したいとの御意向が示されるとともに、地方分権推進委員会に対し、二十一世紀に向け、地方分権の総合的かつ計画的な推進を揺るぎなきものとするよう、幅広い観点からの十分な審議に基づき、具体的な指針を勧告するよう要請がございました。
それ以降、これまでの約七カ月半の間に委員会、部会合わせて四十三回の会合を重ねてまいりました。
この間、昨年十月中旬には、行政分野別課題について個別具体的かつ専門的に調査審議を行うため、各界を代表する二十四人の専門委員が総理から任命されるとともに、委員会のもとに地域づくり部会及びくらしづくり部会の二つの部会を設置いたしました。
地域づくり部会においては、国土・土地利用、住宅・公園、産業・交通・通信、公害・自然環境など主として地域社会の基盤にかかわる行政分野を担当し、それからくらしづくり部会におきましては、福祉・保健・医療、衛生、教育・文化、雇用・婦人・少年、消費者など主として住民の暮らしにかかわる行政分野を担当しております。
なお、専門委員の中から、地域づくり部会の部会長にはこちらにおいでの成田さん、それからくらしづくり部会の部会長には東京大学教授の大森彌さんを指名したところでございます。
また、これらの部会の設置に当たり、それまでの委員会における論議を整理することといたしまして、「地方分権推進に当たっての基本的考え方」、それから「行政分野別課題審議に当たって留意すべき事項」を取りまとめて各部会に伝達するとともに、十月十九日にこれらを公表したところでございます。
委員会はその後、昨年末まで主として委員会と部会の合同会議を開催し、行政分野ごとに、主に地方団体からは具体的な改革意見や要望を、また関係各省庁からは地方への関与等を行っている具体的理由や地方団体から指摘された事項に関する見解を伺うとともに、さらに有識者からもヒアリングを行って、地方分権を具体的に推進するに当たっての改革課題の主な論点を整理しながら審議を進めてまいりました。
また、地方分権の推進に関し国民各層の幅広い意見を聞き、今後の中間報告、指針作成の参考にするとともに、広く分権の必要性を国民の皆さんにアピールするため、十一月二十七日の月曜日には広島県広島市で、また十二月六日の水曜日には群馬県前橋市で一日地方分権委員会を開催いたしました。
このように審議を進めてきた結果、昨年十二月二十二日には、機関委任事務制度を廃止した場合の従前の機関委任事務の取り扱いについての検討試案を取りまとめ公表するとともに、今後の審議の進め方について昨年十月に委員会で取りまとめた基本的考え方などを一歩進めた委員長見解を記者会見で示しました。これらについては後ほど御説明を申し上げます。
また、本年一月以降は、委員会と部会を合わせるとおおむね週二回ないし三回の頻度で開催をいたしまして、昨年末に取りまとめた機関委任事務制度の廃止に係る検討試案あるいは委員長見解の考え方を踏まえて審議を進めております。
委員会では、機関委任事務、国の関与・必置規制、補助負担金、地方税財源等の制度的課題について改めて地方団体、関係各省庁、有識者からヒアリングを行うとともに、フリートーキングを行っております。また、両部会では、個別行政分野ごとに論点を整理し、各省庁、地方団体からヒアリングを行いつつ、掘り下げた審議を行っております。
これにより、本年三月末を目途に委員会として中間報告を取りまとめる予定としております。また、地方分権推進計画作成のための具体的指針の勧告の時期については、審議の状況にもよりますが、少なくとも緊要度の高い事項につきましてはできれば本年秋ごろまでに、また遅くとも本年じゅうには行えるよう審議を進めてまいりたいと考えております。
以上がこれまでの主な審議経緯と今後の予定でございます。
次に、昨年十二月二十二日に取りまとめました機関委任事務制度を廃止した場合の従前の機関委任事務の取り扱いについての検討試案、それからその他の事項についての委員長見解のメモについて御説明をいたします。
最初に、機関委任事務制度の廃止に係る検討試案について御説明いたします。資料二の一をごらん願います。
御承知のとおり、政府が閣議決定しました一昨年末の地方分権大綱方針や地方分権推進法案に係る国会審議等を通じて、機関委任事務制度のあり方について当委員会として検討することが要請されております。
また、昨年十月から二つの部会がスタートし、地方団体、中央省庁等からヒアリングを実施し主な論点を整理した結果、地方団体側と中央省庁側の意見にはかなりの隔たりがあるという状況が出てまいりました。そこで、当委員会では機関委任事務制度を廃止した場合の代替措置についての基本的な考え方や仕組みを示し、それに対して各省庁や地方団体の意見を聞くことが今後の論議を深めるために効果的であると判断をいたしまして、委員会で検討試案を取りまとめ公表したところでございます。
試案の考え方は、現在の機関委任事務制度を廃止した場合、まず、事務自体を廃止するものは別として、原則的に地方公共団体の事務とするよう図り、引き続き国の事務として残さざるを得ないものについては、法律により地方公共団体への委託事務とするなどの新たな事務処理方法を設けてはどうかということでございます。内容の詳細につきましては、後ほど検討試案作成の中心となられました成田部会長から御説明をいたします。
なお、これはあくまでも検討試案でございまして、各省庁、地方団体等の意見を踏まえてさらに細部を詰めるなど検討を深めていくこととしております。
次に、委員長見解について御説明をいたします。資料二の二をごらんいただきたいと思います。
この資料は、国と地方の役割分担、国の関与及び必置規制、補助金等の三項目に関しまして、今後の委員会及び部会における検討の考え方について私が昨年十二月二十二日の委員会終了後の記者会見で発言したものを整理したものでございます。昨年十月に当委員会が取りまとめて公表しました「地方分権推進に当たっての基本的考え方」及び「行政分野別課題審議に当たって留意すべき事項」等における考え方を一歩進めた内容となっております。両者を比較したものが資料二の三でございますので、後ほどごらんいただきたいと存じます。
最初は、「国と地方の役割分担」でございます。
昨年十月に公表した基本的考え方では、国と地方の役割分担について、一昨年の地方分権大綱方針や地方分権推進法と基本的に同じ考え方に立った内容でしたが、今回の委員長見解では、十月に示しました、国は、全国的規模、視点で行われることが必要不可欠な施策、事業の実施など国が本来果たすべき役割を重点的に分担する、その考え方について、これまで全国的な規模、視点で国によって行われてきた施策、事業であっても、国はナショナルミニマムの維持達成等に係る基本的な事項を重点的に担うこととし、地域に関する行政は広く地方公共団体が担うものとする、こういうふうに一歩踏み込んだ考え方に立っております。
次に、「国の関与及び必置規制」について御説明いたします。
今回示した考え方では、国の関与の基本ルールと手続に関する一般的な制度を設ける方針で具体的な検討を行うということにしておりますほか、国の関与や必置規制については、法令の定めによらないものは原則として廃止するとともに、存置する場合においても基本的な事項は法律で定める方針で具体的な検討を行うということにしております。
前回に比べ、国と地方公共団体との間において行政手続法的な考え方に立ったルールを設けることを検討することを新たにつけ加えたところであり、新たな国、地方のパートナーシップのもとにおける国の関与は、従来の上下関係を基本としたものから、透明、公正を旨とする対等の関係に移行すべきであるという考え方に立っております。
三番目が「補助金等」でございます。
補助金等についての本格的な論議はこれからでございますが、昨年十月に示した考え方に沿って、積極的にその整理合理化を進めることはもとより、国の過度の関与を是正する観点から、補助基準、補助要綱等のあり方について基本的な見直しを行うとの考え方を示したところであります。
また、補助施設の活用の問題がいろいろ出ておりますので、補助施設の有効活用を進めるため、補助金交付後一定期間を経過した後は、地域の実情に沿って簡素な手続により地方公共団体が転用できることとする方向で検討することとしております。
以上で委員長見解メモの御説明を終わります。
なお、この機会に当委員会における審議内容の公開等の取り扱いについて御紹介をさせていただきます。
当委員会では、審議状況を関係各位に御理解いただくため、委員会終了後、原則として委員長及び委員長代理から記者会見を即日行っております。また、審議経過の速報版を審議概要として公表しているほか、議事録に相当するより詳細な議事要録を公表しております。また、部会についても、記者会見のほか、審議要旨の公開を行っております。さらに、原則として毎月一回、当委員会の活動状況をまとめた「分権委ニュース」を発行し、国会関係、中央省庁、地方公共団体等に配付させていただいており、委員会運営の透明性に努力していることを付言させていただきます。
それでは最後に、私から一言お願いを申し上げます。
申すまでもなく、今回の地方分権の推進は、平成五年六月の衆参両院の「地方分権の推進に関する決議」が採択されたことに始まり、一昨年暮れの地方分権大綱方針の閣議決定、昨年五月の地方分権推進法の制定や当委員会の発足により新たな段階に入ったと考えております。
当委員会としては、今回の地方分権の推進を我が国の地方制度にとって明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革として位置づけ、今後とも精力的に調査審議を進めてまいる所存でございます。
今回の地方分権の推進を実のあるものとするためには、当地方分権推進委員会の活動のみならず、何よりも国会における強力な御支援、御協力と国民各位の御理解、御支持が必要と考えているところでありますので、このことを切にお願い申し上げまして、私の説明を終わりたいと存じます。
どうもありがとうございました。(拍手)