中川秀直の発言 (予算委員会)

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○国務大臣(中川秀直君) 委員おっしゃるとおり、私は今、今日までの日本の社会を支えてきた高信頼社会というものがいろいろな面で、原子力に対する信頼あるいはまた行政、政治に対する信頼が揺らいでいると思いますが、今後の自由主義的な政治経済体制の活力のためにも、やはり健全なダイナミックな市民社会の存在にかかっていると、こう思うわけであります。そのためにもアカウンタビリティーというものが必要だと、こう考えております。
 特に原子力の問題については、原子力関係者に対する市民の信頼というのは本質的にはもろいものだということを忘れてはならないのではないかと私は考えております。常に、正直で情報を包み隠さないというのがまず大前提になければならない、こう思っております。
 特に、チェルノブイリのような事故が起きれば直接被害を受けるのは地元住民でございます。その意味で、安全は事業者のものでもなければ行政のものでもない、まさに住民のものである。そう考えましたときに、住民の立場からすれば、命にかかわる情報はすべて出すべきだと考えるのが当然ですし、またそれを隠すということになれば不信感が広がるというのは当然だと。その意味で、今回の「もんじゅ」の事故後の一連の対応というものは、総理から御答弁のあったとおり、決してしてはいけない対応であったと、こう考えておる次第でございます。
 いろいろそういう意味での社会的な信用あるいは社会的な安全、安心というものを損なってしまった。そこで、今後はこのような事故が起こった場合にはすぐとめる、あるいはすぐ知らせる、そして絶対にうそはつかないという原則でやっていかなきゃいかぬと、このように動燃等においても指導をしておるところでございますし、現実にそのために自己改革本部や情報公開課あるいは担当者の常駐等、動燃におかれても措置がとられたと。また、私どもも、さまざまなそういう情報をできる限り公開しようということで、「もんじゅ」に関しては今週、「ふげん」に関しては五月一日から保安規定等々も公開をすると、こういうことにいたしているところでございます。
 最後のお尋ねの第三者機関でございますが、現実に原子力安全委員会は法制上も第三者機関であるわけでございます。しかし、委員が御指摘のとおり科学技術庁の中に事務局があるではないかと。一般の規制行政をやっている課とは全く違う調査室というものが事務局をやっておるわけですが、委員の先生方からすると、我々が役人の言いなりになっていると言われるのは心外にたえないとおっしゃる委員もいらっしゃる。同じ場所にあるためにそう言われるならば場所を変えようかと言う先生方もいらっしゃるぐらいでございます。まさに国会で御承認いただいている委員の方々、しかもそれは原子力関係分野においてすぐれた人格識見を有する方々ばかりでございますが、その方々のまさにリーダーシップ、指揮監督のもとに事務をやっておるわけでございます。
 スリーマイル島のまさにシビアアクシデントが起きたときには、またこれは別の議論が米国でもあったように、私はケメニー委員会などというものが設けられたようなことは起こり得るんだろうと思いますけれども、「もんじゅ」の事故、そして現実に行われている安全委員会の行政、これは私はかなり勉強もし、委員の御指摘もいただいて考えてみましたが、ただいまは本当に厳正にやっていただいている、このように考えております。
 また、独立の大きな事務局を設け、そして常時五十カ所ある原発の運転まで監視するということになると膨大な体制ということが必要になってきましょうし、それが行革の観点でどうかという議論もある。ただ、安全委員会に対する信頼性というものは、私は声を大にして今厳正にやっていただいているということはひとつ御理解を賜りたい、こう考えております。

発言情報

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発言者: 中川秀直

speaker_id: 765

日付: 1996-04-24

院: 参議院

会議名: 予算委員会