予算委員会

1996-04-24 参議院 全317発言

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会議録情報#0
平成八年四月二十四日(水曜日)
   午前十時開会
    —————————————
   委員の異動
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     板垣  正君     松村 龍二君
     依田 智治君     中島 眞人君
     寺澤 芳男君     加藤 修一君
     益田 洋介君     水島  裕君
     山下 芳生君     阿部 幸代君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     吉村剛太郎君     金田 勝年君
     加藤 修一君     釘宮  磐君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         井上  裕君
    理 事
               大河原太一郎君
                斎藤 文夫君
                清水 達雄君
                塩崎 恭久君
                泉  信也君
                白浜 一良君
                都築  譲君
                山本 正和君
                有働 正治君
    委 員
                阿部 正俊君
                石井 道子君
                金田 勝年君
                久世 公堯君
                河本 三郎君
                鴻池 祥肇君
                坂野 重信君
                関根 則之君
                谷川 秀善君
                中島 眞人君
                野沢 太三君
                野村 五男君
                服部三男雄君
                真鍋 賢二君
                松村 龍二君
                荒木 清寛君
                岩瀬 良三君
                海野 義孝君
                大森 礼子君
                釘宮  磐君
                小山 峰男君
                鈴木 正孝君
                直嶋 正行君
                水島  裕君
                横尾 和伸君
                朝日 俊弘君
                一井 淳治君
                大渕 絹子君
                梶原 敬義君
                川橋 幸子君
                前川 忠夫君
                阿部 幸代君
                緒方 靖夫君
                小島 慶三君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       内閣総理大臣   橋本龍太郎君
       大 蔵 大 臣  久保  亘君
       法 務 大 臣  長尾 立子君
       外 務 大 臣  池田 行彦君
       文 部 大 臣  奥田 幹生君
       厚 生 大 臣  菅  直人君
       農林水産大臣   大原 一三君
       通商産業大臣   塚原 俊平君
       運 輸 大 臣  亀井 善之君
       郵 政 大 臣  日野 市朗君
       労 働 大 臣  永井 孝信君
       建 設 大 臣  中尾 栄一君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    倉田 寛之君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 梶山 静六君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  中西 績介君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       岡部 三郎君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  臼井日出男君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       田中 秀征君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       中川 秀直君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  岩垂寿喜男君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  鈴木 和美君
   政府委員
       内閣官房内閣内
       政審議室長
       兼内閣総理大臣
       官房内政審議室
       長        藤井  威君
       内閣法制局長官  大森 政輔君
       内閣法制局第一
       部長       秋山  收君
       人事院総裁    弥富啓之助君
       人事院事務総局
       管理局長     武政 和夫君
       人事院事務総局
       職員局長     佐藤  信君
       総務庁行政管理
       局長       陶山  晧君
       総務庁行政監察
       局長       大橋 豊彦君
       防衛庁防衛局長  秋山 昌廣君
       防衛施設庁長官  諸冨 増夫君
       防衛施設庁総務
       部長       大野 琢也君
       防衛施設庁施設
       部長       小澤  毅君
       経済企画庁調整
       局長       糠谷 真平君
       経済企画庁総合
       計画局長     土志田征一君
       経済企画庁調査
       局長       澤田五十六君
       科学技術庁原子
       力局長      岡崎 俊雄君
       科学技術庁原子
       力安全局長    宮林 正恭君
       国土庁計画・調
       整局長      塩谷 隆英君
       国土庁大都市圏
       整備局長     五十嵐健之君
       法務大臣官房司
       法法制調査部長  永井 紀昭君
       外務省アジア局
       長        加藤 良三君
       外務省北米局長  折田 正樹君
       外務省条約局長  林   暘君
       大蔵省主計局長  小村  武君
       大蔵省主税局長  薄井 信明君
       大蔵省理財局長  田波 耕治君
       大蔵省証券局長  長野 厖士君
       大蔵省銀行局長  西村 吉正君
       証券取引等監視
       委員会事務局長  岡田 康彦君
       国税庁次長    若林 勝三君
       文部大臣官房長  佐藤 禎一君
       文部省高等教育
       局長       雨宮  忠君
       文化庁次長    小野 元之君
       厚生大臣官房総
       務審議官     亀田 克彦君
       厚生省保健医療
       局長       松村 明仁君
       厚生省生活衛生
       局長       小林 秀資君
       厚生省薬務局長  荒賀 泰太君
       厚生省保険局長  岡光 序治君
       厚生省年金局長  近藤純五郎君
       社会保険庁運営
       部長
       兼内閣審議官   横田 吉男君
       農林水産大臣官
       房長       高木 勇樹君
       農林水産省経済
       局長       堤  英隆君
       農林水産省畜産
       局長       熊澤 英昭君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        大宮  正君
       通商産業大臣官
       房審議官     横川  浩君
       通商産業省貿易
       局長       広瀬 勝貞君
       資源エネルギー
       庁長官      江崎  格君
       中小企業庁長官  新  欣樹君
       運輸省鉄道局長  梅崎  壽君
       海上保安庁次長  加藤  甫君
       郵政大臣官房審
       議官       品川 萬里君
       郵政省電気通信
       局長      五十嵐三津雄君
       労働大臣官房長  渡邊  信君
       労働省労働基準
       局長       松原 亘子君
       労働省婦人局長  太田 芳枝君
       労働省職業安定
       局長       征矢 紀臣君
       建設大臣官房長  伴   襄君
       自治大臣官房長  二橋 正弘君
       自治大臣官房総
       務審議官     湊  和夫君
       自治省行政局長  松本 英昭君
       自治省行政局公
       務員部長     鈴木 正明君
       自治省行政局選
       挙部長      谷合 靖夫君
       自治省財政局長  遠藤 安彦君
       自治省税務局長  佐野 徹治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮本 武夫君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○平成八年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成八年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成八年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○資料の提出要求に関する件
    —————————————
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井上裕#1
○委員長(井上裕君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成八年度一般会計予算、平成八年度特別会計予算、平成八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 昨日に引き続き、総括質疑を行います。川橋幸子君。
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川橋幸子#2
○川橋幸子君 おはようございます。社会民主党の川橋幸子でございます。
 それでは、初めに外交、安全保障の問題からお伺いしたいと思います。
 けさの新聞あるいは昨日の新聞、大変内閣支持率が回復してきておられます。住専で失った分を外交で取り戻された総理というような、こういう明るいコメントも載っております。住専で失った分というのは、あるいは座り込みという敵失もあったのではないかと思いますけれども。
 まず、日米首脳会談を成功裏に終了させまして、引き続きまして原子力安全サミットに出席され、対ロ外交の新たな再スタートを切られたという大変画期的な時期でございます。この時期の総理の心境をお伺いしたいと思います。
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橋本龍太郎#3
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、昨年の日米自動車協議の非常に紛糾しました時期におきまして、日本側の主張に各国の支持を取りつけようとして必死で動きました時期に、EUあるいはアジア太平洋の各国から、日本側の主張を支持するけれども、この自動車協議の失敗によって日米関係にダメージを与えないようにしてくれ、日米関係が安定していることが我々にとって非常に大事なことなんだということを口をそろえるようにして各国から言われました。そして、我々が考えている以上に、日米関係が安定しているということが国際社会にとっていかに大切かということを改めて知らされたような思いでありました。
 それだけに、内閣がスタートをすることになりましてから、日米安保体制というものを基盤とした日米関係というものを我々のきちんとした基軸として位置づけ、これをできるだけ拡大強化することを考えながら、同時にアジア諸国などとの二国間関係、さらにアジア太平洋地域における協力、あるいは国連などを軸とするまさにグローバルな協力関係、これをいかに総合的、重層的に発展させていくかということを念頭に置きながら行動してまいりました。
 今回の日米首脳会談、原子力安全サミットへの出席とその機会に行いました日ロ首脳会談というものが、三月に行われましたアジアEU首脳会合などと連動いたしまして、いろいろな角度での協力関係というものを強化していく上でそれだけの効果を上げていればと今願っております。
 同時に、今後におきましても、新たな国際秩序の構築というものに向けて我々は積極的にまた創造的に外交活動というものを続けていかなければならない、それが日本の役割であろう、そのように考えております。
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川橋幸子#4
○川橋幸子君 メディアのこのところの報道は、やはり日米共同宣言、共同文書の問題について大変大きなスペースが割かれております。中では、やはり安保再定義といいましょうか、政府の側では再確認というふうにおっしゃるわけでございますけれども、再定義あるいは実質的な改変ではないかと、こういうポイントが一つ。二点目は、極東の範囲を拡大いたしまして安保の役割をなし崩しに広域化するのではないかという点が二点目。三点目といたしましては、ガイドラインの研究ということが有事立法の研究につながるということから集団的自衛権の憲法解釈を改変するのではないか、するのかしないのかといった論点。四点目、ACSAによります相互の協力の役務協定でございますけれども、日本が今まで堅持してまいりました武器輸出禁止の原則を変えるのではないかというような諸点に集中しているようでございます。
 総理、一昨日でございましたか本会議、昨日はこの委員会でさまざまもう十分に御答弁いただいたということかもわかりませんけれども、改めて私からもお伺いさせていただきたいと思います。
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橋本龍太郎#5
○国務大臣(橋本龍太郎君) 多少答弁が長くなりますことをお許しいただきたいと思います。
 まず申し上げたいことは、今申し上げましたような視点から見ましたとき、日米安保体制というものが我が国の防衛にとりまして必要不可欠であるという以上に、アジア太平洋地域の平和と繁栄、さらに安定というものに現実に重要な役割を果たしているということはお認めをいただきたいと思います。私は、この点は従来から基本的に変化は全くないものだと思っております。
 そのような認識の上で、日米安保共同宣言におきましては、日米関係の中核をなす日米安保体制というものについて、これまでの安全保障分野における両国の緊密な対話の成果というものを踏まえながら、改めて日米安保体制というものの重要な役割というものを確認すると同時に、二十一世紀に向けました日米関係というものについて内外に明らかにしたところであります。今後、むしろその内容は具体的に一つ一つ実施に移していかなければなりませんし、日米安保体制の一層円滑かつ効果的な運用というものに努めていかなければなりません。ただ、日米安全保障共同宣言はあくまでも現在の日米安保条約を前提としたものでありますから、これを何ら改正しているものではないということは繰り返して申し上げなければならないと思います。
 次に、その極東の範囲が変わるのではないかという御質問も実は何回かちょうだいをしてきました。しかし、日米安保条約上の極東というものにつきましては、これは日米両国が平和、安全の維持に共通の関心を有している区域であり、これが大体におきましてフィリピン以北並びに日本及びその周辺の地域ということは、安保国会の当時、統一見解として示されたものが何ら変更されているわけではありません。
 一方、確かに今度の日米安保共同宣言の中ではアジア太平洋地域という言葉を用いております。これは、日米安保条約の目的達成のために米軍が我が国に駐留しているという事実がアジア太平洋地域の諸国に安心感を与えている、結果としてこの地域の安定要因として作用しているという認識をそのまま述べたものでございまして、日米安保条約が安定要因として作用している地域は必ずしもその特定の地理的な範囲に限定されるものではないと私は思います。ですから、実は衆参本会議でも御議論のありましたところですが、今回の共同宣言で言うアジア太平洋地域が一体どの国を含んでいるのか、あるいは含んでいないのかという議論は、実は実質的に余り私は意味がない議論ではないだろうかと。むしろ、どの国がこれを安定要因として受けとめているかということで変化をする、私は実はそのような感じでこれを考えてまいりました。
 ですから、この共同宣言を契機として安保条約が広域化する、あるいは極東の範囲が拡大されるといった考え方を私どもは持っておりません。
 また、十七日、クリントン大統領との間で署名いたしたわけでありますけれども、この共同宣言の中で、日米防衛協力のための指針の見直しを開始する、及び日本周辺地域において発生し得る事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合における日米協力に関する研究を促進することを表明いたしました。
 こうした見直しあるいは研究の具体的な内容というものは、まさに今後の検討を待つものでありますけれども、いずれにしても我が国の対応というものが憲法に従って行われるということは当然でありますし、集団的自衛権の行使のように我が国の憲法上許されないとされている事項につき政府の見解を変更いたしておりません。
 しかし、政府としては、安全保障上のさまざまな事態に対しまして、これは米国との協力も含めて、我が国がこれにどう対応するかというその手段をきちんと整備しておく必要は本当にあると私は考えております。そして、そうした対応の法的側面に係る問題というものは真剣に検討しておかなければならないと思っておりますこともまた事実でございます。
 また、ACSAについての御指摘がございましたが、私は、日米安全保障条約というものが円滑かつ効果的な運用を図られる、また国際連合を中心とする国際平和のための努力に積極的に寄与するというこの協定の意義などにかんがみ、この協定のもとに行われる武器などの提供は武器輸出三原則などによらないという決断をいたしました。
 これは、その限りにおきまして確かに武器輸出三原則を変更いたしておる部分でございます。しかし、この場合におきましても、協定に基づいて提供された物品または役務の提供は国際連合憲章と両立するものでなくてはならないことなどが規定されておりますから、この結果、国際紛争などを助長することを回避するという武器輸出三原則などの基本理念を確保している点は変わりがない、私はそう考えております。.
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川橋幸子#6
○川橋幸子君 今の大変真摯な御説明がそのとおりであれば、大変国民も安心できるのではないかと考えます。
 これはけさの日経新聞でございますので、あるいは総理の目まではとまっていないかもわかりませんが、アンケート調査が載っております。防衛協力についてのアンケート調査でございます。
 幾つかございますけれども、私が国民の真意はここにあるのだなと思いますのは、憲法解釈を変えずに米軍の後方支援をするのがよいというのが四二・九%、それから憲法解釈の変更や米軍への協力の必要はないというのもかなりパーセンテージがありまして三六・八%、憲法解釈を変えるというこの問いに対してはわずか一一・六%。ですから、世論調査の結果では、日本国憲法を日本国民が愛し、これをずっと守っていきたいという、憲法を守るというのは当たり前のことでございますけれども、それをさらにずっと堅持していくのが九割近くの日本の国民の気持ちなんだ、日本の国民というのはこういう理念を持った国民なんだということが世論調査で出るのではないかと私は思います。
 しかし、先はどのような安保再定義ですとか極東の範囲、集団的自衛権等々のテーマを政界再編の軸にして、衆議院は解散、あるいは総理の人気が高いうちに解散とかさまざま、ちまたはうるそうございます。私は、有事研究についても総理は社民党に配慮して非常に穏やかな言い方をしているというような書かれ方をいたしますと、ちょっと違うのではないかと思います。
 先ほど御紹介いたしました世論調査に見るように、国民の世論がどこにあるのか、国民が何を望んでいるか、それを考えた場合には、政権の維持というような永田町あるいは霞が関の話ではない。日本全体をよく見据えたときのこれからの外交のあり方、安全保障のあり方ということを考えるべきことではないかと思います。
 少々生臭いお話なのかもわかりません、総理のお言葉は重いのかもわかりませんけれども、永田町の中の、政界の中の動きとそうしたマスコミあるいは国民の意識のずれというものは、私どもはそう簡単に見逃してよいことはないと思いますけれども、この点については、総理、いかがでございましょうか。
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橋本龍太郎#7
○国務大臣(橋本龍太郎君) 日米首脳会談を前にいたしまして、官邸のコンピューターネットワークを使い、インターネットで日米首脳会談に臨むに当たって何か私に助言していただくことがありますかという呼びかけをいたしました。最終的に数が幾らぐらいになりましたか、全部私も最後まで見届けませんでしたが、少なくとも前々日ぐらいまでに二百余りの意見をいただいておりました。
 そして、その流れというものは、まさに普天間基地の返還というものを非常に強く求める声、そしてむしろクリントン大統領に対して日米関係というものを安定させるようにしっかり話し合えといった御意見、さまざまな角度のものがありました。首脳会談が終わりました後、とっさに受けましたものの中には、今ちょうど議員がマスコミの世論調査の中を御紹介いただきましたのと同様の方向がうかがわれたように思います。まだ最終的なものは見ておりませんが、恐らくそれは国民の多くの流れでありましょう。
 ただ、そこで一点私が気になりましたのは、日米安全保障条約に基づくこの体制、信頼関係というものが、日本側の努力がなくて一方的にアメリカから与えられる恩恵ではないということを、私は日本国民に改めてぜひ受けとめていただきたいと思っております。友情というものは双方が努力をしなければ育ちません。そして、その限りにおきまして我々もまた努力をしなければなりません。その中でアメリカに全部責任は負ってもらう、しかし我々は負担も責任も負わないということが許されるものでないということを私はどこかで国民に対して訴えなければならないのかな、共同文書を発出し、共同記者会見を行いますときにはそのような思いも私の中にございました。
 そして、もし安保条約というものが根底から崩れるような事態が起きたとき、例えば最恵国待遇は我が国に与えられるんだろうか、あるいは日米間において行われておりますさまざまな分野における交流は今のままに維持できるんだろうか等々考えてまいりましたとき、私は、我々も努力するという言葉がなければ信頼関係は維持できないと思っております。
 そして、マスコミの皆さんはマスコミの皆さんとしての立場からさまざまな意見を報じておられますが、今景気の状況を考え、切れ目のない経済運営というものに思いをいたす、あるいは今回のSACOの合意を受けて中間報告が現実のものとしてまとまりますまでに我々がなお払っていかなければならない努力、あるいはリヨン・サミット、そして金融三法案、あるいは住専処理に関する関連の法案、こうしたものを今国会中にぜひ成立を願いたいと思っております私にとって、いかなる思惑のもとにおいてでありましても、今衆議院を解散するほどの勇気はございません。
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川橋幸子#8
○川橋幸子君 きょうのコラム欄に社会民主党は腰抜けと書かれた記事がございました。その記事に別に私がどうこうということはございません。ただ、私個人としましては、平和、民主主義、そして基本的人権、これこそが日米の共通の価値観だと思っております。国民世論を考えると、もし挑戦があるなら私どもも努力して受けて立ちたいと思っております。
 さて、沖縄問題に入らせていただきたいと思います。三点伺わせていただきたいと思います。
 私は、沖縄問題といいますのは純粋に国内問題である部分が非常に多いのではないかと思っております。今まで本土側の人間といたしましては、過度に沖縄に負担をかけてきたことに対する反省とか、それから今までは過度の負担を冷戦構造の時代には我慢してくださいということでやってきたわけでございますけれども、これからはやはり解決していく、負担をみんなでシェアし合うという努力が必要ではないかと思っております。そのためには、何といいましても政府がよく説明すること、納得を得られるように、理解が得られるように説明すること、場合によっては関係自治体に頭を下げてお願いしたって、それは必要なことじゃないかというふうに思っております。
 二点目といたしましては、普天間の移転に伴います費用負担というものは非常に金額が大きくなることが予想される。金額そのものではなくて、せんだって本会議で総理は一段と声を大きくなさいまして「しかし、」とおっしゃいまして、この問題はお金の問題ではないというふうな御趣旨の答弁があったことは大変印象的でございました。そのお気持ちをもう少しお伺いさせていただきたいと思います。
 三点目といたしましては、ただ日本国民の非常に率直な気持ちといたしましては、米側だけに甘く寄りかかるわけじゃない、日本国民も努力をするということはわかっているとは思いますけれども、思いやり予算という名前のもとにドイツあるいはイギリスの十倍、何十倍というようなコスト負担について、何となく米軍の、日本ないしは極東の範囲、アジア太平洋だけの安定どころかもっと広い地域、グローバルなプレゼンスに対する負担を強いられているのではないか、こういうわだかまりがあるように思います。
 これらにつきまして、総理からまた率直にお伺いできればありがたいと思います。
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橋本龍太郎#9
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私自身が初めて昭和四十年にパスポートを持って沖縄を訪問いたしましてから随分沖縄には伺わせていただいた経験を持っております。そして、復帰の前後から幾つかの問題で沖縄の皆さんのお手伝いをしてきた経験もございます。それだけに、沖縄の抱える問題というものをある程度頭の中では理解しておるつもりでありました。
 しかし、総理に就任をいたしましてから、最初に大田沖縄県知事にお目にかかりじっくりお話を伺いました後、私がそれに答える冒頭に使いました言葉は、無意識のうちにでありますけれども、本当に申しわけありませんでしたという言葉でありました。なぜなら、我々の知らないことが余りに多過ぎた。
 しかも、その沖縄県における基地の問題というのは、何も米軍から発生したわけではなく、第二次大戦中に当時の日本の軍によって強制的に収用されたという意味では同様の基地収用が行われ、沖縄戦が始まっていった。そして、多くの県民を巻き添えにし、多数の死者を出す事態になった。そのまま占領に入り、占領軍としての行動の中で新たな基地が生まれていった。
 施政権返還までの歴史を大田知事から改めて伺ったとき、本当に申しわけありませんという言葉しか実は出なかったんです。それだけに私は、一方で日米安全保障条約の目的達成というものは非常に国として大事な施策であると思っております。これとの調和を図りながら、どこまで沖縄の皆さんに今まで過度に集中していた負担を軽減できるかは今回の日米首脳会談というものを迎える上での私にとりましての一番大きな課題でありました。
 そして、必ずしも沖縄の皆さんがこれを十分だと受けとめていただいてはおらないという報道も多く見かけておりますけれども、現時点において、自分としてできる限りの努力はした、それだけにこれを具体的なものにするための努力をこれから払っていかなければならない、私は自分にそう言い聞かせております。
 そして、既にこれも公表いたしておりますが、法的な面、経費の面、総合的にこれから我々は早急に検討をいたさなければなりません。事務の副長官であります古川官房副長官のもとに関係省庁のタスクフォースをつくるという決断を私はいたしました。
 しかし、これは国だけでうまくいくものではございません。大田知事にお願いをいたしまして、県の責任のある方、副知事さんあるいは調整監、このタスクフォースに対等の立場で入っていただき、今後の解決のためにぜひ国と一緒に力を合わせていただきたいというお願いをし、その点については気持ちよくこれを受け入れていただいたことを今幸せに思っております。
 近いうちに正式にこれをスタートさせ、これから我々は努力を開始いたしますが、ぜひとも国会におかれましても、このタスクフォースが有効に機能いたしますようにお力添えを心からお願いする次第であります。
 また、その費用負担という点につきましては、現時点でこれを算定できる状況ではございません。しかし、いずれにいたしましても、早急な検討を行う中で十分かつ適切な措置と、今言葉を選ばせていただきますが、十分かつ適切な措置を講ずることが必要だ、そのように考えております。
 ただ、議員がお触れになりましたドイツ等と比較をしてという点は、私は多少議員と意見を異にいたします。なぜなら、例えば湾岸戦争、湾岸危機の起こりましたとき、ドイツはNATOのエリアでは軍隊を使用することが許されているということで、湾岸戦争そのものに参加はいたしませんでしたが、周辺のトルコまで戦闘部隊を動かしておりました。そして、湾岸戦争が拡大いたしまして、NATOの一国であるトルコに対してもしイラクが攻撃を加えた場合には戦闘に入る準備を完全に整えて行動しておったわけであります。
 現在、それ以上にルールは変わっていると思いますけれども、少なくともNATOの中において、NATOの危機に際しては共同で行動するという姿勢をドイツは持っておりました。こういう違いもございます。
 あるいは、数字的なことで申しますならば、国有地の使用料を費用に積算するかしないかといった会計原則のような部分での違いもございます。私は単純に比較はできないものだと思っておりますが、在日米軍駐留経費というものは、米軍が我が国に駐留している、これを支える大きな柱でありますし、日米安保体制というものの円滑かつ効果的な運用を確保していくという視点で自主的にできる限りの努力を払ってきたもの、そのように考えております。
 昨年度末失効いたしました特別協定にかわりまして四月一日から新たな特別協定が発効したところでありますけれども、この協定に基づくものを含めて、我が国による駐留軍経費の負担というものはむしろ在日米軍の効果的な活動、それは日米安保体制の円滑かつ効果的運用という視点からのものでありますけれども、これを支える上で重要な意義を持つもの、私はそう思っております。
 そして、その必要性についてはぜひ国民の皆様にも御理解をいただきたいと思いますし、そのための努力を誠意を持って我々は払っていかなければならない、そのような性格のものだと考えております。
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川橋幸子#10
○川橋幸子君 沖縄への負担というのは戦前からの負担であったという総理のお言葉、私も大変同感でございます。
 質問するときには基地の負担だけでございましたけれども、そういう点も含めまして、本土としましては沖縄に対する気持ちというものを各政党が、あるいは一民間人同士でもこれは言っていかなければいけないことではないかと思います。
 負担をかけて申しわけありませんと素直にそういうお言葉が出たというふうにおっしゃいましたけれども、やはり一人一人が申しわけありません、今回は受諾いただいてありがとうございました、これからも移転について、あるいは基地の整理、統合、縮小についてよろしくお願いしますと、こんな気持ちが日本国民の中で持てるようになることが大切ではないかと私も思っております。
 十分適切な費用をお約束いただいたということで、ありがとうございます。
 さて、コスト負担でございますが、私はそういう論理的な説明は国民の中に支持といいますか、理解できる層は随分あるのではないかと思いますが、一点、思いやり予算という言葉の使い方でございます。こういう情的なものではないのではないでしょうか。これはもっと論理的に説明して、日本国民も負担しなければいけない、日本も努力しなければいけない。当面は集団的自衛権は行使はしないけれども、今度はコスト面で負担しなければいけないということをはっきり明確に伝えるべきだと思いますが、その点はいかがでしょうか。
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橋本龍太郎#11
○国務大臣(橋本龍太郎君) よい御指摘をいただいてありがとうございます。
 今私も思いやり予算という言葉は答弁では使わなかったつもりでありますが、やはり駐留軍経費という言い方をいたしましても、これはどなたの造語かわかりませんけれども、マスコミの皆さんからはこの言葉が非常によく多用されますし、恐らく最初はどなたか説明のために我々の先輩がお使いになったのかもしれませんが、私は、確かに今になりますとこれは非常に不適切なイメージを与える、御指摘のとおりだと思います。できるだけ正確に御説明する努力をしたいと思います。
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川橋幸子#12
○川橋幸子君 自民党が政権党に長くおいでになった当時と今とは違うわけでございます。ぜひその方向で今度は説明していただけますようにお願いしたいと思います。
 さて、今私も国民への説明ということを何回か申し上げましたし、総理もそのような表現をお使いくださったのではないかと思いますが、政治ないしは行政への国民の信頼とか、あるいは経済界に対する、金融業に対する国民の信頼とかと言うときには、必ずその前段にちゃんと説明してくれないのかということがございます。あるいは関係者間で、当事者だけで密室で談合をすると。これをよく言えば政治的決着だとおっしゃった方もいらっしゃいますけれども、もっと情報を開示してほしい、公開してほしい、こういう問題が大きいのではないかと思います。
 先日、クリントン大統領が国会を訪問されまして、そして演説をしてくださいました。この日の夕刊でございますけれども、これは朝日であったかと思いますが、「根回しより演説」というタイトルの表現がございました。言葉というものは国民に対して説明する、コミュニケーションの非常に重要な手段でございまして、総理も言葉を大変大事に使っていらっしゃるように私は印象づけられております。
 ちょっと新聞名はわかりませんが、これはエールの交換だと思いますけれども、クリントン大統領が、橋本総理は思うことそのまま話すということで信頼ができそうだと、こういうメッセージも送られているようでございます。そういう言葉の持つ力と、この政治が信頼を回復する上での政治家としての言葉の持つ力というものについて、総理、御所見がありましたら伺いたいと思います。
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橋本龍太郎#13
○国務大臣(橋本龍太郎君) 「根回しより演説」という言葉の意味をどう報道が使ったのかわかりませんけれども、私は国民に訴えていく努力というのは必要だと思います。
 同時に、これはマスコミの諸君を経由して国民に伝わっていくわけでありますけれども、マスコミの皆さんにも私は、根回してはありません、交渉の途中などは報道をしない選択というのもあるということをわかっていただけないものかなと、実は自動車協議で火花を散らしておりますときにそういう思いを何遍かいたしました。私は、結果責任という言葉をよく使いますけれども、議員の御指摘のように、語りかけていく努力は必要だと思います。しかし同時に、交渉の途中を報道されることがどれほど相手に対して武器を与えるか、こちらの足場を弱くするか、その辺は考えていただけないものかという思いを何遍かいたしました。
 その意味では、もしそのプロセスまで全部公開しろということでありますなら、私はその辺は多少判断を異にする部分があります。しかし、できるだけ説明の必要があることは申し上げるまでもありません。
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川橋幸子#14
○川橋幸子君 クリントン大統領の総理は思うことそのまま話すなんという、こういう記事を突然申し上げましたので総理も少し警戒なさったのではないかと思いますが、私はそのことを申し上げているのではございません。大統領のあの衆議院本会議場の中での話し方ですね、特に沖縄の部分については私どもも拍手いたしましたし、沖縄の人たちもあの場面についてはとても信頼が寄せられるという思いを持った方が多いのではないかと思います。
 ここに、これまたメディアの中からの御紹介でございますけれども、せんだって亡くなられました司馬遼太郎さん、小説家であると同時に非常に歴史についての洞察が深く、国のあり方、来し方行く末についてとても洞察力のある方でいらっしゃいました。この方の手紙が収録されている「知のモラル」、インテリジェンスのモラルということで紹介されているものがございました。明断であるということは手のうちのカードをすべて見せてしまう勇気と無縁ではない。これはちょっと外交とは違うと思います。人と人とのコミュニケーション、政治家と国民とのコミュニケーション、行政と国民とのコミュニケーション、そういう意味のコミュニケーションでございます。
 住専、薬害エイズ、TBSビデオ問題当事者たちはモラルを問われてきたけれども、人と人とのコミュニケーションにおいて言葉、インテリジェンスというものが非常に大きな力を持ち、かつその力を使うためにはモラルが必要だということではないかと思いますので、ちょっと御紹介させていただきました。
 さて、総理の方がもう先に責任のお話に踏み込んでくださいましたけれども、アカウンタビリティーという言葉が最近大変よく使われます。責任には二つの種類のものがあると。一つは結果に対して責任を負うこと、もう一つは説明することの責任であるということでございます。
 エリート、指導者と言われる者は、自分の判断や行動を社会に対して説明する責任といいましょうか、責任イコール義務でございますが、そういうものがあると。日本の指導者にはこのアカウンタビリティーが決定的に欠けたのではないか、これが問題なのではないかという、これはよく御存じのカレル・ウォルフレンさんの言葉でございますし、アカウンタビリティーという言葉はこの方以外にもたくさんの政治家が最近使うようになっております。住専、エイズ、「もんじゅ」等に共通しておりましたのはこのアカウンタビリティーの欠如であったのではないかと思いますが、総理、いかがお考えでしょうか。
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橋本龍太郎#15
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに、説明する責任というものは非常に大事なものであろうと思いますし、私自身も今のお話は委員からの御忠告として受けとめていきたいと思います。
 その上で私は、確かに住専の問題について、当事者間の話し合いで何とか決着をさせたいという努力への時間が余りに長く、結果として、結論に至るまでのプロセスを含めて国民に対する情報の開示が非常におくれたということは大変申しわけないと思います。そして、透明性の確保あるいはさまざまな責任の明確化というものが問われながら、政府として一生懸命に御説明を申し上げ、また国会からの御要求に対しまして膨大な資料の提出をさせていただいてきました。これは我々にとって非常に大きな教訓だと思います。そして、今後こうした対応については十分我々は努力をしていかなければなりません。
 また、エイズの問題につきまして、当時の事実関係あるいはなぜ感染の拡大を防止し得なかったか、今厚生省が一生懸命に調査をいたしております。この事実関係に対してだけではなく、今後一層その真相を明らかにしていくだけではなく、対応策等を含めて説明の努力というものはとっていかなければなりません。
 また、「もんじゅ」の問題については基本的な部分で欠落していた部分が私はあったように思います。それは事態そのものをどう当事者が把握するかと。説明以前の問題があったように思いますが、その後において情報の意図的な秘匿といった事態は、まさに議員の御指摘のとおり、説明する責任というものが全くないがしろにされた、そういう申し方もできるかもしれません。
 いずれにしても、大事な御注意と受けとめさせていただきます。
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川橋幸子#16
○川橋幸子君 それでは、住専、エイズ、「もんじゅ」について、それぞれ担当の大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
 国民が住専予算に対して大変怒っておるというんでしょうか、今回予算についてまだ十分な納得が得られていないというのが私の率直な感じ、感想でございます。しかし、国民の怒りというのはどこにあったかといいますと、借り手の方、住専経営者の方、それから母体行、系統金融の方、それぞれ来ていただいても、だれも自分が悪かったとおっしゃらない。悪徳の借り手の方は、本当に世間をお騒がせして申しわけないと思っておりますというようなお話が出るわけです。お騒がせするという話なのでしょうか。私はそうではないと思います。
 ミスター住専こと庭山さんにおかれましては、非常に明快に大蔵省の責任を追及していらっしゃいます。今回のそれは我が国自身の政策の失敗による人災である、この責任は当時の政権政党だった分裂前の自由民主党、内閣、大蔵省、日銀を含む政府にある、それについて現政府がまず国民に対して深謝するのが筋だ、こんなことを大変声高らかに明確におっしゃっておられました。先日、参議院にお見えになりました今の担当の方は、この方に対しては大変迷惑をしておると。多分迷惑していらっしゃると思います。そんなお話もあったわけでございます。そういう当事者の責任、だれが悪いと言っていることは多分正しいのだろうと思いますが、自分が悪かった、間違っていたと言わないという問題、当事者の責任。
 それからもう一つは、やはり行政の側の責任でございます。結果責任は局長さん方はお認めくださるわけでございますけれども、ただし当時の選択としては仕方がなかったんだ、こういう言い方でございます。多分仕方がない部分もあると思います。だからこそここで予算を投じて、ここでガンになっております部分を退治して金融システムの安定、これもわかりにくい言葉ですが、もし言いかえるとすれば金融への信頼回復ということだろうと思います。安心できる、安心感が得られるならコスト負担もやむを得ない、そういう国民の意識はあると思います。
 つまり、怒っているのはモラルハザードに対して怒っているわけでございまして、そこをちゃんと受けとめない限り理解は得られないというような感じがいたしますが、大蔵大臣、いかがでございましょうか。
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久保亘#17
○国務大臣(久保亘君) 今、川橋さんからお話がございましたように、この住専問題に限らず、今の政治の問題で国民の皆様方の心との乖離といいますか、そういうものが大きくなってまいりますと社会の秩序を維持するためのルールが破壊される、それがモラルハザードだと思っております。そういう事態になることを私どもは一番恐れるわけでありまして、そのような事態を招かないためにも問題を的確に早期に処理をしていくことが非常に重要だと考えております。
 もちろん、国民の皆様方の意見をどのように的確に把握して尊重していくかということが議会制民主主義のもとでの基本でございますが、一方また政治に責任を持つ者のリーダーシップというものも今日ほど問われている時代はないと思っております。そのリーダーシップは、しっかりとした国家国民の将来に対する責任感というものに裏打ちされたものでなければならないと考えております。そういう立場から住専の問題を政府としては考えてまいりました。
 また、行政そのものが住専問題に対してどのように責任を明確にし、その責任をとるという形で何をなすべきかということも今日問われている問題であると考えております。そのことをきちんとやり遂げるために今お願いを申し上げておりますのは、金融の新しい時代におけるあり方、これをどのように確立していくかということを住専問題の処理とともにつくり上げていかなければならないということだと思っております。
 責任をどうとるかということは、この問題の反省の上に立って何をなすべきかということと、それから個々に負うべき責任、そのことに対してどのようにすべきかということで、すべての情報が明らかにされるということが大事であると思っております。中には歴史的な審判に問う問題も出てくると思っております。
 大蔵省といたしましては、バブルの発生から破綻に至るまでの間、大蔵行政の立場からこの問題への対応はどうであったのか、そのことに対してどのような責任が過程としてまた結果として存在するのかというようなことについてもきちんと取りまとめることが重要であると考えて、そのような立場で、今大蔵省の担当者に対しても検討を私の方からお願いをしているところでございます。
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川橋幸子#18
○川橋幸子君 リーダーシップが今の政治、行政に大変求められている、国民が求めている部分でございます。
 久保大臣は、バブルの発生にもバブルの延命にも後始末の失敗にもかかわりはなかった、そうした第三者的に中立的に物が見られる大臣でいらっしゃいます。それだけに私どもは期待しているわけでございます。これからリーダーシップを発揮していただいて、大蔵省の自己改革、それから繰り返し母体行の責任というものが比較して考えれば重いという声があるわけでございますけれども、それに対しても事務方に指示をなさっていただきまして、今度はこれしかないというメニューじゃなくて何案か出してくださるような、そういう方向の検討をお願いできればありがたいと思います。
 さて次に、エイズに入りたいと思います。
 菅大臣が厚い厚い行政の壁を乗り越えるためにチャレンジなさいまして、国民の信頼回復にこのエイズの問題については大変貢献してくださっているわけです。ここでも責任論が大きく取り上げられております。
 例えば、エイズ研究班の安部さんでございますけれども、同僚の議員が、御自身の責任をどういうふうに感じておりますかと厚生委員会で聞きましたら、責任とは一体どういう責任でございますかと切り返されたということがございました。それから、自分は研究者であって学術的に判断するだけである、決定権限は行政にあったはずだというような意見も述べておられます。
 それから、郡司さんという方でございますけれども、この方は、研究班という諮問機関でもない会議に行政の責任をゆだねてしまったこと、それに問題があるというようなおっしゃり方をしておられます。
 それから、けさの新聞でございましたが、自民党さんに申しわけないというか、そういう連立関係の話ではなく、これはやはり事実としてお伺いしたいわけでございますが、元業務局長をしておられました持永衆議院議員、この方が、全くエイズについての報告も受けていないし書類も見てもいなかった、私自身は科学的、医学的な知識は持ち合わせていないのでどういう議論があるかはわからなかった、当時行政の一端を担ったけれども、そういう被害について責任は痛感しているけれども、でも自分は医学的な知識がなかったので、やはり決定は専門家にやってもらうというようなコメントが載っております。
 これはマスコミが収録されたものでございます。どのようなお言葉だったのか正確なところはわかりませんけれども、厚生行政としての責任を大臣としてはこれからどんなように解明していけるのか、いこうとなさるのか、お伺いしたいと思います。
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菅直人#19
○国務大臣(菅直人君) 先ほど来、川橋委員の方から、政治家のアカウンタビリティー、あるいは当時の薬害エイズに関する研究班の問題など、いろいろ御指摘をいただいております。
 私も考えるところが多いんですが、やはり行政というのが、基本的には国民のための行政、あるいは国民が政治家を通して行政をコントロールするという民主主義の基本的なルールというところが必ずしも十分にお互いに理解されていないために、ある意味では行政の情報というのは行政自身が独占してもそれは構わないんだというふうな形で進んできているのではないだろうか。そういった意味では、もちろん交渉事とかいろんな場面で情報として開示できないものもその都度あるかもしれませんけれども、しかし基本的には国民に民主主義という手続の中で判断をいただくわけですから、判断し得る情報はきちんと行政としても開示すべきだと私は基本的に考えております。
 また、その中で、このエイズ研究班に関して、当時の班長の安部先生が、自分は研究者であって行政の立場ではないので、つまりそういった加熱製剤の緊急な輸入等については責任がないんだということをおっしゃっていることは私も承知をいたしております。
 私は、確かに純法律的あるいは純形式論でいえばある意味ではそのとおりとも言えるわけですけれども、しかし当時の安部研究班は、いわゆる血友病患者に対する非加熱製剤による治療がこのままでいいのかどうか、そのことを問うために専門家の皆さんにお集まりをいただいて、そしてその結論を重視して行政として決定を下すという大変重要な行政の参考意見としてお願いをいたしたわけですから、私は形式論議だけで自分に責任がないと言われることについてはやはり若干納得ができないものを感じるところであります。
 また、当時の業務局長の発言は私も新聞でしか知りませんけれども、一般的に言えば、例えば私も薬の専門家ではありませんし、あるいはそれぞれの立場の者も狭い意味での専門家とは必ずしも言えません。しかし、行政のそれぞれの立場にある者は、そういった専門家の外の意見あるいは内部の意見を十分聞きながら、そういう人たちの判断を参考にしながら決定するわけですから、それぞれのポジションにある場合には当然ながらそのポジションに応じた責任というものが行政としては発生している、これは間違いのないことであろうと、このように考えております。
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川橋幸子#20
○川橋幸子君 次の「もんじゅ」の事故も、エイズに大変共通する部分がございます。科学技術庁の中川大臣にお伺いしたいわけでございます。
 先ほど総理からは、情報開示以前、説明以前の問題という言葉がございました。そこで、私も本当に抽象的なことを言わせていただきますが、社会人としての何かそういう常識というものが問われる問題かなとも思います。
 通告した順に私の方の用意した質問をさせていただきますと、まず情報隠し。ビデオ改ざんというのは、画面を変えたわけじゃないでしょうけれども、編集の仕方によって相手に伝わる内容がまるで違うわけでございます。こういうことがございました。
 それから二点目、こうした事故への対処につきまして、関係者の方は大変真剣に、説明が足りなかった等々反省なさったり、ではどこに問題があったのかということを自己分析していらっしゃるわけでございますけれども、「もんじゅ」の動燃理事長は、今回の安全の問題には技術的な安全に対する社会の信用、この問題と、社会的信用というのでしょうか、そういう事業そのものの安全性、あるいは原子力、ナトリウムといったものに対する社会的な安全、社会的な信用、こういう二つの問題があって、このうちどちらかといえば社会的な信用という要素を技術者の方は余り重視してこなかったのではないか、こう反省を述べられて、今自己改革本部をつくって対策づくりを構築していらっしゃるわけです。これが二点。
 三点目は、この社会的信用というものの中身でございますけれども、刑法の世界では疑わしきは罰せずということでございますが、こういう人命に関すること、安全に関すること、エイズ、「もんじゅ」両方に共通して言えることは、社会的な常識としましては疑わしきはもうやめると。非加熱製剤をもうやめる、あるいは「もんじゅ」の運転、これは試運転段階ですけれども、とにかくバルブを締めてやめるということが大事な要素ではないかと思います。そして、今にして思えばどうしてこんなプリミティブなことが、大変常識的なことできなかったかということでございます。
 その点は、だれが悪い、かれが悪いといいますよりも、むしろ行政というものの中に、失敗しても安全であるというような、それをチェックする第三者機関というものが組み込まれていた方がいいのではないかと思いますが、「もんじゅ」につきましては既に原子力安全委員会という第三者機関が存在しているわけでございます。ただ、この存在が科学技術庁の原子力行政、当局の中に置かれていたこと、それから委員の人選というものも、技術的な安全性に偏ったせいでしょうか、専門家、技術家に偏っていたということが今から反省点として挙げられると思います。
 以上、三点につきまして中川長官にお伺いしたいと思います。
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中川秀直#21
○国務大臣(中川秀直君) 委員おっしゃるとおり、私は今、今日までの日本の社会を支えてきた高信頼社会というものがいろいろな面で、原子力に対する信頼あるいはまた行政、政治に対する信頼が揺らいでいると思いますが、今後の自由主義的な政治経済体制の活力のためにも、やはり健全なダイナミックな市民社会の存在にかかっていると、こう思うわけであります。そのためにもアカウンタビリティーというものが必要だと、こう考えております。
 特に原子力の問題については、原子力関係者に対する市民の信頼というのは本質的にはもろいものだということを忘れてはならないのではないかと私は考えております。常に、正直で情報を包み隠さないというのがまず大前提になければならない、こう思っております。
 特に、チェルノブイリのような事故が起きれば直接被害を受けるのは地元住民でございます。その意味で、安全は事業者のものでもなければ行政のものでもない、まさに住民のものである。そう考えましたときに、住民の立場からすれば、命にかかわる情報はすべて出すべきだと考えるのが当然ですし、またそれを隠すということになれば不信感が広がるというのは当然だと。その意味で、今回の「もんじゅ」の事故後の一連の対応というものは、総理から御答弁のあったとおり、決してしてはいけない対応であったと、こう考えておる次第でございます。
 いろいろそういう意味での社会的な信用あるいは社会的な安全、安心というものを損なってしまった。そこで、今後はこのような事故が起こった場合にはすぐとめる、あるいはすぐ知らせる、そして絶対にうそはつかないという原則でやっていかなきゃいかぬと、このように動燃等においても指導をしておるところでございますし、現実にそのために自己改革本部や情報公開課あるいは担当者の常駐等、動燃におかれても措置がとられたと。また、私どもも、さまざまなそういう情報をできる限り公開しようということで、「もんじゅ」に関しては今週、「ふげん」に関しては五月一日から保安規定等々も公開をすると、こういうことにいたしているところでございます。
 最後のお尋ねの第三者機関でございますが、現実に原子力安全委員会は法制上も第三者機関であるわけでございます。しかし、委員が御指摘のとおり科学技術庁の中に事務局があるではないかと。一般の規制行政をやっている課とは全く違う調査室というものが事務局をやっておるわけですが、委員の先生方からすると、我々が役人の言いなりになっていると言われるのは心外にたえないとおっしゃる委員もいらっしゃる。同じ場所にあるためにそう言われるならば場所を変えようかと言う先生方もいらっしゃるぐらいでございます。まさに国会で御承認いただいている委員の方々、しかもそれは原子力関係分野においてすぐれた人格識見を有する方々ばかりでございますが、その方々のまさにリーダーシップ、指揮監督のもとに事務をやっておるわけでございます。
 スリーマイル島のまさにシビアアクシデントが起きたときには、またこれは別の議論が米国でもあったように、私はケメニー委員会などというものが設けられたようなことは起こり得るんだろうと思いますけれども、「もんじゅ」の事故、そして現実に行われている安全委員会の行政、これは私はかなり勉強もし、委員の御指摘もいただいて考えてみましたが、ただいまは本当に厳正にやっていただいている、このように考えております。
 また、独立の大きな事務局を設け、そして常時五十カ所ある原発の運転まで監視するということになると膨大な体制ということが必要になってきましょうし、それが行革の観点でどうかという議論もある。ただ、安全委員会に対する信頼性というものは、私は声を大にして今厳正にやっていただいているということはひとつ御理解を賜りたい、こう考えております。
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川橋幸子#22
○川橋幸子君 大変立派な方々がついていらっしゃると思います。でも、大臣、安全委員会が持つ機能を発揮する一番わかりやすい形は、総理に対してこの行政の安全性確保について勧告できる権限を持つことですね。この勧告権というのは行使されたことがあるのでしょうか。
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宮林正恭#23
○政府委員(宮林正恭君) お答えさせていただきます。
 これまで原子力安全委員会が勧告権を行使されたということはございません。原子力安全委員会がいろいろと御提言になる、そういう御意見につきましては内閣総理大臣あるいは各省庁が尊重する義務を持っているということで、いろいろ原子力安全委員会がおっしゃった事項、そういうものについては実際上ちゃんと各省庁において全うされている、こういう事実があるからでございます。
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川橋幸子#24
○川橋幸子君 こういう言葉をお贈りしたいと思います。価値とは他人が決めるものという言葉でございます。
 行政、私もかって役人でございました。微力ですが大変誠実に取り組んだつもりでございますし、国民への義務というものをわかったつもりでございますけれども、ある日、事業主の方からそれは独善ですよと言われたことがございます。国民の目から見たときには、この役所は本当に大丈夫なんだろうか、既にさまざまな事故が起こっておりますときにはチェックしてくれるもう一つの機関が必要ではないかという、こういう問題が今大きくなっているわけでございます。
 さて、残り時間が少してございますが、行政の信頼回復についてという点でお伺いさせていただきたいと思います。
 内閣は各省大臣を指揮命令される。その中には、政策立案だけではなくて、その実行についての監視というんでしょうかモニターできる権限が内閣にはあるはずでございます。また、三条機関という、そういう機関の重要性というものが今またもう一度再認識されたらよいのではないかというお話がございます。
 それからもう一つは、人事交流をどこかで遮断しないと、当事者は一生懸命まじめにやっているつもりでも外から見たときにやはり癒着という感じの疑いが持たれやすいこと、それから本人自身が自分をどこまでチェックできるかというと、人間の人間たるゆえんでございます、他者の目でチェックしてもらった方がよりよくなることがあるわけでございます。そういう意味で、人事交流をあるところで遮断した方がいいのではないかという話がございます。今大蔵改革といいましょうか、大蔵省の信頼回復のためには大蔵改革が必要だということが議論されているわけでございますが、イギリス王立国際問題研究所のスティール博士という方の言でございますが、大蔵省に自己改革を期待するのは無理だと。これは日本の大蔵省のことを言っていらっしゃるのかどうか不明でございますが、客観的なコメントでございます。幾つか監視機関を設けることを提言された中で、人事の遮断も大事だということもつけ加えて言っていらっしゃるわけでございます。
 さて、金融行政を護送船団方式から改めて、ルールづくりに行政を純化させ、それに対する監視機能を強めるということが求められている。これが金融システムの安定に対する国民の疑いの目に対する答えになると思うわけでございます。これを内閣に置いた方がよいというふうに大蔵大臣思われませんでしょうか。
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久保亘#25
○国務大臣(久保亘君) 今御質問の趣旨は、恐らく監督指導に当たる、あるいは検査の任務を持つ行政と相対する業界との関係を大事において遮断すべきだという意味でお話しくださったのではないかと思いますが、私どもは、業界と行政との関係には一定の距離と絶えず存在する緊張感がなければならない、こう思っております。そのためには、やはり今日まで批判を受けてきた問題を具体的に改革しなければいけない、こう思っておるところでございます。
 そういう場合に、行政の機構をどうするかという問題と、具体的に人事交流等の面における問題点をどのようにやっていくかという問題は、一つは効率の問題、それから権利の問題、こういう問題等をよく整理して、できるだけ速やかに私どもは改革の方針を明らかにしなければならないと考えております。
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川橋幸子#26
○川橋幸子君 大蔵大臣それから先ほどの中川大臣、両方とも言葉の隅々からはおっしゃりたい気持ちは伝わってまいりますけれども、いまいち各省にいらっしゃるということでおっしゃりにくいことがあるのではないかと思います。総理、いかがでございましょうか、内閣機能の中に監視機能を強化する、あるいは遮断した方がよい人事交流がある、この二点についてお伺いいたします。
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橋本龍太郎#27
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、実は証券不祥事が起きましたとき、証券等の監視の機能をどうつくるかで大変苦しみました、大蔵大臣として。当時、世間からはこの機能を大蔵省の外につくれという御意見が圧倒的でありました。ただ、そこで一つの壁になりましたのは、外につくれという御意見の方々は日本の雇用制度というものの実態を全くお考えいただけておらなかったという点であります。
 例えば、アメリカの証券等監視委員会、SECの場合、これは非常に民間の人々がどんどん採用されます。そして、そこで優秀な業績を上げた人はまた民間にどんどんスカウトをされます。しかも、それは直接、監督権限といいますか監視権限といいますか、関係のあった部署から関係のあった業界に移ることを規制しておりません。ただし、そのかわりに、一たん外に出た者が中におりましたときの知識を利用し、人脈を利用しといった行動をとることに対しては非常に厳しいファイアウォールが築かれております。
 ところが、もし日本の終身雇用制の形態の中で外に監視機構をつくるといった場合に、どういう人材が得られるであろうか、そして例えば民間から特例任用で守秘義務を課せられたそうした職種にどれだけの方が御協力をいただけるだろうか、さらにそれを支える事務局機能はどうか。
 結果として、大変いろいろ御批判を受けましたが、私は中に監視委員会をつくる、そのかわりに監督権限を持つセクターと新たな監視機能を持つセクターとをはっきりと仕組みの上で遮断するという工夫をすることに全力投球をいたしました。
 私は、議員が今御指摘になりました御論議の中に二つの問題点があるように思います。
 一つは、交流を制限するという言葉が一般的になりました場合、今我々は各省の横の人事交流というものをできるだけ積極的に行いたい。一つの役所で固定するのではなく、さまざまな役所に動けるような人材を育てていきたい、こういう考え方とどこで問題を生ずるだろうか。
 さらには、公務員の採用方式そのものについても今さまざまな議論がなされております。私は、これはある意味では公務員の採用から終身雇用形態の中における異動、さらに定年後の人生設計というものまで含めて考えなければならない問題ではなかろうか、御論議を伺いながらそう思いました。
 ただし、それが特定の関連を持つ業界等に対しての再就職、いわゆる天下りといったようなもの、こうした点を指しての御指摘であるとするならば、人事院等に十分工夫をしてもらう必要があると思います。
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川橋幸子#28
○川橋幸子君 そこで、最後になりましたが、人事院総裁お見えでいらっしゃると思います。
 人事交流の遮断と働き場の確保、これを両立させることは日本のような終身雇用の労働市場では大変難しいことがございます。特に公務部門は難しゅうございます。例えば公務部門の人材バンクという、これは全く私の個人的なアイデアでございますが、何か新しい方策を研究していただくことはできませんでしょうか。これを伺って終わりたいと思います。
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弥富啓之助#29
○政府委員(弥富啓之助君) お答えを申し上げます。
 ただいま委員が言われましたとおりに公務員の退職後の雇用機会の確保と、それから天下りの問題が非常に関連があるということはお説のとおりだと存じております。
 高齢者の雇用機会の確保の問題につきましては、長年その公務部内で培われました職員の知識や経験や能力、これを公務外でどう活用していくかという観点が一つございます。他方では、官民を通じまして人材の活用や流動化にどう対処していくかという観点から、人事管理全般にわたりまして幅広くこれは検討していくことが重要であると考えております。
 御指摘のような趣旨からも、あるいは職員個々人の能力、適性にふさわしい雇用機会を拡大するという趣旨からも、今お話しございました公務部門の人材バンクといった一つの考え方、これは職員の高齢対策の一般の中で一つの方策といたしまして検討対象になり得るものではないかというふうに考えております。
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