橋本龍太郎の発言 (予算委員会)
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○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、実は証券不祥事が起きましたとき、証券等の監視の機能をどうつくるかで大変苦しみました、大蔵大臣として。当時、世間からはこの機能を大蔵省の外につくれという御意見が圧倒的でありました。ただ、そこで一つの壁になりましたのは、外につくれという御意見の方々は日本の雇用制度というものの実態を全くお考えいただけておらなかったという点であります。
例えば、アメリカの証券等監視委員会、SECの場合、これは非常に民間の人々がどんどん採用されます。そして、そこで優秀な業績を上げた人はまた民間にどんどんスカウトをされます。しかも、それは直接、監督権限といいますか監視権限といいますか、関係のあった部署から関係のあった業界に移ることを規制しておりません。ただし、そのかわりに、一たん外に出た者が中におりましたときの知識を利用し、人脈を利用しといった行動をとることに対しては非常に厳しいファイアウォールが築かれております。
ところが、もし日本の終身雇用制の形態の中で外に監視機構をつくるといった場合に、どういう人材が得られるであろうか、そして例えば民間から特例任用で守秘義務を課せられたそうした職種にどれだけの方が御協力をいただけるだろうか、さらにそれを支える事務局機能はどうか。
結果として、大変いろいろ御批判を受けましたが、私は中に監視委員会をつくる、そのかわりに監督権限を持つセクターと新たな監視機能を持つセクターとをはっきりと仕組みの上で遮断するという工夫をすることに全力投球をいたしました。
私は、議員が今御指摘になりました御論議の中に二つの問題点があるように思います。
一つは、交流を制限するという言葉が一般的になりました場合、今我々は各省の横の人事交流というものをできるだけ積極的に行いたい。一つの役所で固定するのではなく、さまざまな役所に動けるような人材を育てていきたい、こういう考え方とどこで問題を生ずるだろうか。
さらには、公務員の採用方式そのものについても今さまざまな議論がなされております。私は、これはある意味では公務員の採用から終身雇用形態の中における異動、さらに定年後の人生設計というものまで含めて考えなければならない問題ではなかろうか、御論議を伺いながらそう思いました。
ただし、それが特定の関連を持つ業界等に対しての再就職、いわゆる天下りといったようなもの、こうした点を指しての御指摘であるとするならば、人事院等に十分工夫をしてもらう必要があると思います。