佐藤静雄の発言 (予算委員会)

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○佐藤静雄君 自由民主党の佐藤静雄でございます。
 本日は、証人には、御多用中にもかかわりませず御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。
 証人は、既に衆議院予算委員会、参議院予算委員会に参考人として御出席をいただきまして、住専問題の経緯について事実究明のために御発言をちょうだいしております。
 しかしながら、長期にわたる衆参両院の審議にもかかわらず、国民には、なぜ住専処理のために公的資金を投入するのかという疑問が根強くございます。完全に御理解をいただくまでには至っておらないという状況でございます。
 その意味で、系統金融の総帥である証人の御出席を賜り、住専問題の真相解明に御協力をいただき、事実関係を述べていただくことは、本日このテレビを見ておられる国民の皆様方の御理解をいただくために大きな力となるというふうに信じておりますので、誠実に正確にお答えをいただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 私は、政府・与党の住専処理策は、戦後我が国の国民が孜々営々として築き上げてきた一千兆に上る個人貯蓄を守り、このまま推移すれば我が国の金融システムに不安や混乱が広がり、国民経済全体にとっても取り返しのつかない事態を惹起する可能性がある、こういう逼迫した状況のもとで、このまま解決を先延ばしする、これは絶対にできない。したがって、早期処理のため、関係金融機関の最大の御努力をちょうだいした上で財政資金の投入を含むこの処理策が決定された、そういうふうに理解をしておるわけでございます。
 翻って、我が国のみならず、このように国民経済や経済活動の基盤となる金融システムの安定という困難な課題に対処するために、各国は財政資金の導入をしてこれを支えるという姿勢をとっておる。御承知のように、アメリカではSアンドしの解決のためにRTCという機関をつくり、十九兆円に上る財政資金を投入しております。フィンランド、スウェーデン、ノルウェーにおいては、大体国民所得の四・五%、そのぐらいをこの金融システムの安定に使っておるのであります。フランスにおいても、国立銀行の危機に際しまして財政資金を投入しております。
 我が国の住専処理に関しましても、原因の究明や関係者の責任を明確にすることが極めて国民の信頼を得るためには必要でございます。私は、去る二月十五日に本委員会において、法務・検察、警察当局に対しまして、住専破綻の原因となった関係者に対する民事、刑事の責任を徹底的に追及すべきである、そういう意見を表明したわけでございます。
 そこで、角道証人に対してお尋ねをしたいと思います。
 ただいま委員長の尋問にもございましたように、住専問題の経緯について簡単にお話をいただきたいと思います。
 そもそも住専は、昭和四十六年に三和銀行グループが母体となりまして日住金を設立したのが嚆矢でございます。金融機関がみずからの住宅ローンの分野を補完するために共同で出資設立したいわゆる金融機関の全くの子会社でございます。経営陣は大蔵省出身者あるいは母体金融機関出身者で占めております。人事面で母体行が深く関与しているばかりではなくて、業務展開においても母体行から貸付案件の紹介あるいは窓口の代理、それらを最初のうちはやっておったわけでございます。資金調達においても母体行の信用を背景にして資金を調達しておりますから、全くの母体行の別働隊と言って過言ではないというふうに考えております。
 昭和五十年代後半、母体金融機関は、いわゆる企業の銀行離れ、直接金融を大企業は始めました。したがって、銀行はもう要らないというような状況になってきました。その中で、直接金融である小口の個人取引、リテール分野を充実するために、子会社の住専が一生懸命やっておった個人住宅ローン、その分野を住専と相談もなくどんどんどんどん侵食していった。もうかる分野であればどこにでも手を出すと、こういう母体行の姿勢に私は大きな疑問を感じております。このあおりを受けまして、住専は業務内容を不動産あるいは建設業向けに拡大せざるを得なかったという状態がございます。
 昭和六十年代のいわゆるバブル期に、住専各社は不動産業、建設業の分野で業務拡大をどんどんどんどん行っていった。この間、土地関連融資規制の指導が数次にわたって行われておるはずでございます。住専に対しても母体行を通じて、今は余り投資をするなよということが指導なされたにもかかわらず、住専各社はむしろこの時期に貸し付けを大幅に拡大していった。バブル経済の崩壊が始まった平成二年以降、不動産、建設業分野への相当の融資を行っていた住専の経営が急速に悪化することになった。
 この経緯から見て、住専の設立、経営関与、業務展開上の結びつき及び経営破綻の原因のすべての面で母体行の責任は大変重いというふうに私は感じておりますが、証人はどう考えていますか。

発言情報

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発言者: 佐藤静雄

speaker_id: 28186

日付: 1996-05-02

院: 参議院

会議名: 予算委員会