村田吉隆の発言 (本会議)
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○村田吉隆君 私は、自由民主党、社会民主党・市民連合、新党さきがけ、三党を代表いたしまして、ただいま議題となっております新進党提出の所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案及び地方税法等の一部を改正する法律及び地方財政法の一部を改正する法律案に対する反対の討論をいたします。
平成九年四片に実施することが予定されております消費税率の引き上げ及び地方消費税の創設は、景気動向に配慮し、これらに先立って平成七年から実施されている所得税、個人住民税の恒久的な減税とおおむね見合いのものであり、我が国における経済社会の構造的変化に対し税制面から対応する税制改革の一環であります。
我が国においては、今後、世界に例を見ない少子・高齢化の急速な進展により、働き盛りの世代にますます負担がのしかかることとなるおそれがあり、中長期的に我が国の経済活力が損なわれないよう、経済構造改革を推進していく必要に迫られています。
また、我が国の財政は、国及び地方の長期債務残高が本年度末には約四百四十二兆円と、国内総生産比八八・八%、国民一人当たり約三百五十二万円に達する見込みであるなど、主要先進国の中で最悪とも言える危機的な状況にあります。今後、実質三%の経済成長が続き、税収が順調に増加したとしても、現在の財政構造が放置されるならば、歳入歳出ギャップはさらに毎年二兆円ずつ増加していくと見込まれ、歳入歳出全般を見直す財政構造改革が喫緊の課題となっております。
このため、来年度を財政構造改革元年として、三兆円、以上の公債発行減額を目指すとともに、中期的な目標へ向けて財政の健全化を図っていく必要があります。さらに、こうした経済構造改革や財政構造改革と一体不可分のものとして、官民の役割分担のあり方を根本から見直すことなどにより、行政改革や社会保障制度改革を強力に推進していく必要があります。
今回の税制改革は、こうした一連の構造改革の一翼を担うものであります。減税を先行させたために、消費税率の引き上げがあたかも増税であるがごとくに批判する向きもありますが、仮に平成九年度以降も消費税率や特別減税について八年度までと同様とした場合と比較すれば、九年度以降三年間平均で実質国内総生産を〇・九%程度引き下げる影響があるものの、全く今回の税制改革が行われなかった場合と比べると、依然として平均〇・四%程度高い経済活動水準が維持されるものと見込まれております。
新進党のいわゆる消費税率据え置き法案は、少子・高齢化社会に対応した税制の改革に意を用いることなくしかも現在の財政状況をさらに悪化させ、我々の子供や孫の世代に一層の負担増加を先送りする無責任なものと言わざるを得ません。(拍手)
減税により経済が活性化し、それにより財政再建が達成できるとの議論がありますが、減税の景気浮揚効果による税収増が減税規模を上回るなどというのは空論に過ぎず、結局は巨額の財政赤字を抱えることとなり、金利高によるクラウディングアウトやインフレを招来してしまうことは、世界経済の歴史を見ても明らかであります。今後、急速な少子・高齢化の進展に直面し、ある程度社会保障費等の増大が避けられないと考えられる中で、こうした無謀で破滅的な経済運営を行っていくことはできません。
来年四月からの消費税率の引き上げ及び地方消費税の創設は、活力ある豊かな福祉社会の実現を目指す税制改革の一環であるとともに、地方分権の推進や地域福祉の充実等のために地方財源の充実を図るものであります。安易に税率を据え置けば、社会保障施策の推進に支障を来すとともに、地方の自立の妨げになることも忘れてはなりません。
また、いわゆる益税問題については、消費税率の引き上げと同時に、限界控除制度の廃止、簡易課税制度の適用上限の引き下げ、みなし仕入れ率の改正など、中小特例措置を大幅に縮減することとしており、いわゆる益税は相当に解消するものと考えられます。
なお、消費税率の引き上げに際しては、これによって影響を受けやすい年金生活者や低所得の方々に対して、きめ細かい配慮が必要であります。この点については、与党三党の間で徹底した議論を行い、消費税率引き上げによって影響を受けやすい、いわゆる弱い立場の方々に対して平成九年度一人当たり一万円を支給すること、低所得の六十五歳以上の寝たきり老人に対して一人当たり三万円を支給すること、六十五歳以上の低所得者に対して一人当たり一万円を支給するとともに、平成十年度以降の年金の物価スライドに含まれる消費税負担当分一・五%を最低保障するなど、社会的弱者に対する特段の措置をとることについて合意したことも申し添えます。(拍手)、あわせて、与党一体となって、抜本的な逆進性緩和策のあり方について引き続き検討を行っていくこともお約束したいと存じます。
以上の諸点にかんがみ、我々、自由民主党、社会民主党・市民連合、新党さきがけ三党は消費税率据え置き法案に反対の意を表し、私の討論を終わります。(拍手)