中川秀直の発言 (予算委員会)
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○中川(秀)委員 総理、その点なんですが、これもアメリカの例で恐縮でございますけれども、そういう意味の人事交流と、例えばお互いにチェック・アンド・バランスでチェックしていかなければならないという機関間の人事交流とは分けておるのですね。
つまり、例えば今我が国の行政監察局には、先ほど申し上げましたように、人事交流の名目でいろいろな省庁から出向者がかなりいるわけでありますけれども、やはり自分が帰る役所の調査、監査に当たっては、あらかじめ情報が流れたり、あるいは多少、魚心水心となってしまう。それではいけないからということで、利益相反の、そういう機能の間の人事交流はやらないというのがアメリカの例でございます。そんなことも私は考えておくべきではないかということを申し上げたつもりでございます。
それからさらに、経済、景気のことについて二、三点お尋ねをするのでございますが、我が国の今の経済の現状ほど捕捉しづらいものは余りないと思います。
平成五年十月に景気は底を打った。こう言ったのでございますけれども、以後、月例経済報告でずっと、表現は若干違うものの一貫して回復宣言を続けているのですが、どうも国民にはその実感がない。まあバブル期の実感がまだ頭の隅っこに残っておって、その当時の状況とついつい比べてしまうから実感がないのかもしれませんが、本当に景気が回復しているのかどうか、半信半疑でいる人も少なくはないわけでございます。
私は実は、三日に経企庁から発表されたことしの七月−九月期の国民所得統計速報を拝見しましたが、前期比で〇・一%、年率で〇・四%成長ということでございますが、これは本当に低い数字だと思います。後半盛り返してくれて、何とかことしの政府見通し二・五%成長になることを心から願うものでございます。
景気対策として公共事業の重要性も私は認めておりますが、経済白書でことし政府が公共事業のことについていろいろ分析をされました。短期的に景気浮揚効果が、これだけ公共事業を追加しながら上がってこなかった理由、それも幾つか挙げております。
そしてまた、ケインズ没後五十年にことしは当たりますけれども、これまでのケインズ主義的な財政政策は、景気の後退時期に財政の、公共事業を初め赤字支出をふやして民間需要を刺激して、やがて相乗効果によって景気が回復するという、そういう景気循環論を前提とした経済政策であるわけですが、しかし、今回のバブル崩壊後の状況を見ると、ごらんのとおり、景気循環の規則性が経済の長期停滞で否定されるようだと、財政赤字がふえるだけでその効果は期待できないわけですね。そういうことに理論上なってしまうわけでございます。
そこで、経済白書は、通信インフラの生産力効果が高いことを指摘したり、いろいろな新しい分野に必要な予算を配分する重要性をうたったわけであります。そしてまた、自由民主党も公約で、創造的な経済活動による新たな産業分野の開拓が重要であるという認識から、研究開発や情報化の進展並びに新規事業を支える制度、環境の整備に取り組むと、こういう公約をうたったわけでございます。
私も、ついこの間まで長官在任中世話になった科学技術庁に対するエールも多少ございますけれども、総理、ことし概算要求で閣議決定いたしました。新設する経済構造改革特別措置並びに公共投資重点化枠、前者が三千億円、後者が五千億円でございますけれども、これをどのような形で配分するか。
私は、先ほど申し上げたような、国民のニーズに合う、そしてまた、真にそういった新しい経済構造の改革に資する、科学技術の基礎研究も含めまして、そういう分野に重点を置くべきだと、このように考えますし、国民生活のニーズということでいえば、まさに生活関連の分野、あるいは国際競争力を高めるような高速体系とかハブ空港とか、あるいはまた大型コンテナヤードとか、そういったものを視野に入れながら重点的に配分されるべきだと思いますが、いかがでありましょうか。