平岡哲也の発言 (決算委員会)
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○平岡会計検査院説明員 事務総局次長の平岡でございます。よろしくお願いします。
お手元にお配りをしております「テーマに関する説明要旨」という資料をごらんをいただきたいと思います。
まず、農林水産関係の公共事業についてであります。
農林水産業が大きく変化をしている中で、予算額も多額に上っておりますことから、農業農村整備事業、漁港整備事業などについて、事業の計画、
工事の設計、積算、施工、事業効果の面に至るまで、合規性、経済性、効率性、有効性の観点から検査をしているところであります。
平成六年度及び七年度検査報告の指摘状況は、資料にごらんのとおりとなっております。
ここで、七年度のところに米印がついておりまして、十一億八百万円と出ておりますが、これは背景金額であります。いわゆるむだ遣いという感じになります指摘金額とは異なった概念でございまして、事業効果の発現に問題があるとして取り上げた事態などにつきまして、その背景となる金額を示しておるものであります。
指摘事例といたしましては、資料にございますように、七年度の「漁港施設用地等の利用及び管理について」の指摘があります。これは、漁港施設用地──荷さばき所、給油施設、漁具保管修理施設などのための敷地でありますけれども、それが適切、有効に利用されていなかったりなどしている事態を指摘いたしまして、将来に向かって改善の処置を要求したものであります。
なお、先ほどの十一億八百万円という金額は、この指摘案件におきまして指摘対象となった漁港施設用地に係る国庫補助金相当額の合計額であります。
今後の検査の取り組み方でありますが、農林水産関係の公共事業につきましては、今後とも、事業が経済的、効率的に実施されているか、事業が所期の目的を達成し、有効に効果を上げているかなど、幅広い観点から十分調査を行ってまいりたいと考えております。
第二に、公共事業について申し上げます。
公共事業につきましては、毎年多額の資金が投入され、国民の関心も高いことなどから、会計検査の対象として重要な分野と位置づけており、計画、設計、積算、施工などあらゆる面から、各種工
事に関する合規性、経済性、効率性、さらに、大規模プロジェクト等に関する有効性の観点からの検査を実施しているところであります。
農水、運輸、建設各省の工事に関する指摘の状況でありますが、広く各種施設の整備について指摘を行っておりますので、予算上の公共事業の概念よりも若干広いかもしれないわけでありますが、資料にございますように、過去十年間、昭和六十一年度から平成七年度までの検査報告における指摘件数、指摘金額は、三省合計で百八十件百六十三億円となっております。なお、このほかに、これら三省所管の公団分の指摘が十年間に三十七件二十六億円あるわけであります。
これらの中には、設計、積算、施工などいろいろな側面の問題が含まれておりまして、例えば積算についての指摘は、三省分の中に二十二件六億円、公団分の中に三十件二十三億円含まれている状況であります。
指摘事例についてでありますが、六年度検査報告の「多目的ダム等建設事業の実施について」は、多目的ダム等の建設事業で、事業着手後十九年ないし二十九年を経過し、六つの事業合計で八百五十億円を支出済みにかかわらず、ダム本体工事の着工見通しが立っていないものなどについて指摘をいたしまして問題を提起したものであります。なお、この場合、この八百五十億円が指摘金額ではなくて背景金額に当たるわけであります。
七年度の公共マリーナ等の管理運営についての指摘は、全国の公共マリーナ等においてせっかく整備をしておりますのに十分に利活用が行われていない事態を指摘をいたしまして、将来に向かって改善の措置をとらしめたものであります。
今後の取り組み方でありますが、行財政改革が緊要な課題となっている今日、重点的、機動的な検査を実施するなどして、公共事業に対する会計検査の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
第三に、食糧費の問題であります。
国庫補助事業に係る事務費の中には食糧費というものが含まれておりますが、これの使い方に関しての社会的関心の高まりなどを踏まえまして、一昨年の検査の中途において、急遽、農水、運輸、建設の三省所管の公共事業について検査を実施をいたしました。その結果、食糧費の使用が国庫補助事業実施のため直接必要であるか否か判然としていなかったり、食糧費の経理処理が明確でなかったりしている事態が見受けられました。
そこで、配付資料にございますように、農水、運輸、建設の三省では、会計検査院の指摘に基づきまして、都道府県に通達を発するなどして、原則として懇談会の経費は補助の対象としないこととするなど、食糧費の使用及び経理処理を適切に行わせる改善の処置を講じました。
これにつきまして、昨年の検査におきましては、三省以外の省庁の対応状況を非公共事業を含めて検査いたしましたところ、三省以外の省庁でも同様の改善の処置がとられているものと認められました。
他方、事務費のうちの旅費等の執行についてでありますが、四十七都道府県から内部調査の取り組み状況についての報告を受けるなどして、昨年検査したところであります。
会計検査院といたしましては、国庫補助事業における食糧費、旅費等の事務費の執行については厳正な経理処理が求められておりますので、今後とも十分留意して検査に努めることといたしております。
第四に、高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故についてであります。
多額の国費を投じた「もんじゅ」において、一昨年十二月、ナトリウム漏えい事故が発生をいたしました。本院では、設計の審査、製作、据えつけ時の検査が適正に行われたかという観点から、昨年検査を行い、その結果、検査の状況を特定検査状況として掲記をいたしました。
その中で、本院の所見といたしまして、資料にございますように、「しかし、以上のように、二次冷却系の温度計さやの設計については、その審査は必ずしも十分ではなかったと思料される。 したがって、今後、このような小型機器の制作についても、より一層慎重な設計の審査が望まれる。
なお、事業団では、」「もんじゅの総点検を行うこととしているので、本院においても今後、その内容について注意深く見守ることとする。」と記述をしておるわけであります。
なお、この特定検査状況と申しますものは、社会的関心が極めて高い問題につきまして、指摘に至らなくても検査の状況を広く明らかにするという考え方で、平成二年度検査報告から新たに章を設けまして、検査報告に掲記をするようになったものであります。
第五に、干拓干陸問題であります。
国が行う干拓事業には多額の経費を要しますことから、関心を持って検査をしてまいっておりまして、特に、昭和四十五年に開田抑制通達が出て以降は、事業効果の問題に留意しながら検査をしてまいっております。そして、資料にございますように、累次にわたり検査報告に掲記をいたしております。
昭和五十一年度検査報告では、工事が完了をしているのに造成地が配分されていない事態、事業の中途で長期間にわたって工事を休止している事態があり、投下した事業費が休眠しているとして問題を提起しております。
昭和五十五年度検査報告におきましては、農業以外の用途に転用している事態、造成用地の応募者がいない事態、休止せざるを得なくなっている事態、将来の営農の定着が容易でない事態などがあることを十分認識し、流動する社会経済情勢に対処して適切に事業を実施する必要があるとして、問題を提起しております。
平成元年度検査報告では、木曽岬干拓地につきまして、早急に県境問題の解決を図るとともに干拓地の利用について多角的に検討する要がある旨、改善意見を表示しております。
平成五年度検査報告では、国営羊角湾土地改良事業につきまして、造成農地の将来の取得者の負担金の増大が見込まれ、今後工事を再開しても干拓での営農は相当困難な状況にあると見込まれ、農林水産省が協議中の対策が実施され、事態の改善が図られることが望まれるとして、問題を提起しているわけであります。
最後に、六番目といたしまして、平成四、五年度決算議決について政府が講じた措置に至るプロセス等についてであります。
資料にございますように、平成八年六月十三日に当決算委員会において議決が行われ、翌十四日に本会議において行われまして、同日、内閣に対してその旨の通知がなされました。そして、内閣におきましては、この議決を受けて、所要の行財政上の措置を講じ、その措置について九年二月七日に衆議院に報告を行っております。
決算に関する議決事項は、政府に対して適切な措置をとるよう求めるものでございますが、会計検査院といたしましても、その趣旨を検査に反映させるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。