佐藤剛男の発言 (厚生委員会)
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○佐藤(剛)委員 まず第一に、中山案と言わせていただきたいと思います、また、金田案と言わせていただきたいと思いますが、中山案が臓器の移植に一歩踏み出す形での御努力をされたことを多といたします。
そして、中山案があった、出たから金田案が出たのじゃないかと私は思います。これは、脳死を死とするという形が中山案の中に出るわけでございます。
私の立場は、ヨーロッパに起きましたいわゆる神学論争、イエスがどうだこうだというときの神学論争に巻き込まれないで、この移植に一歩進めないと、これは、この両案とも相打ちの形で否決される可能性なしとしない。そうなると、中山案が出ていない場合には、これは医学のガイドラインの中で、死というものを法律は規定していないわけですから、そのプロフェッショナルのアカデミーなりクリークでやられるのが一つの方法かと思いますが、情勢が全く変わってしまうと思いますね。両案とも否決となった場合には、私は、臓器移植の将来は真っ暗だと思います。そしてさらに、刑事的に告発などが出ますと、司法官憲がそれに対しまして動き出す可能性もあるわけでございます。
そういう意味において、この取り扱いというのは非常に難しいし、しかし相打ちを避けないでいく形、言うなれば、道路というのを例にとりますと、自動車が走っていないところに道路交通法というものをつくる、しかし、道が悪ければ衝突して谷に落ちるかもしれない、臓器移植というのもそういう形になってやみの中に葬られてはいけないというのが私の動議の背景にございます。つまり、両案が歩み寄っていただける橋渡しになれないか、英語で言いますとアコモデーションでありますが、そういう形のものとして提案をさせていただいたわけでございます。
そして、現在における臓器移植というのが過渡的な治療法として余儀なくされている、そういう状況にかんがみて臓器移植の道も開く。しかし、この場合、参考人からの意見もありましたが、日本の現状は二十五年もアメリカ等よりおくれておる。先進国の、より体験を積んだ外国人からの教えを請うたり、それから、ドナーがアメリカにおいて減っておる、この教訓を学んで減らないようにする。それから、医師への不信感というものが存在してしまったらこれは大変なことになるわけでありますから、これを生じないようにする、医師への不信感が生じないようにする。そして、心臓あるいはその他一定の臓器について、国際的に
も、日本のあそこに行けば大丈夫なんだ、あそこで治療を受けてもだめならばしようがないというような、日本が国際的医療国になるという道が今後の大きな課題であると私は思います。
そういう観点から見ますと、臓器といって定義いたしていますが、角膜、腎臓、これと心臓とは違うわけであります。その、心臓というものは違うというのは、心臓というのは生体移植ができない。生の体の移植ができないからどこかで死というものを認めようというのが中山案でありますが、そこについての一つの手続的な形で持っていけば、私は、死というものについて避ける、神学論争も避ける。
あるいは、脳死といっても脳神経の細胞までについて技術は進歩するといういろいろなものがあるわけでございますし、日本には古来から、もがりといって、天皇が亡くなられたときに、それについて、生き返ってこないかなというふうなこともあるわけですから、そういう文化というものを、伝統を前提にした上で、しかし、今の医療現場は、一日千秋の思いで待っている人が、もし手術をすれば逆に死んでしまうという現状があるということを参考人は言われたわけであります。
そういうことでありますから、仮に中山案を、脳死を死と認めても、その移植をする場というのは、ちょうど国立がんセンターのように国立心臓移植センター、あるいはせいぜい東に一つ、西に一つ、学閥を超えて、そこに総合スタッフを置いて臨む形に持っていかないと、失敗すれば日本は、第一号で失敗しますとこれからの日本の臓器移植の発展はないし、医療に対する将来への発展もないし、ドナーも減ってくる、レシピエントの期待も裏切る、こういうことになるということで私は提案をさせていただいたわけでございます。
したがいまして、私の観点を臓器の移植に関する法律案に対する修正案ということで、金田案の附則に入れてありますから、これをごらんいただいて検討していただきたいのですが、どうか金田案を提出された方々、動議でありますから真剣に御検討いただきまして、それを入れていただきたいと思いますが、まず、それについての金田先生からの御見解を伺いまして、次に、それを受けて、私は中山先生に御質問させていただきます。