鈴木幸夫の発言 (行政改革に関する特別委員会)
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○鈴木参考人 トップバッターということになりますが、足りない点はまたほかの先生方に御質疑いただければと思います。
今お話しになりました問題意識は私も全く同じでございまして、これは野党の方々もその問題点については恐らく皆さん同じだと思いますが、特に、私は二、三、一つは、現在起こっているいろいろな不祥事というものが何に由来するかといえば、これは一つは、もちろんこれは大蔵省がこれまでやってきた護送船団方式というものによってでき上がったもたれ合い方式、もたれ合い的な体質というものがあって、金融機関全体にやはりそういう厳しさの欠けている部分があったんだろうし、それから、大蔵省の監督体制自身も長年の惰性の中で、同時にまた、一方に人手不足というような問題もいろいろございますけれども、今までの方式ではもう限界が来ているということのいろいろな表明ではないかと思うんですね。
そういう意味で、全体を一つ一つばらばらにやるんではなくて、総合的に変えていくという意味においては、今回のこのいわゆるビッグバンの体制づくりというのは、私は非常に政府としても思い切っておやりになったというふうに思っております。
特に、外為法改正が五月の十六日でございましたか成立いたしまして、これは内外の資本の自由化、外為業務の規制緩和は徹底的にやるわけですから、これがもう法律が通ってしまいましたから、こういう法律が通った後、金融制度、証券制度、保険制度がもたもたと今までのようなことをやっていたんじゃ、完全に千二百兆円の個人金融資産も大量に海外に流れていくでしょうし、日本の東京市場というものが全くローカル化してしまうということは、これはもう必然的だと思うんですね。
ですから、そういう意味では、背水の陣をもう既に政府はおしきになった。あれはワンステップだなんて気安いものじゃなくて、あれはもう背水の陣だというふうにお考えになった方がいいと思います。
私はそれを見ているがゆえに比較的楽観しているのは、先ほどから、大蔵省がいろいろ規制とかなんとかで市場ルールに反することをやるんじゃないかという懸念がいろいろ出ておりますけれども、そんなことをやっていたらどうにもならなくなってくるんです。
現に大蔵省の方々もそういう方向で覚悟を決めておられるし、現にビッグバンというものの推進者は実質的には、こう言うと差しさわりがありますけれども、大蔵省の方々があるいはOBの方々も含めて動いているということはもう間違いないわけでございます。
これはやはり昨年までのさまざまな大きな不祥事やら官僚のスキャンダルやら、いろいろなものの中で大蔵省たたきというのがマスコミなり政界の皆さん方から行われた。これによって徹底的にいろいろな意味で大きな反省の方向に向かってきたということで、我々は、むしろこれからは政界の方も、マスコミもそうでしょうけれども、官僚の人たちを前向きに、ともかく改革の方向に走ってもらうために、余りだたくばかりが能ではない。昔のことは大いにたたいて結構なんですが、これからやろうとしていることについては、できるだけ前向きに誘導してしりをたたく方がいいのではないかというふうに思っています。
それから、銀行いわゆる金融機関でございますが、私は、最近見ておりましても、第一勧銀の問題だとかあるいは証券では野村証券の問題だとか、これはもう私があえて言うまでもございませんけれども、そういう問題が起こって、あれは第一とか野村だけの問題ではない。やはり金融機関なり証券会社なりあるいは保険会社も含めて、いわゆる政府がリードしてしようとしているビッグバンというものに対して、まだまだいろいろな意味で甘えがあるんではないかと思っております。
自己責任原則ということを今度の金融監督庁法案にも基本的な思想としてうたっているわけでございますけれども、やはりそれに追い込んでいくということが必要なのではないか。私は、日本の金融産業の体質というものが不良債権の処理をおくらせているということがはっきり言えると思います。
そういう状態を生み出したのは政府にも責任がもちろんあるわけですけれども、私が一番痛感しますのは、そういうものに甘えて、土地だとか、いわゆる不動産とかゴルフ会員権とかそういうようなものにバブルのときに集中的に投資して、そしてそういうようなものにしか投資することができなかった、あるいは預金と貸し金の間の利子の差額だけで飯を食っている、こういう金融機関の体質が非常におかしいのであって、もう既に九〇年代に入りましてから、世界じゅうの先進国の銀行がデリバティブにしろさまざまな新しい商品開発をやっております。そういうものに対して日本の金融機関は、ただ大蔵省が規制してきたからできなかったのだということを理由にしているだけの話で、実際にやろうと思えばまだまだやれる余地があったのだろうと思います。
そういう意味では、やはり金融機関にもっとそういう意味での意識改革というものが行われてしかるべきだと思いますし、さらに、その延長線では郵貯を含めた財投各機関の問題ももちろんあるわけでございますけれども、当面、民間金融機関の問題というのは、先ほど申し上げたもう背水の陣でやらざるを得なくなったビッグバンというものは、中途半端にやれば日本の市場は成り立っていかない、その主体者であるのは金融機関ではないかということを考えますと、むしろそちらの方に私どもは言いたいことがたくさんございますが、一応ここで私の意見は終わらせていただきます。