久保田勇夫の発言 (大蔵委員会)

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○久保田政府委員 関税局長の久保田でございます。よろしくお願いいたします。
 幾つかの項目について御説明がございました。特に、石油製品の関税の引き下げ、粗糖の関税の引き下げ、それから発泡酒について、三つでございます。ちょっと、それぞれの背景等異にしておりますので、多少長くなることをお許しいただきまして、御説明をさせていただきたいと思います。
 まず最初は、石油製品関税の引き下げでございます。
 これは、今委員御紹介ございましたように、原油につきましては、平成九年度から原油の関税の引き下げを実施するということが既に決まっているわけでございます。これは後ほど御照会があれば御説明をさせていただきますが、暫定税率ということで定まっております。
 そういう状況で、一方で原油の関税が引き下げられますと、原油を輸入した人は国内で製品をつくるわけでございまして、国内で例えば灯油だとか軽油だとかをつくってそれを販売するということになりまして、そういう意味では、原油の輸入コストが下がる、したがって国内で精製をする人のコストが下がるわけでございます。そういう意味では、国内で精製業者によってつくられます製品のコストが基本的に下がるわけでございます。そのときに、灯油だとか軽油だとか、製品を直接外国から輸入する人の製品の関税をそのままにしておきますと、これらの物価はそのまま国内にとどまることになりまして、したがいまして、結果的に、この国内石油精製業者のところの石油製品価格も下がらないという事態が想定されるわけでございます。
 そういうことでございますので、今回の原油関税引き下げに伴いまして石油製品全油種の引き下げを行う、そういうことによりまして国内石油製品全油種の引き下げを図って、いわば原油関税引き下げのメリットが消費者及び産業界を含む非常に幅広い石油製品ユーザーに還元されるということをねらった措置でございます。
 なお、原油につきましては、御承知のとおり我が国の原油依存度はほぼ一〇〇%でございますので、国内産業保護を目的とした関税を課する必要はないというのが一般的な考え方でございまして、そういうことに基づきまして、我が国におきましては、これはちょっと複雑なんですが、原油関税の基本税率というのは関税定率法で無税とされております。後ほどお話があるかと思いますが、他方で、原油関税は、石油によって石炭産業が打撃を受けたという原因者負担的な考え方に立ちまして、石炭対策の観点の特定財源ということになりまして、それで関税暫定措置法により暫定税率が規定されている、こういうことになっておるわけでございます。
 この暫定税率が、現在キロリッター当たり三百十五円でございますが、四月一日より平成十三年度までキロリッター当たり二百十五円ということになっておりまして、十四年以降は基本税率である無税が適用されるということでございます。
 そういうことを踏まえまして、全油種にわたって幅広くメリットが消費者なり産業界に還元されるということをねらうといった趣旨で、今回の改正をいたしておるわけでございます。
 なお、同様の、原油関税引き下げを踏まえた石油製品関税引き下げは、平成元年、平成四年にも行っておりまして、そういうものとして御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 二つ目につきましては、粗糖のお話だったと思います。
 我が国の砂糖価格というのは、近年、低下傾向にございます。しかしながら、欧米諸国と比較をいたしますと、なお相当程度の的外価格差がございます。農水省の直近の資料に従いますと、ことし、八年のキログラム当たりの小売価格は、東京では百九十八円、ニューヨークでは百六十一円、ロンドンでは百三十七円、パリでは百六十三円ということでございまして、専門家の計算によりますと、諸外国の主要都市の平均を一・〇といたしますと、東京の砂糖価格というのは一・三ということになっているようでございます。
 そういうことを踏まえまして、消費者それから食品製造業者等のユーザー及び砂糖業界からの内外価格差縮小に対する要請が高まっているというところが実態でございます。したがいまして、今回、国内の砂糖価格の引き下げによりまして内外価格差を縮小させるために、粗糖関税を引き下げるということにしたものでございます。
 それから、第三番目のお尋ねは、発泡酒ということでございます。
 発泡酒と申しますのは、従来輸入がほとんどなかったために、個別の視細分が設定されておりませんでした。そういうことから、関税の方でまいりますと、「その他の発酵酒」というところに分類をされております。
 ただ、発泡酒といいますとわかりにくい言葉ではございますが、泡のあるアルコール飲料でございまして麦芽を原材料とするものでございますが、既存の特定の分類、特にビールのうちには入らないということでございます。アルコールは五%程度ということでございますので、大体その辺の御感触はおわかりだろうと思います。そういうことで、これまで、細分類がないということから「その他の発酵酒」ということで、分類上、リッター当たり四十三・一円というのが設定されていたわけでございます。
 しかしながら、先ほど申し上げましたように、発泡酒につきましては、近年、酒類の生産技術の進展、麦芽がまあまあであっても通常飲めるようなものができるようになったとか、あるいは消費形態の変化、お客さんが大変お飲みになるようになったというふうなこともありまして、輸入も、「その他の発酵酒」という分類の中でかなりの割合を占めるようになってきたわけでございます。そこで、今回、「その他の発酵酒」の中に発泡酒に対応する新たな視細分を設けまして、関税率を設定するものでございます。
 関税率につきましては、内外価格差でございますとか国内産業事情等を総合的に勘案して設定をしたものでございます。

発言情報

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発言者: 久保田勇夫

speaker_id: 12961

日付: 1997-03-04

院: 衆議院

会議名: 大蔵委員会