久保田勇夫の発言 (大蔵委員会)
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○久保田政府委員 お尋ねの加算税制度の導入でございます。これは御承知のとおり、今年度の改正の大きなポイントでございます。
今御質問ございましたように、昭和四十年代の最初に関税に申告納税制度が導入をされました。そのときに、あわせて加算税制度を導入すべきではないかというのをかなり内部でも議論をしたようでございます。
そのときに、当時の状況といたしまして、一方では通関業法、品目分類等に係る事前教示制度が整備されていなかったという事情がございます。それから、後で少し場合によっては述べるかと思いますが、関税の場合の特殊性といたしまして課税対象が非常に多うございまして、品目数でいいますと、品目分類、これが全部課税対象になるわけではございませんが、七千分類になる、こういうふうなことでございます。
そういうふうな品目分類を一般の輸入者が専門家の助けなしに行うのは技術的になかなか困難ではないか。そういうところで、無申告加算税、むしろ特に過少申告加算税でございますが、これを導入するのはちょっと酷ではないかということをかなり議論したようでございまして、当時の話といたしましては、そういう意味で、輸入者が適正な納税申告を行う環境が整っていないというふうに判断をされて、まずはその環境整備が重要であるということで、過少申告加算税等の導入が見送られたというのが経緯でございます。
その後の展開を見てみますと、昭和四十二年に通関業法が制定されまして、業として通関手続の代行を行う通関業制度の創設及び通関士制度が導入をされました。その後、これは分類に係るものでございますけれども、事前教示制度、これはどの分類に入りますかということを輸入者が尋ねました場合に税関の方からこれにお答えをするという制度をつくりまして、特に昭和五十八年には運用体制の整備を図っておりまして、書面による回答を制度化いたしております。さらに、平成七年に閲覧制度を導入いたしまして、教示結果を第三者にも開示できるように、こういうことにしております。もし機会があればまた御説明をさせていただきますが、今回のこの加算税の導入を契機に、この教示制度をさらに拡充することを考えております。
それでは、お尋ねの、今回加算税を導入しようとする理由はどうか、こういうことでございますが、私どもは、三つの観点からぜひ加算税をお願いをいたしたいというふうに考えております。
まず第一番目は、今委員おっしゃいましたように、申告納税制度のもとでは申告義務の適正な履行を図るために加算税は非常に効果的な制度である。金額的にどうこうということはあるかもしれませんけれども、効果的な制度であるということでございます。関税につきましては、先ほど述べましたように申告納税制度導入の際に加算税の導入は見送ったところでございますけれども、関税に申告納税制度が導入されてもう三十年云々ということでございまして、申告納税制度は十分に定着したと認められるし、環境も十分整ったというふうに判断した、これが第一でございます。
それから第二番目は、近年の税関の事後調査によりまして把握された申告漏れ税額を見ますと、やはりこれは関税の納税者間における課税の公平を維持し、より適正な納税申告を確保する必要が高まっているというふうに判断をしているわけでございます。そういうことで、関税におきましても内国税と同様に過少申告加算税及び無申告加算税を導入いたしまして、関税の申告納税制度を内国税と同様のものに整備する必要があると考えたわけでございます。第二番目でございます。
それから第三点は、税関におきましては、似たような話ではございますが、適正な通関と迅速な通関とは車の両輪のようなものだと考えております。後ほど御質問があろうかと思いますけれども、従来から、通関手続の迅速化でありますとか円滑化に対しては、規制緩和を含めていろいろ努力をしてまいりました。しかしながら、その反面といたしまして、やはり通関手続の適正化というのは、税の面においても、また後ほどお話があればお答えさせていただきますが社会悪物品の場合にも同様でございまして、そういう意味では、加算税の導入による適正な納税申告の確保というのは、通関手続の迅速化を裏打ちするためにも必要な措置ではないか、こういうふうに考えたわけでございます。
以上、三つの観点から加算税の導入をお願いしているわけでございますが、今御質問の中にもございましたように、これは本来、申告納税制度が適用されている貨物に対して適用する、こういうことでございますので、旅客の携帯品でありますとか外国郵便物、これは賦課課税方式をとっておりますので、こういうものは定義上と申しますか、加算税は課されないということを念のために申し上げておきたいと思います。
なお、先ほどのような状況でございますので、私どもとしましては加算税の中身については非常に慎重を期しまして、税法の大先生でありますとか、内国税に詳しい方、あるいは貿易実務者、通関の専門家等と十分議論いたしまして、やはりこれはやるべきであるというふうな結論に至ったものでございます。