白川勝彦の発言 (地方行政委員会)
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○白川国務大臣 選挙制度について、それぞれ何が理想の選挙制度か、こう問われれば、相当一人ずつ違うかもわかりません。ですから、私は、今自治大臣という立場で、今の法律が現にあり、この法律に従って選挙を守るという立場から、今触れられた幾つかの問題点について私なりの意見を申し上げてみたいと思っています。
正直申し上げて、私は北陸信越ブロックの一位でございましたが、この一位というのは非常にいいものでございますが、これが、結果は五つとりましたけれども、これが六番目とか何かになったら大変だったのじゃないかな、こう思っています。そういう面で、順番をつける方は楽かもわかりませんが、順番をつけられることによって、だれが判定するのかわかりませんが、選挙がないわけでございますからだれかが判定しなきゃいかぬわけでございます。そこに正しい順番をつける能力があるのだろうか。私は、実は、自分の選挙区はさすが自分ではつけませんでしたけれども、ほかのブロックのところ、私も素案を書いた一人として、あらゆる知恵は絞りましたが、これが絶対だなどというどうも自信はありませんでした。そういう問題がございます。
そして、重複立候補が是か非かという、私は、この制度をどう使うかという問題だと思います。制度自身はあります。やめる、やめないはそれぞれこれから各党各会派で決めていただければいいのでございますが、例えばこういう点はどうなんだろうかと、まず問題提起したいのでございます。
小選挙区制の最大の欠点は死票が多いというのは、小選挙区制といえばもうすぐ連想ゲームみたいに出てくる言葉でございますが、例えば、Aという候補とBという候補が激突した、わずか二、三千票差だったというふうな選挙結果がございます。そして、自由民主党の場合は原則重複立候補しておりますので、新進党の方が一位をとった、自由民主党が二位だった。しかし、二、三千票差ならば、惜敗率が高い方でございますからほとんど当選しています。そうしますと、何と最終的には有権者の投票のうち、議席につながったという意味では九十数%が死票にはなっていないわけですね。見事に小選挙区制の死票が多いという点をクリアというか、この問題は解決しているんだというふうに言えないだろうか。また、きっとそういうようなことでなされたのだと思うわけでございます。
それから、同一順位という問題は、実際私どもはコスタリカ方式という人たちが、私もそうだったのですが、そういう問題がありましたので苦労いたしましたが、できれば私は、近畿ブロックで採用したように、現職も新人もなく、全部同一順位が一番いいと思っております。そして順位は、政党の一定の限られた人間が、基準と言えるかどうかわからないもので無理してこれが正しいんだといってつけるしかないわけでございまして、そんなことよりも、一生懸命頑張りなさい、そして小選挙区で一番信任を受けた人はもう小選挙区で当選して、比例なんて関係ありません、しかしあとは惜敗率ということで決まっていくという、あ
の当時も随分議論されましたが、私は一つの仕組みかなと思っております。
それから、もう一つの問題といたしましては、候補者がそんなにいるのだろうかという問題に私は正直言って遭遇いたします。また各党とも遭遇したのじゃないでしょうか。三百の選挙区にこの人はと思う立派な候補者を全部立てて、かつ比例で過半数とりたいというぐらいのというと百人、四百人ですね。これはもう一度の人を衆議院議員にしても万全なんです、みんな受からせてくださいという、これだけの候補者をそろえるというのは、そんなに各党にとって楽なことなのでしょうか。
私は、現実に、我が党といえども、自由民主党といえども、三百の選挙区は諸般の事情があって埋められませんでした。そして、全部が全部万全の自信というよりも、とにかく三百、自由民主党の場合は立てなきゃいけないのだということで、もう最後はしようがないということで決めたケースだってあります。
本当に、そういう面でいいますと、三百の選挙区すべてに候補者を立てて、さらに比例区ですから、それよりも人格、識見が高いか低いかは別でございますが、さらに百人近くの候補者を立てるというのは口で言うほど簡単でないような気がいたします。そういう面で私は、重複立候補という問題もそう世間がぼろくそに言うほど悪い側面だけでないのじゃないのかなと。
私は、先生御案内かどうかわかりませんが、小選挙区制の導入という政治改革法案には、基本的に反対の立場でございました。理由は極めて簡単なのでございます。我々は、自由な社会をつくろうとして今日まで努力してきた。自由な社会をつくろうとしているのに、小選挙区制というのはどう考えても、政治的な価値観だけは二つとか三つに収れんしようという、これはどうしても私は理屈論でわからないという青臭い議論をしたのでございますが、一たんこういう制度が決まりまして、そして私は、自由民主党が一番この制度の中で苦労したと思うのでございます。
私はよく言うのでございますが、中選挙区制という中で、本当に中選挙区制の戦いをやってきた政党というのは自由民主党だけだったのじゃないだろうか。かつて社会党がごく限られた選挙区で一選挙区二人立てたとかというのがあったようでございますが、中選挙区の中選挙区たるゆえんは、一つの選挙区に複数人、党の公認候補が出るということでございます。それが今度は、一選挙区で一人というのは、よく私は演説でも言ったのですが、相撲取りに今度はプロレスをやれという話なのじゃないだろうかと。自由民主党は文字どおり相撲取りからプロレスラーにならなければならなかった。そこで自分の体質を変えなければならなかったわけでございます。そういうことで反対した人もいるかもわかりません。
ただ、いずれにいたしましても、今回できた制度を、私自身、党の総務局長という立場で実際やってみて、今の制度は今の制度なりに、いい悪いは別として、私は、一つの完結された物の考え方に立っているというのが、何も自治大臣になってからでなくて、党の総務局長のときにそう感じました。