佐藤英彦の発言 (地方行政委員会)
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○佐藤(英)政府委員 まず最初に検挙状況の方から申し上げてみたいと思いますけれども、本年の五月末日現在で、暴力団関係者によります不良債権回収に絡む違反行為として検挙いたしましたものは三十件でございます。これは、昨年、平成八年一年間で五十五件でございました。また、平成五年から七年までの三カ年間で三十四件でございました。したがいまして、昨年から今年にかけてこの検挙が急増しているというぐあいに申し上げてよろしいかと思います。そして、ことし検挙いたしましたこの三十件のすべてが債権の回収過程における違反行為でありました。
こういう検挙状況の実態にかんがみますと、私どもの現状認識はどういうものかということでございますけれども、暴力団はやはり資金を求めてここに介入いたしておりますので、最も金になる部分に入ってきているわけですが、その第一は競売の妨害であります。
これは、競売物件に家を建てるあるいは自分が入り込む等によって占拠をいたしまして、それを立ち退くというために金を要求する。あるいは、暴力団関係者がかかわっているということを、組の名前を表示する等によって競売が行われないように妨害をし、債務者の利益のための行為をとる、それによりまして債務者から金を取る。あるいは、裁判所の執行官に対しまして虚偽の賃借権が設定されている旨を申告をいたしまして、競売させないようにしているというようなものもございます。
二つ目は、その余の不正収益の上げ方でありますけれども、これは正規に彼らが占拠といいますか入っているという場合でありますけれども、高額の立ち退き料を要求しているというものもありますし、廉価で競落をいたしまして、それを高額で転売する、そういう方途を見つけているものもあります。
さらに、今御指摘にございましたような第三の類型がございまして、これは任意売却でございますけれども、債権者である金融機関が回収ができない、困窮しているという状況に介入をいたしまして、少しでも売れればいい、そういう見込みというものを立てさせまして、そこで差益を得る方法を選んでおります。そこに入っているのが、いわゆる損切り屋という企業舎弟たちのようでございます。
こういうようなもののほかに、さらには、倒産整理と称しまして債務者に接近をいたしまして、その倒産会社の実質的な経営権を握りまして、その会社を新たな事業主体として自己が使っていくというものもございます。
こういうような現状にかんがみますと、私どもは、金融機関に対しまして、毅然とした対応をまずとるという姿勢というものを確立してほしい、それから、何かそういう事案がございましたら早期に警察に届けてほしいということを強く求めてまいりましたし、今後ともそのようにしてまいりたいというように思います。
それから、大蔵省初め、金融機関を監督する関係機関、これとの連携を強めまして、違法な行為というものを私どもの取り締まりによって防圧する、そういうことを行政機関の協力によってなし遂げてまいりたいというぐあいに考えているところでございます。