1997-04-08
衆議院
西村眞悟
日米安全保障条約の実施に伴う土地使用等に関する特別委員会
西村眞悟の発言 (日米安全保障条約の実施に伴う土地使用等に関する特別委員会)
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○西村(眞)委員 この問題に深入りはいたしません。総理もおわかりになっていただいていることと思います。微温的な、ぬるま湯の中で来た時代は既に終わりました。国家のために決断しなければならないその時期を我が国は迎えております。
したがって、首班指名のときの党派の問題は、本委員会で取り上げるべき問題ではございません。本委員会では、国家存立の基本問題であるか否か、この一点で各委員が決断し、各政党が決断して、我が新進党はこれを通さねばならないと決断したのでございます。したがって、御党の幹部が、この委員会が国家存立の問題として開かれているときに、党派の問題をマスコミで余り語っていただくのはこの委員会に対して失礼だと私はそう思う。したがって、この問題を冒頭に質問させていただきました。
党派の問題ではありません。したがって、いやしくもこの委員会が開催されているときに、本問題においての、党派をいろいろ、何ですか、新保守ですか、保保ですか、そういうことを党の幹部がマスコミに、あたかも党派の問題で我が新進党がこの問題に賛成しているとか、ほかの党が反対しているとか、こういうふうな論評を加えていただくのはいささか失礼であると私は感じておりますので、申し上げました。深入りはいたしません。
それで、本問題、この問題は、ある意味じゃ沖縄を中心とした日本の各地の基地に対して、その住民に負担を受忍してもらわねばならない問題です。なぜなら、この問題は日本国家存立にかかわる問題だからでございます。
平時にこの問題を負担していただくという根拠は、有事においてこの日米安保体制がなければ我が国の存立が危ういということでございますから、この問題を内閣が御提出していただく前提には、有事において日米安保条約が機能するのか、この大前提があるわけです。有事において仮に機能しないならば、この問題を提出された内閣はいささか不誠実であろう。なぜなら、有事に対して機能しない問題に対して、平時においてなぜ国民に負担を要求できるのかという問題があるからでございます。
そこで、この点から二点質問をさせていただきたいと思います。
つまり、尖閣諸島に対して、日米安保条約五条、この日米安保条約五条は、「日本国の施政の下にある領域」、これに尖閣諸島が入るのか否かについて極めてあいまいでございます。尖閣諸島は沖縄県でございます。沖縄県に基地の負担を要請するのが国家の役目とするならば、そこにいるアメリカ軍が、沖縄県の一部である尖閣諸島の防衛に関し関知しない。日米安保条約第五条の日本国の施政下にある領域に含まれるのか含まれないのか。関知しないということは、本問題を提出する内閣の正当性を左右する重大問題だ。この問題で安保条約が空洞化しているならば、私どもは、沖縄県民に対して、また日本国民に対して基地の負担の受忍を要請することはできない、このように思うわけでございますから、重要問題だと私は思いますから、質問させていただきます。
アメリカは、沖縄の施政権を持っておるときには尖閣を射爆場として使っておりました。古賀さんというその土地所有者、尖閣の土地所有者に対して年間百万円ほどの土地使用料を支払いながら射爆場として利用しておりました。
沖縄返還協定におきまして、明確に尖閣諸島は日本の領土として返還されております。強いアメリカが日本に返還した直後に、中国が、尖閣諸島は中国固有の明代からの領土であるという主張をいたしました。思い余った我が国は、ハーグ国際裁判所に提訴して、アメリカに返還者としての証言を求めましたが、アメリカは、紛争当事国の問題であって我が国関与せずという回答をしまして、非協力の回答をいたしてまいりました。
昨年、平成八年九月、二度にわたって中国の海洋調査船が尖閣列島周辺の我が国領海内で海洋調査を実施いたしました。ちょうどその直後、九月十六日、ニューヨーク・タイムズで、モンデール大使が、米軍は、島、尖閣諸島をめぐる紛争に介入することを条約によって強制されるものではないと発言したと報じました。十月四日、バーンズ報道官が、条約によるアメリカの責務は明らかだが、尖閣諸島の紛争にリンクさせない、このように発言しました。十月十五日、ウィンストン・ロード米国務次官補が、尖閣に日米安保が適用されるか否か、仮定の状況に言及しない、このように発言したのでございます。
モンデール発言は新聞報道される以前に発言されたものだと聞いておりますが、このモンデール発言をきっかけにして、私が今御紹介したウィンストン・ロード国務次官補の発言まで、アメリカからは公式に明確にモンデール発言を否定している発言は出ておりません。アメリカは、一貫して、安保条約五条の日本国の施政下にある領域に尖閣諸島が入るか否かについて明確に言及を避けているというのが、私の調べた限りでの結論でございます。
日米安全保障条約に基づく昨年の四月十七日の総理とクリントン大統領の共同宣言、その六項に「総理大臣と大統領は、日米安保体制の中核的要素である米軍の円滑な日本駐留にとり、広範な日本国民の支持と理解が不可欠であることを認識した。両首脳は、両国政府が、米軍の存在と地位に関連する諸問題に対応するためあらゆる努力を行うことで意見が一致した。」このように宣言されているわけです。
この宣言に基づくならば、この宣言直後に発せられたモンデール大使並びにその以下のアメリカ高官の公式の発言は、この宣言による、日本国民の支持と理解が米軍の基地の存立にとって不可欠であるから、そのための「あらゆる努力を行う」に明確に反したことでございます。
また、日本国政府も、このようにモンデール大使が発言する以上、それを明確に否定する公式発言を要請するという努力が、この基地を我が国国民に受忍さすためのあらゆる努力になると私は思うんですが、この件に関して、モンデール発言に対して、総理は、何かアメリカに抗議されたなり、アメリカは、私、質問者西村が認識していないけれども、公式に尖閣は日米安保五条の範囲に含まれるんだという発言があるということを御存じなら、ここで御答弁いただきたい。