中川秀直の発言 (予算委員会)

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○中川(秀)委員 これもまことに恐縮ですが、ある雑誌から出ていた表を借りてきたものでありますが、「二十一世紀の日本がとりうる選択肢」ということで、ここに四つの道が書いてございます。
 福祉削減の道、これは高齢者切り捨て、こういうことでは不安が増幅いたします。大増税への道、国民負担率が、総理もよくおっしゃっていますが、五割以下でなければいかぬのだ、これが六〇%にいくようになったら活力が低下する。今のように、財政赤字が国、地方を合わせて四百数十兆、一時間当たりの利息が十三億円などという、こういった借金財政をそのままにいたしますと、まさにGDPの一・三倍ぐらいの借金にどんどんなっていく。これは国家破産につながります。唯一残された道がこちらの活力上昇の道、まさに構造改革、こういった橋本内閣の掲げる六つの改革、唯一この道しかないということだと思います。
 実は、こういうことをやっていくのは、総理も再々おっしゃっておられますけれども、本当に自己責任、そして国をつくるのは国民お互いみんなである、その中にはある意味では痛みも伴う、こういうことをやはり率直、大胆に、明確にお互いに確認をしていかなければいけないのだろうと思います。
 ちょうど総理の施政方針のときに、総理も触れられましたが、アメリカではクリントン大統領が就任演説をなさいました。若干、そのくだりを少しだけ御紹介しますと、新しい政府の使命とは、全国民によりよい生活を築く機会、チャンスを与えることであって、それを保障することではない。そこから先は我々次第だ。建国の父たちは、自由と統合は国民自身の責任だと説いて、政府だけでは達成できるものではないのだということを語りました。そして、一人一人、国民がそれぞれ、自分や家族のためだけではなくて、隣人や米国のために責任を果たさなければならぬということがさわりだったと存じます。
 総理の施政方針演説でも、個人にあっては、逆境にあっても失敗をしても、立ち上がる不屈の精神が求められる。真に手を差し伸べる方々には必要な手だてを講じる。しかし、痛みを恐れて改革の歩みを緩めたり、先延ばしすることは許されない。今を生きる我々は、よい社会を実現して、次の世代にこれを引き継ぐ責任がある。こういう施政方針演説の結びになっておられる。
 私は、本当にいい演説だった、かように思う次第でございますが、ともかく、そういうことについて、これから行政改革初め六つの改革を断行するためには、これが元気ある日本をつくるための停滞脱出の唯一の道だ。国民にいろいろな御負担や犠牲もおかけするかもしれない。しかし、それがいいとは思わないけれども、そのかわり、それによって初めて我々の二十一世紀というものは明るい希望に満ちたものが築けるのだ。ともかく中央省庁あるいは官と民のあり方すべてを変えていく。できない場合は自分が全責任を負う。こういったようなことで、率直、謙虚、大胆に、総理、国の指導者でありますから、事あるごとに呼びかけていただきたい、語りかけていただきたいと存じます。
 私は、これはお尋ねなんですが、こういう改革にはやはり総理大臣のリーダーシップ、官邸機能の強化というのは不可欠だと存じますが、内閣法六条では、「内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する。」と書いてあるわけでございます。私は、この施政方針演説、この通常国会の冒頭で行われた総理の施政方針演説は、全閣僚が出席した閣議で決めた、同意を得た方針であります。したがって、この内閣法六条に言う「閣議にかけて決定した方針」というものに当たる、こう理解すべきだ、こう思います。時間がありませんから法制局長官の見解は求めませんが、だれが考えたって、閣議でみんなで集まって決めた施政方針演説ですから、閣議にかけた方針と言って差し支えない。これが違うというようだったら日本語じゃないと思います。
 さてそこで、私は、総理にこの施政方針演説に基づいて、困難な局面、いろいろあるかもしれないけれども、その場合は、もう本当に首相自身が決断、裁断をされ、そして各閣僚も皆これに従って連帯してこの改革をなし遂げていくべきだ、このように思う次第ですが、総理、いかがでしょう。

発言情報

speech_id: 114005261X00619970204_004

発言者: 中川秀直

speaker_id: 765

日付: 1997-02-04

院: 衆議院

会議名: 予算委員会