中川秀直の発言 (予算委員会)
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○中川(秀)委員 これは、私は国民の皆様にお願いでもあるわけですが、この前の選挙の投票率、五九・六五%ですか、まあ白け気分というのもあったと思うんです。結局本質的な改革は、政治家はああ言っているけれども実行はされないんではないか、こんな御気分も中にはあったかもしれない。あるいはまた、しばらくはこのままでいい、もうバブルだとか高度経済成長は求めないから、しかし厳しい競争は避けたい、そんな御気分もあったかもしれない。でも、先ほど申し上げましたとおり、この二十一世紀、目前に迫った新しい世紀は、この構造改革の道しかお互いの将来はない、愛する子供や孫たちの将来もないわけであります。
その意味で、やっぱり変革に対するためらいとかあるいはまた引き延ばしというものは、かえって悪い循環というか、悪循環に陥ってしまう。どうせ変わりはしないという不信感や不安感、あるいは無関心、それ自体がこの改革を不成功に終わらせてしまう、熱気を冷ましてしまう、こういうおそれが十二分にあると思います。先ほどの繰り返しになりますけれども、本当に上向き循環に持っていくためには、お互い一人一人がそういう状況を変えていく努力をする、そういう力を持つ、つけるということが何よりも大事なんだろうと思います。
総理の施政方針演説にはいろんなことが書いてございますけれども、簡単に言えば、一切の聖域を設けず、行政のあり方も見直し、また補助金等の整理合理化も、あるいは一段の歳出の改革と縮減もやる、財投もいろいろな観点から見直す、こう全部書いてある。これは、本当に国民みんながそういう気持ちになって支える、これは何も橋本内閣を支えるんじゃなくて、お互いの日本を支える、こういうことで、重要なことだと思いますし、総理もただいまの御決意のとおり、何の遠慮もなくひとつ先頭に立ってやっていただきたい、かように思う次第であります。
さて、演説ばかりして恐縮でしたが、財政構造改革元年予算、これについて若干お尋ねをいたします。
私は、この平成九年度予算は、消費税の引き上げとか特別減税の廃止とか、あるいは医療保険改革ほか、景気にもマイナスだと言われるような御指摘もいただいた、そういう改革案も含んでおります。改革元年予算と名づけたことについては、若干歳出面でまだまだ切り込み不足ではないか、こういう御批判もございますが、少なくとも改革の第一歩、あるいはまた種火、あるいは準備段階、こういう予算ではある、このように思います。
ちょっとこのボードで簡単に御説明もしながらお尋ねしたいと思いますが、確かに消費税引き上げ、五兆円国の税収が上がります。また、特別減税の廃止で二兆円ございます。それ以外に、社会保険、医療改革で二兆円。九兆円と言われていますが、この医療保険の改革の方は、一兆円になんなんとしている政府管掌保険の赤字解消ということでございますから国の収入ということではない、お互いの健康保険を守るためのそういった改革であります。まあ、簡単に言えば七兆円ということでありましょう。
しかし、これに対して、いわゆる益税の解消を含めた中小特例の是正ということでまた増収が四千億ばかりございますが、案外議論されていないのは、消費税の場合は四月と十一月納付が一般的ですね。決算期の関係その他、あと三カ月ごとにもございますが、大体の企業、中小企業その他は四月、十一月です。四月分の消費税というのは、まだ消費税上がったばかりでありますから、結果的には二%増の税収にはなりません。いわゆる初年度効果というので一兆九千億円は入らないわけですね。この五兆円ということは成らないわけです。一兆九千億円は入らないわけですね、これは国、地方合わせた初年度効果でありますが。そうすると、差し引き五兆五千億円ぐらい、こういうことになります。
それから、消費税の負担、社会福祉増。国や地方自治体も、この消費税の引き上げあるいは特別減税の廃止に伴います公共事業の資材費とかあるいは事務費、用品費とか、みんな消費税払ってまいりますから、その負担が約九千億円ぐらい国の方から出てまいります。
そういうものを差し引いてまいりますと、まあ、七兆円といっても四兆六千億円程度、うち国が二兆七千億、地方が一兆九千億、これは地方交付税三二%行った分も含めてそんなことでございましょう。
これに対して、ことしの国債減額、借金の減額幅は、国、地方合わせて七兆一千億円。国が四兆三千億円、地方が二兆七千五百億円ということで、倍まではまいりませんけれども、八割増ぐらいの、四兆六千億に対して七兆一千億、それだけ公債を減額した、こういうことになっているわけであります。
私は、そういう意味でもう一点だけ申し上げたいと思いましたことは、この財政赤字の削減でございますけれども、昨年は二十一兆円の公債を発行いたしました。ことしは十六兆七千億円の公債発行額でございます。特例公債が、昨年は十二兆円。ことしは、この赤いところですが、七兆五千億円。建設公債は九兆円ですが、ことしは二千億少し増加しておりますが、特例公債を大幅に五兆円近く減らしたわけでありますから、合計、そういうことでこの国債発行額も大幅に減らしておるわけでございます。そして、公債依存度も、二八%が平成八年度、今年度でありますが、明年度、平成九年度は二一・六%と六・四%も下げる、こういうことに相なったわけです。
何を申し上げたいかというと、この表で、この平成九年度の国債費、いわゆる借金の元本とそれから利息代、この借金返しのための財源、国債費と言っておりますが、これがこの平成九年度では新規発行の借金の十六兆七千億円よりも一千億円上回って十六兆八千億円になった。これは数年ぶりのことだと思いますけれども。いわゆるプライマリーバランスと言っておりますが、これは国債費、いわゆる国の過去の借金の元利返済分、これを除く実支出、それを税収の範囲内に抑える。これをプライマリーバランスと言うのだそうですが、逆に言うと、元利返済額が新たな借金額を上回るということですが、これが初めて達成された。プライマリーバランスのプライマリーというのは第一歩であります。そういう意味で私は、この平成九年度予算は財政構造改革第一歩予算である、こう言って差し支えないのではないか、このように思う次第でございます。
その中には、そうではございましても、いろいろなまだ平成九年度でこれからやっていこうとする財政再建目標、昨年十二月に閣議決定した赤字国債ゼロ、国の借金をGDPの三%以内に抑えるという目標を達成していくことは確かに容易なことではありません。いろいろ国だけで財政を健全化するなら、毎年四兆円、政策的経費の一般歳出で一〇%近い削減が必要だということも言われております。
政府は、七月にはシーリングを見直して、また財政再建法を成立させ、個別の歳出にも上限をつけて、段階的、計画的に支出の削減をしていくというふうに理解をしております。要は、財政構造改革本格予算編成の開始をあと半年だけ待ってくれ、こういうことにもとれるわけですが、シーリングに関しては総理も、従来どおりのものでは済まない、こう答弁をされましたが、それは、このような財政再建の見地から抜本的に改革するんだ、こういう御決意である、こう承ってよろしいでしょうか。