中川秀直の発言 (予算委員会)
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○中川(秀)委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております平成九年度予算三案に対し、賛成の討論を行うものであります。
我が国財政は、平成九年度末の公債残高が約二百五十四兆円に達する見込みであるなど、引き続き危機的な状況にあり、主要先進国中でも最悪の状況となっております。今後の少子・高齢化の一層の進展を踏まえれば、我が国経済社会の活力を維持し、将来世代に過度の負担を残すことのないようにするため、財政構造改革に取り組むことは喫緊の課題であります。
平成九年度予算三案は、このように危機的な我が国の財政状況に的確に対応し、財政構造改革元年の予算にふさわしいものになっていることを高く評価することができるものであります。
以下、本予算案に賛成する主な理由を順次申し述べます。
賛成の理由の第一は、ただいま申し上げましたように、平成九年度予算三案が、財政構造改革の第一歩を踏み出したものと評価されることであります。
一般会計予算においては、危機的な我が国の財政事情を踏まえ、医療保険制度改革を初めとする各般の制度改革の実現に努めた結果、一般歳出の伸び率は一・五%と、平成元年度以降最も低い伸びとなっております。この一・五%という伸び率は、平成九年度の消費者物価上昇率見通し一・六%を下回っていることから、実質伸びゼロ予算と言えるものであります。
また、平成九年度予算三案では、このような歳出抑制を初め歳出、歳入両面における努力の結果、四・三兆円の公債減額を実現し、財政健全化目標に向けた初年度として、国債費を除く歳出を租税収入等で賄える範囲にとどめ、大方の予想より早くプライマリーバランスを達成しております。
この点からも本予算案は財政構造改革の第一歩を着実に踏み出したものでありますが、しかし、依然として我が国の極めて厳しい財政状況は続いており、平成九年度を初年度にして、今後ともあらゆる経費について聖域を設けることなく、さらに強力に財政構造改革を推進していくことが必要不可欠であると考えます。
賛成の理由の第二は、厳しい歳出削減に取り組む一方、社会経済情勢の変化に即応した真に必要な財政需要に対しては、財源の重点的、効率的配分を行っていることであります。
具体的には、まず、二十一世紀に向けた新規産業の創出等につながる創造的、基礎的研究の推進、学術研究基盤の整備のために重点的な投資を実施することとしており、科学技術振興費については、対前年度比一一・九%の伸びとしております。
また、公共事業関係費については、七年ぶりに前年度当初予算と実質的に同水準にとどめており、その配分に当たりましては、国民生活の質の向上に直結する分野や次世代の発展基盤の整備等、経済構造改革に資する分野等への重点化を図ることといたしております。
社会保障につきましては、医療保険制度改革を行うほか、新ゴールドプラン、障害者プラン及び緊急保育対策等を着実に推進することとしております。
次に、防衛関係費につきましては、引き続き危機的な状況にある財政事情等を踏まえ、効率的で節度のある防衛力の整備を図ることとしており、また、一般会計政府開発援助予算につきましても、援助の量から質への転換を図ることとしております。
このほか、中小企業対策費や農林水産関係予算につきましても、施策の重点的、効率的な展開を図ることとしております。
これらはいずれも、厳しい財政事情のもと、財政資金の重点的、効率的配分を行ったものであり、極めて適切な措置であると考えられます。
賛成の理由の第三は、社会経済情勢の変化に即応して簡素にして効率的な行政の実現を目指し、行政の制度、運営について不断のかつ徹底した見直しを行おうとしていることであります。
国家公務員の定員につきましては、増員を一層厳しく抑制することとしております。また、特殊法人の統廃合を進めることとしているほか、補助金等についてもその整理合理化を積極的に推進しようとしております。
以上のとおり、今回の予算は、危機的な財政状況のもとで歳出を抑制し、財政資金を重点的、効率的に配分するとともに、財政健全化に向けて第一歩を踏み出した当面最善の予算であると確信をいたします。
我が党は、この予算を一日も早く成立をさせて諸課題への適切な対応を図りつつ、我が国の発展のために、痛みを乗り越えながら抜本的な諸改革を強力に推進していく決意であります。
政府におかれましても、本予算成立の後は、厳しい節減執行に努めつつ、諸施策を速やかにかつ着実に実施するとともに、今進めようとしている諸改革こそが真に我が国の経済や福祉を守る道であるとの確信を持って、立ちすくむことなく邁進されますよう強く要望をいたします。
なお、新進党及び太陽党共同提出の撤回のうえ編成替えを求めるの動議、民主党提出の撤回のうえ編成替えを求めるの動議並びに日本共産党提出の撤回のうえ編成替えを求めるの動議につきましては、いずれも見解を異にするものであり、反対の意思を表明することとし、私の討論を終わります。(拍手)