鈴木良男の発言 (運輸委員会)

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○参考人(鈴木良男君) 国鉄の再建といいますか、いわゆる衣がえといいますか、この問題というのは昭和五十七年の七月に出しました臨調答申というのに端を発しておるわけでございまして、私はそのときに事務局調査員として現実に案を書いた一人でございます。要するに、あの当時としては、一つは経営者が全く経営責任を自覚していない、これが一つ。それから、労働側はまことに職務規律紊乱も甚たしかった。それともう一つ挙げたのが、いわゆる政治及び国民による過大な期待、こういうものの中で国鉄というのは崩壊に陥っていったという分析をしてあのような案を書いたわけでございます。
 その中に書いてありますのは、要するに分割の会社、すなわちJRが最大限の経営努力をする、そしてそれを前提として、それでもどうしても足らないものに対しては国が責任を持つということを明確に書いた。国鉄再建監理委員会というのはそれを受けて、そういう表現をし、それが閣議決定になっていったわけでございます。
 そういう問題から考えまして、いわゆる国鉄、私どもはこれを国鉄と表現し、その後清算事業団というふうに言いましたが、同じことですが、これは国鉄はその時代においてもう既に脳死状態になったわけなんです。そして、そのまま脳死状態を今日までやってきた。それはさっき政府が関与したからというふうにおっしゃいましたが、しかし脳死状態になった国鉄、そしてそこからある魂が抜け出して新生JRというのが出ていったわけです。大変な苦労をしながら出ていった、こういう形なんです。その脳死状態になった国鉄に対して政府が余りにも関与しなさ過ぎた。それが毎年一兆円の利子を生む、十年たてば十兆円になるということはわかり切っておりながら、その利子にほおかむりをした、これが問題であったわけですね。
 そして、もったいない、もうほとんど売ってしまいましたが、土地だとか株式を売っても、それでも八兆円ぐらいのもの、つまり利子も払えないような処理をなぜやってきたのだと。だから、今日まで、今この問題がここでこうやって議論されているのは、ちょうど十年目になったから解決しなければいけないというのでやっと腰が上がったんですけれども、どうして放置してきたのか、わかり切ったことじゃないか、それは国鉄の歩んだ道じゃないか、こういうことだと思います。
 JR三社に対しては角本参考人がこいつも危ないぞという警告を発しておられるのは、これはJR三社も要するに拳々服膺、聞くべきだと思いますが、私はJR三社は脳死はしていない。そういうように脳死をさせないためにも政府は今後とも関与してはならない。関与してはならないものの最大のものは何かといったら、今回のようにJR各社に負担を持たせようというがごときものは、これは昔のたかり、たかりと言っては言葉は悪いですけれども、国民と政治の過大な期待、これは地方交通線の問題であり、そういうもろもろの問題です。青函もそうです。そういう事柄は断じてやってはいけない、それは二の舞だ、こういうことを申し上げたいと思います。

発言情報

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発言者: 鈴木良男

speaker_id: 32293

日付: 1997-05-29

院: 参議院

会議名: 運輸委員会