橋本龍太郎の発言 (環境特別委員会)

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○国務大臣(橋本龍太郎君) 環境庁は、本年創立たしか二十六周年を迎えることになると思います。その創設にかかわりました一人として、今反省を持ちながら御質問を伺っておりました。
 と申しますのは、環境庁を創設いたします当時、これは私ばかりではありませんけれども、公害というアブノーマルな現象に対して戦うその組織、言いかえればそれがノーマルな状態に戻れば元の行政組織に戻してもいいのではないか、ある意味ではそういった思いが環境庁創設の時点における論議の中にあったことを私は今振り返っております。そして、そうした中でスタートをいたしました環境庁は、努力を進め、公害問題を解決すればするほど、逆に国民から見ると存在の軽い役所になるという大変不幸な運命をたどっておりました。
 今回御審議をいただいておりますアセスメント法にいたしましても、前衆議院副議長の鯨岡兵輔大臣のとき、むしろ職を賭すぐらいの説得力をもって党を説得し産業界を説得し、一度は国会の提案にこぎつけながら遂に成立の機会を持つことのできなかった法律案であります。
 しかし、環境庁が創設二十周年を迎えましたとき、環境庁の若い諸君が中心になり、外部の方々の意見も伺いながら、二十年前の公害そしてそれに対する投資というものは一体何だったのかという非常によい分析をいたしました。そして、当時環境行政に非常に批判的でおられた学者の方々に対してもその資料をお送りし、それに対する見解をいただき、ある意味ではこれは環境庁のその後を決める非常に大事な文書になったと思っておりますが、国の施策というものがタイミングよく行われ誘導された場合、産業界もまた環境という問題を無視して行動できない、そしてそれは非生産的な投資であるにかかわらず国民経済の上でプラスに転じる効果すらある、こうした非常に見事な分析でありました。
 そしてその後、我々は残念ながら野党のときでありましたが、賛成をさせていただいた環境基本法の制定を初め、地球環境に対する取り組みのためのセクションが不十分とはいえ環境庁の中に置かれるなど、いわばアブノーマルに対する行政という姿から環境庁は今変わりつつあり、同時に、かつて環境庁に与えられておりました期待を国民の中から取り戻しつつあります。しかし、環境庁の力がその国民の期待に一〇〇%こたえるには、残念ながらまだ問題を持っておることもこれは否定ができません。そして現在、一方で行政改革を進めていき、中央省庁の統廃合を全体的な見地から考えている、我々はそのさなかでありますし、その座長役としての立場からいたしますと、環境庁の意見、これがいい悪い、あるいはここに抜けている点があるという批判を私の立場でここで申し上げることはできません。
 しかし、いずれにいたしましても、環境という視点を持たない行政組織を二十一世紀に向けてつくることはあり得ない、いかなる形であれ環境という問題を無視した行政はあり得ないということだけは、私は真剣に考えております。

発言情報

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発言者: 橋本龍太郎

speaker_id: 24487

日付: 1997-06-06

院: 参議院

会議名: 環境特別委員会