和田洋子の発言 (厚生委員会)

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○和田洋子君 先般行われました委員派遣・長野班の概要を御報告いたします。
 長野班は、去る九月三日、四日の両日、医療保険及び介護問題等に関する実情調査を目的として、山本委員長、塩崎委員、中島委員、中原委員、南野委員、山本委員、今井委員、西山委員、北澤委員及び私、和田の計十名により構成し、長野県における実情を調査してまいりました。
 以下、その概要を御報告申し上げます。
 まず、三日、池田副知事を初め県庁の担当者より、同県における高齢化等の状況及び厚生関係施策の概要等について説明を聴取いたしました。
 同県の高齢化率は、平成八年には一九・五%と全国第九位であり、三〇%以上に達した町村は二十五に上る一方へ一人当たりの老人医療費は全国で最も低いものとなっております。こうした状況のもと、平成五年度から十一年度にかけて「さわやか信州高齢者プラン」を推進中であり、在宅サービス、施設サービスとも着実な進捗を図っているとのことであります。
 派遣委員との意見交換においては、介護保険制度に対する市町村の要望、懸念等を紹介してほしいとの問いに対し、県より、経済的理由でサービスを利用できない人が出ないようサービス利用料の減免を図られたい、要介護認定などの専門的な事務は市町村単独でなく共同実施が望ましい、小規模市町村では在宅サービスを行う人材確保が困難であるなどの声が市町村から出ていることが紹介されました。
 次に、介護問題等に関して、同県在住の八名の関係者の方々から実情や御意見を伺いました。
 御意見の主なものを紹介いたしますと、宮坂博敏・更埴市長より、介護保険導入に際して準備段階から必要となる経費や事務負担に対し国の支援を願いたい、第一号保険料の市町村による直接徴収は実際には容易でないなど。
 近藤和夫・南信濃村長より、高齢化、過疎化が進む小規模自治体における財源や専門スタッフの確保に対し国の支援を願いたい、保険料未納者へのサービス給付の切り下げは実際には困難ではないかなど。
 森達夫・長野県医師会長より、現物給付・現金給付の選択制の導入を検討してはどうか、社会的入院という現象は言われているほど多くはないなど。
 中澤由紀雄・特別養護老人ホーム小布施荘施設長より、本人一部負担にたえられない低所得高齢者への配慮が必要である、地域の実情に応じた保険給付額を設定してほしいなど。
 今村洋子・飯伊老人訪問看護ステーション管理者より、介護サービスの質の向上のため苦情処理機関を設ける必要がある、要介護認定機関やケアプラン作成機関への訪問看護職の参加を図ってほしいなど。
 上村富江・長野県介護福祉士会会長より、ホームヘルパーの専門性を評価し、男性もヘルパーとして就労可能な待遇を施すべきである、ホームヘルプ事業の補助方式が出来高払い方式に変更されたが、移動時間が考慮されないのは問題であるなど。
 高山昭・JA長野中央会専務理事より、過疎地域のサービス基盤整備に特段の対策を求めたい、JAグループをケアプラン作成やサービス提供機関として明確に位置づけるとともに介護保険事業計画等の策定にも参画させてほしいなど。
 松井フミ子・呆け老人を抱える家族の会・長野県支部代表より、ショートステイ等の利用手続の簡略化や俳回老人に対応できるヘルパーの確保など、痴呆性老人や家族の状況に柔軟に対応できる各種施策を充実させてほしい、介護認定審査会委員に介護の経験者を加えてほしいなどの意見がそれぞれ述べられました。
 続いて、派遣委員と意見陳述者との間で行われた意見交換の主な内容を御紹介しますと、現金給付の是非については、意見陳述者より、自立に向けた介護を阻害するおそれがある、あるいは献身的な家族介護を行っている家庭もある一方で、問題ある家族の事例もあり、一概に結論づけることは難しい旨。
 いわゆるバウチャー方式については、バウチャーをどのような人にどれだけ発行するのが適当かが問題となる、あるいはバウチャー方式が可能になるだけのサービス基盤が整備されることが前提である旨。
 二十四時間ホームヘルプサービスの課題については、すぐれた介護用品、介護機器の導入が図られれば労力は大幅に節約される、あるいは深夜の介護の必要性を軽減するためにも日中の介護をきちんと行うことが必要である旨。
 介護保険導入の際にサービス需要が急増する可能性については、本人一部負担がある以上、極端な需要増は考えにくい旨の意見がそれぞれ述べられました。
 このほか、措置制度から保険制度に移行した場合の施設経営に及ぼす影響、介護サービスヘの企業の参入の是非、特養等の施設の効率的な利用のあり方等について意見が交わされました。
 翌四日は、まず、北御牧村の社会福祉法人みまき福祉会の設置するケアポートみまきを訪ねました。同施設は地域の保健、医療、さらに高齢者福祉を総合的に提供しようとの理念のもと、在宅介護支援センターを併設した総合相談窓口、診療所、特別養護老人ホーム、温泉を利用した健康増進施設を整備しております。村の行政と一体となって地域住民への各種サービスの提供に努めるほか、特養では全室個室を採用するなどの先進的な取り組みがなされており、今後の高齢者福祉施設のモデルとして期待されるものでありました。
 次に、臼田町の長野県厚生農業協同組合連合会佐久総合病院を訪ねました。同病院は、「農民とともに」、「地域住民とともに」の精神で、長年にわたり、地域と一体になった病院づくりを実践しており、その地域ケア活動への取り組みは高く評価されているところであります。特に併設の老人保健施設は昭和六十二年、全国に先駆けて設置されたもので、在宅ケア支援を基本理念としながら、地域に根差したケア施設として積極的な活動を展開していることに感銘を受けた次第です。以上が調査の概要でありますが、今回の調査に当たりまして特段の御配慮をいただきました長野県庁及び訪問先の関係者の方々に心からお礼を申し上げます。私どもとしては、調査の成果を今後の委員会審議に十分に反映させていきたいと思うものであります。
 なお、県の概況説明に際し、当委員会に対して「社会福祉施設等の整備について」など五項目にわたる要望がありましたので、これを本日の会議録の末尾に掲載していただきますようお願いを申し上げます。
 以上、御報告いたします。

発言情報

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発言者: 和田洋子

speaker_id: 7324

日付: 1997-09-18

院: 参議院

会議名: 厚生委員会