木暮山人の発言 (厚生委員会)

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○木暮山人君 委員派遣・秋田班の概要を御報告いたします。
 秋田班は、去る八月二十七、二十八日の両日、医療保険及び介護問題等に関する実情調査を目的といたしまして、佐藤前理事、宮崎委員、田浦委員、渡辺委員、清水委員及び私、木暮の六名に上り構成し、秋田県における実情を調査してまいりました。
 県の概況説明を聴取するとともに、医療関係として秋田県厚生農業協同組合連合会由利組合総合病院、福祉関係として秋田県南部老人福祉総合エリアを訪問いたしました。このほか特に、高齢者介護に関しまして、同県において高齢者介護に携わっている八名の方々より意見を聴取し、意見交換を行いました。
 以下、その概要を日程に従って御報告いたします。
 まず、秋田県の概要でありますが、同県は、平成七年において人口百二十一万人、高齢化率は一九・六%で全国第五位、県内六十九市町村のうち高齢化率二〇%を超える市町村が五十八、うち一町村が三〇%を超えております。一人当たり県津所得は平成七年度で二百六十万六千円となって治ります。平成九年度の保健福祉部の施策は、「みんなで支え合う思いやりに満ちた社会の形成」等六本の柱を掲げ、「高齢者在宅ケアシステム推進事業」等の事業を推進しております。生活環境部におきましては、「快適な環境の保全と創造」の梓のもとに、居住環境の整備と環境衛生の向上に努めております。
 概要説明の後、委員より、在宅ケア推進事業、介護における市民参加の位置づけ等について質問があり、これに対し県より、在宅ケアは県単独事業である、介護ではボランティアとの連携が重要であり、七つの団体と連携を図りながら研修会序開催し、意識を高めている旨の答弁がありました。
 次に、介護問題等に関しまして関係者から御意見を聴取いたしました。
 まず、二坂信邦・湯沢市長より、介護保険制度導入では、市町村の財政力が乏しくそれぞれの財政力に応じた調整をしてほしい、六十五歳以上の老人は税、医療保険料、介護保険料の三重の負担となる、家族介護への現金支給は家族の介護を認める意味でも支給すべきではないか、秋田県のような積雪地帯及び離島など地域の実態に合った制度を考えてほしい旨。
 次に、岩川徹・鷹巣町長より、老後の不安は社会全体の問題である、公的責任によって進める必要があり介護保険制度は基本的に賛成である、介護保険導入に向けて福祉の基盤整備に配慮してほしい旨。
 次に、寺田俊夫・秋田県医師会長より、在宅介護は在宅医療を抜きにして考えられない、在宅医療や在宅介護は安上がりというのは間違いである、家族介護力を認め現金給付も検討すべきである、介護保険制度の財源問題で、消費税導入のときの福祉税構想や五%へ引き上げるときの議論はどこへ行ったのか、介護認定では一次判定段階から医師を含めた専門職を入れて行うべきである旨。
 次に、樋口貞夫・秋田県福祉協議会長より、介護保険制度の創設は、高齢者の福祉、医療及び介護の制度を利用者本位の仕組みに再編するもので社会保障改革の第一歩として賛成する、ただ情報提供が十分でなく不安が生じている、重度介護の増加が見込まれるがそれに見合った介護報酬、居住環境の整備を行ってほしい旨。
 次に、石川セツ子・訪問看護ステーションあきた管理者より、訪問看護婦の確保が非常に困難である、在宅ケアを推進していくために地域の中核である医療機関からの往診体制ができるように整備してほしい、介護保険では要介護認定が適切に行われるか等の不安がある旨。
 次に、吉川美津子・秋田県ホームヘルパー協議会長より、重介護に対応する高度な専門性を養う機会がない、介護保険制度導入により実利主義に走りサービスを必要としている低所得者に対してのケアがおざなりになるのではないか、ホームヘルパーの身分保障の確立が必要である旨。
 次に、佐藤晴子・西仙北町福祉協議会地域福祉活動コーディネーターより、介護の長期化、重介護化の中で世間の目等からサービス利用ができず共倒れの問題が生じている、比較的安定した寝たきりの状態よりも俳回を伴う痴呆状態に認定上の困難がある旨。
 最後に、伊藤隆・呆け老人を抱える家族の会秋田県支部長より、高齢の要介護者に高齢の介護者が在宅介護に当たっているケースが極めて多い、夜間の排尿、排便の頻度の高さによる介護者の極端な睡眠不足が原因の健康阻害が深刻である、介護保険導入に際しては、ケアプランの作成で痴呆の特性について十分配慮してほしい旨の意見がそれぞれ述べられました。
 その後、派遣各委員と意見陳述者との間で以下のような質疑応答がございました。
 介護保険制度導入に際しての財政上の不安についての質問に対し、財政力が弱く当然増経費も抑制している状況下で介護保険制度が成り立つか不安がある、事務経費は国保以上の経費がかかるのではないかと不安があるとの答弁が、また、現金給付の額はどの程度が適当かとの質問に対し、外部に依頼するときの介護料の何割かであろうとの答弁がございました。
 翌二十八日午前に由利組合総合病院を訪問し、病院施設を視察後、派遣委員より、採算はとれているか、医療保険改革での不安はあるか等の質問があり、これに対し同病院側より、連合会では病院を八つ経営しており総合して計算している、来院制限については対応を考えざるを得ない、患者の特徴としては脳卒中が多く、リハビリには三カ月以上かかるが、診療報酬を改善してほしい等の答弁がございました。
 次に、同日午後、南部老人福祉総合エリアを訪問し、同施設を視察後、派遣委員より、介護保険導入に伴う課題等に関し質問があり、これに対し管理者及び施設長より、職員定数確保が問題である等の答弁がございました。
 各視察先での高齢者介護についての関心の高さを実感してまいりました。
 最後に、秋田県庁職員を初め関係者の方々の御協力により、今回の委員派遣が無事終了したことを感謝いたします。
 なお、概況説明に際し、同県より当厚生委員会に対しまして、「介護保険制度に係る財政的支援措置等について」等七項目にわたる要望がなされましたが、これを本日の会議録の末尾に掲載していただきますようお願いいたします。
 以上、御報告いたします。

発言情報

speech_id: 114014237X00119970918_008

発言者: 木暮山人

speaker_id: 6305

日付: 1997-09-18

院: 参議院

会議名: 厚生委員会