林芳正の発言 (国際問題に関する調査会)
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○林芳正君 自由民主党の林でございます。お二人から大変に示唆に富むお話をいただきまして、ありがとうございました。
プラサート先生が、議員団が訪問されたときにいろいろとお話しなさっている中で、民主制度がどの程度各国で確立されているか、こういうお話をされておられました。その中で、ASEAN、アジア地域では日本とインドとタイという国を挙げておられますけれども、この民主的なプルーラリズム、みずからの支配している方といいますか、与党と違ったイデオロギーを持った政党や主義主張を許容するデモクラシーといいますか、民主的プルーラリズムがまだなかなかアジア全域にはないというようなお話でございました。
安全保障を考える上で、民主主義国家同士の戦争というものはなかなか起こり得ないんだというような考え方があるわけでございます。アジア太平洋地域というと怒られるかもしれませんが、アジア地域で同じレベルで民主主義が成熟してくるということは、私は一つ重要な観点だと思っております。どういつだ歴史的背景や理由によって今そのような結果になっておるのかなということを考えておりまして、一つは統合のシンボルといいますか、権力に対抗した権威ですね、オーソリティーみたいなものとして。タイは立憲君主国家だったと、日本と近いところがあるわけでありまして、例えば軍部のようなものに対するカウンターパワーとしてそういうものがあったのではないかなという気がいたしております。
それからもう一つは、これはある学者の先生がおっしゃっていたことなんですが、旧宗主国がイギリスであった場合とほかの国であった場合、差が出る。それは、イギリスは例えばインドならインドの方を自分の国に呼んで教育をさせて、軍部ではない知的なエリート層ということを形成しておった。その方々が独立されてから軍部ではない指導者層になって、通常ではミドルクラスというのが発生する前はそういうエリート層が出てくるのはなかなか難しいわけでありますけれども、そういう投資を植民地時代にしておったということで、イギリスが旧宗主国であった場合は例外的に経済発展の早い段階で民主主義が根づいた、こんなような分析があるんです。
要するに、民主主義がどうやって熟してくるかということが、将来的なこの地域の安全保障に大変大きな意味を持っておると私は思っております。今のインドやタイといったところ以外の国でそういうことが、歴史の発展として、また経済発展に伴ってどういう形で今から起きてくるのか、また起きてこないのか。開発独裁や、中国が今、社会主義でありながら市場経済ということをやっておる体制の中で、今後どういうお見通しをお持ちになっておるのかをお二人の先生方からお聞かせ願えればと思います。