二橋正弘の発言 (国民生活・経済に関する調査会)
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○政府委員(二橋正弘君) 自治省の財政局長でございます。
それでは、私の方から地方財政関係の説明をさせていただきます。
お手元にございます「地方財政関係資料」によりまして、概要の説明をさせていただきたいと思います。
まず最初に、一ページをごらんいただきますと地方財政の役割ということで、棒グラフで表示いたしております。これは、国と地方の財政支出が最終支出段階でどういう分野にどういうウエートで、かつ国と地方がどういう分担で行われているかということを示したものでございまして、ごらんいただきますと斜線の部分が地方が最終的に実施しておるというものの割合を示しております。この横幅がその量的な大きさを示しておりますので、これをごらんいただきますと国土開発費、学校教育費、民生費といった関係が数量的なウエートが大きいということがおわかりいただけると思います。
斜線の部分は最終的に地方が分担している部分でございまして、トータルで六五・五%ということでございますので、全体の財政の最終の支出ベースでいきますと、全体の三分の二は地方の方が実施をしているということになります。これでごらんいただきましても、例えば防衛でございますとか年金の関係でございますと、これは一〇〇%国の方で行われているということで白抜きになっておるということでございます。
したがいまして、きょうの話題になっておりますような社会資本の関係でございますとか福祉の関係につきましても、最終的な支出ベースの分担でございますが、地方の方が大きなウエートを持っているということがおわかりいただけると思います。
二ページでございますが、そういう最終支出ベースで国と地方がおおむね一対二で財政支出の分担をいたしておりますが、一方で、税金でどういうことになっておるかということでございます。国税と地方税、真ん中ぐらいのところに四角で囲んでございますが、これは平成六年度の決算ベースであります。国税が五十四兆円、地方税が三十二・五兆円でございまして、比率として六二・四対三七・六、大ざっぱに言って二対一ぐらいになっているということでございます。
最終支出のベースが国が一、地方が二であるのに対して、税が逆になっておるものですから、その差を埋めなくてはいけないと。地方の方で行います仕事は教育の関係あるいは福祉の関係、公共事業の関係、標準的な行政は各府県、地方団体で同じ水準で行う必要がございまして、一方でそういう税の面では地方によりまして経済力の差がございまして、相当な偏在になるわけでございます。
総量として一対二であるということと同時に、偏在があるということでございまして、それを調整すると同時に、標準的な行政が全国同じ水準で行われるということを保障するという意味で、地方交付税によりましてその税源の偏在調整と財源の保障を行っているわけでございます。その様子は、国税の一定割合を地方交付税ということで配分いたしまして、その配分した後でごらんいただきますと、真ん中にありますように四十兆対四十六・六兆ということで、おおむね一対一になるということでございます。
さらに加えて、いろんな分野で国庫補助金が支出されております。国庫補助金が公共関係あるいは文教の関係、福祉関係、いろんな分野でございまして、その形で国庫支出金がさらに国から地方に出されると。そういうことで、それを加味いたしますと国と地方が一対二になって、先ほどの最終支出ベースが一対二になっていることに見合って、交付税と国庫支出金で一対二ということで、そこのところのバランスをとっているということになっておるわけでございます。
下のところに地方交付税の概要がちょっと書いてございますが、詳しい説明は省略をさせていただきます。
今申しました税源がどういうふうに偏在しておるかということを三ページのところでごらんいただきますと、これは都道府県問の税金が一人当たりでどのくらいの金額になるかということを端的に示しておるわけでございまして、平成七年度の実績でいきますと、一番大きい東京都が人口一人当たり十八万三千円、一番少ない沖縄県が六万一千円でございまして、約三倍の開きがあるということでございます。これがバブル期のように法人税収が大きく伸びました時期にはこの格差はもっと開いておりまして、四倍から五倍近い開きになった時期もございます。そういう差がございますので、先ほど申しましたように財源の地域間の調整を行う必要があるということでございます。
四ページは国の財政と地方の財政がどういう形で結びついているかということを図解したものでございまして、これは左側に国の一般会計の歳入歳出が書いてございます。真ん中に交付税特別会計がございまして、右側に地方財政計画がある、こういう形になっております。
国と地方は、先ほど申しましたように、歳入面では大きく言いまして地方交付税と国庫支出金によってその両者の結びつきが行われておるわけでございまして、まず地方交付税につきましては、左側の交付税対象税目というのがございますが、所得税、法人税、酒税、それから消費税とたばこ税、それぞれそこに書いてございますような率を掛けたものを国の一般会計から交付税特別会計に繰り入れをいたしまして、そこの特別会計の歳出を通じて地方の方に配分をされる。地方の方はトータルして地方財政計画というものを毎年作成いたしますので、その中にその交付税を受け入れているという姿になっております。
それからもう一つは、国の一般会計の上から二つ目に「地方団体への補助金」という欄がつくってございますが、この補助金が歳出を通じて、地方財政計画では平成九年度で申しますと十三・三兆円という金額が、これは各分野ごとに各省庁から交付されるという姿になっておるわけでございます。そういう形で、まず財源の面では、先ほど申しましたように交付税、補助金という二つの大きなルートで国と地方の結びつきが行われているということでございます。
これは、地方財政計画は地方の総計、マクロの数字でございますが、それの平成九年度の金額は、右の一番端っこの歳出のところをごらんいただきますと八十七・一兆円という数字になっておりまして、それを重立った項目に分けますと、給与関係が二十三兆円、一般行政経費、これは福祉関係がこの中に入りますが十八兆円、投資的経費、公共投資の関係等でございますが三十一・一兆円というものが重立ったものでございます。
それをもう少し分解いたしましたものが次のページでございまして、この五ページをごらんいただきますと、例えば給与関係経費、今申しましたもののうち義務教育の先生方の給与は国と地方で半分ずつ分担をするということになっておりますので、その義務教育の先生方の給与の補助金が文部省から各県に出ているというのが一番上にございます。
それから、補助金は出ておりませんが、例えば警察官の定数でありますとか、あるいは消防職員の数でありますとか、それから高等学校の教員の数、これらはいずれも、警察でありますと政令、あるいは高等学校の教員でありますと文部省関係の法令によりましてその基準が定められておりまして、それに従って人数をはじいて給与関係の費用を地方の方で分担しているという形になっております。警察官、消防、高等学校については補助金は出ておりませんが、そういう形で基準が法令で定められるということでございます。
それから、一般行政経費関係といいますのは、福祉関係、社会保障の関係なんかはこの中に入って、主として厚生省から補助金が出て、それに地方の負担分を足して仕事を行っているということでございます。同じく投資的経費関係につきましても、公共事業関係は建設省、農水省、運輸省といった公共事業担当省庁から補助金が出て、それに対する地方の負担が伴って仕事が行われているということでございます。
これをごらんいただきますと、ちょっと黒で塗った部分が何らかの形で法令あるいは補助金の配分で基準が設定されておるものでございまして、地方財政計画のベースで公債費を除きました地方の一般歳出約七十五兆円でありますけれども、おおむね半分がそういう何らかの形で歳出が国の方との関係で持たれているものというものでございます。
六ページが現在の地方財政の現状を示しておるものでございますが、大きく四つございます。
一つは、やはり非常に大きな財源不足の状態に現在地方財政もあるということでございまして、平成九年度はかなり歳出の抑制を徹底して行いましたが、それでもなおかつ四兆円を超えるような財源不足が見込まれておりまして、Iの四角に囲んだところにございますように、こういう状態は平成六年度ぐらいから、その当初段階から相当大きな財源不足が出るような状況になっておるというのが第一点でございます。
それから、そういうことを背景にいたしまして非常に大きな借入金の残高を持っておりまして、平成九年度末の見込みでⅡにございますように百四十七兆円というふうな非常に大きな借り入れになる見込みでございます。
Ⅲのところは、一方でこれらの数字は、今申しましたのはマクロの数字でありますけれども、地方は三千三百の各団体、県、市町村が集まったものでありまして、それぞれの個別の財政状況がございます。したがいまして、地方財政のいろんな判断をいたします場合に、マクロの指標と同時に別途個別の財政の状況を常に把握しておく必要がございます。そういうところから、個別団体でいわゆる借金の圧力が今どういうことになっておるかということを示したのがⅢでございます。公債費の負担の圧力を示す指標として公債費負担比率というのがございまして、私どもこの一五%を超えますと財政運営としていわば危険ラインに入ってくるというふうに申しておりますけれども、約四割の団体でそういう状態になっているということがございます。
四番目、しかし片方で今地方分権ということが本格的に議論されておりまして、地方の役割はますますこれから大きくなるということが考えられますし、介護保険といったようなことも議論されておりますように、総合的な地域福祉の充実ということも必要になってくるということで、地方の責任あるいはそれに伴う財政需要はこれからも大きくなってくるのではないかと見込まれておるわけでございます。
七ページは平成九年度、そういう全般の状況を踏まえまして、地方財政計画ベースで歳出を徹底的に抑えなくてはいけないということから、一番上にございますように財政計画の規模も二・一%増、一般歳出につきましても〇・九%増というふうに抑制をいたしております。それでもなおかつ、Ⅲにございますように財源不足がかなり大きな金額で出てまいりまして、一つは地方消費税が平成九年度から導入されますが、初年度でありまして、完全に平年度化しない影響が出てくるということがございます。それから、それ以外の部分につきましても四兆円を超える財源不足が見込まれておりまして、これらはいずれも交付税の特別会計の借り入れあるいは財源対策債という地方債の増発という形で賄っておりまして、かなり抑制基調にいたしておりますけれども、引き続き大きな財源不足が生じておるということでございます。
それから、そういう状況は、一つ飛びまして九ページをごらんいただきますと、財源不足の状況を経年的にごらんいただくための資料でございます。それをごらんいただきますと、平成に入りまして平成元年から三年ぐらいまではほぼ財源不足が実質的にないという状態が続いておりましたけれども、平成六年度以降は景気の停滞等によりまして税収あるいは交付税が落ち込んでくる。片方で減税を先行させたためにそれを地方債の発行で賄った。それからもう一つ、景気対策で相当大幅な景気対策の事業を行いまして、これも大体地方債の増発で賄いましたために、六年度以降は急速に財源不足が拡大してきたという状況でございます。
いわゆる地方債の依存度につきましても、下の折れ線グラフにございますようなことで、平成八年度あたりは過去でも最高の水準になりましたが、平成九年度は、先ほど申しましたようなことで歳出の抑制に努め、また新規の借入金の減額に努めまして、公債依存度も八年度よりは若干下がったという形にはなっております。
十ページは、借入残高の推移でございますが、これをごらんいただきましても、六年度以降急速に増加をしているという状況がごらんいただけると思います。
それから、十一ページでございますが、先ほど申しましたように、地方財政は三千三百の団体の集まりでございますので、個別の状況を常に判断しておく必要があるわけでございますが、特に市町村の場合には財政力の弱いところが多いものですから、そこの上のところの横の棒グラフでごらんいただきますと、地方税が歳入でどれだけを占めているかというものでございまして、棒グラフの一番下は一〇%、つまり歳入の一〇%未満しか税収がないという団体が九百十九団体ございます。それから平均が三三・九、よく三割自治といったようなことが言われます。平均が三三・九でありますけれども、その三三・九の平均より下のところというのが一番右側のところに矢印が書いてございますが二千六百四十九団体、八割の団体がそういう状況にあるということでございます。
もう一つ、先ほど公債費の負担の圧力が一五%を超える団体が四割あると申しましたけれども、それが下でございまして、それをごらんいただきますと、黒塗りのところが平成六年度千三百二十二団体、四割の団体がそういう状況にございます。白抜きが昭和四十九年度でございますが、そのときには一五%以上の団体は五十団体しかなかったというのが千三百団体にふえているということを示しておるものでございます。
地方の方は、投資的経費は国庫補助事業と単独事業両方で行っておりまして、十二ページにございますように、その単独事業が六年度の決算で十七兆円ということで相当な大きな金額に今なってきておる。こういう形で、公共投資基本計画あるいは各五カ年計画についても単独事業の役割が期待されているということでございます。
その状況をもう少し五カ年計画との関係あるいは長期計画との関係で見ましたものが十三ページでございます。先ほど大蔵省から御説明ありましたように、公共投資基本計画は平成十六年度まで六百三十兆円ということで想定されておりますが、いろんな長期計画が下に書いてございますようにございます。
その中で、例えば道路の関係をごらんいただきますと、第十一次道路整備五カ年計画、総額七十六兆円でございますが、そのうち地方単独が二十五兆二千億という見込みになっております。十次の五カ年に比べますと、単独の伸びが一・八倍という伸びで想定をされておるわけでございます。
それから、下から四つ目に廃棄物の五カ年がございますが、これをごらんいただきますと、全体五兆五百億の規模でありますけれども、単独が二兆二千九百ということで、二・二倍という相当の大きな伸びが見込まれております。これは補助対象範囲を見直しまして単独の分担する範囲をふやすということを各省庁との協議の上で行った結果がこういう数字になっておるわけでございまして、こういう長期計画は、いずれもこういう形でそれぞれ相当規模の単独事業があらかじめ設定されて、それを踏まえた上で閣議決定がされておるということでございまして、そういうものをもとにして地方が単独事業を行っているということでございます。
それから、十四ページはいわゆる福祉関係でございます。ゴールドプランももちろんでございますけれども、それに加えまして各地方団体がそれぞれの地域の実情に応じた福祉施策を展開いたしておりますが、また特に市町村は福祉関係の権限移譲がさきに行われまして、市町村が一元的に福祉関係の仕事を行うという体制に今移行をいたしております。そういうことを反映いたしまして、福祉関係の、社会福祉系統の経費が、平成六年度の決算ベースでありますけれども、棒グラフの右端にありますように十七兆九千六百四十一億円という規模になっておりまして、そのうちのいわゆる一般財源、税なり交付税なりあるいは地方債という形で行いますものが約七割を占めているという形でございまして、こういう形で地方が福祉関係の施策を行っておるわけであります。
十五ページはさらに福祉関係でありますけれども、ゴールドプランとエンゼルプラン、それから障害者プランという大きな計画が三つつくられております。それぞれ目標年度に目標水準が設定されておりまして、それに向かって各地方団体が取り組んでおるわけでございますが、新ゴールドプランの事業費でいきますと、右下隅にございますように、総額九兆五百億円のうち国費と地方費がおおむね同じ三兆八千五百億くらいの金額で想定をされているということでございます。
この高齢化の問題というのは、全国マクロの指標だけではなくて各団体ごとに相当大きな地域差があるということが地方にとりましても大きな問題でございますし、特に過疎地のような弱小市町村では全国平均よりもはるかに速いスピードで高齢化が進んでまいります。高齢化率が二〇%を超える地方団体が、左下隅に団体数を書いてございますが、平成二年の国調で二〇%以上の団体が八百三十団体ということで、六十年国調が二百九十六団体でありましたから、相当急速に二〇%以上の団体が伸びてくる。しかも、こういうところはおおむね財政力が弱いところでありまして、そういうところの高齢者対策に財政力の弱いところで取り組んでもらう必要がございますので、そういうところの福祉のための財源の確保ということが非常に大きな課題になっておるわけでございます。
それから、十六ページ以下は、現在の地方団体の行財政改革の関係を資料三枚つけてございます。二点だけ御説明しておきたいと思いますのは、十七ページが、よく地方公務員の給与水準が高いんではないかという議論が過去されたことがございます。事実、この折れ線グラフでごらんいただきましても、国の職員を一〇〇といたしますと一番高いときに一一〇・六というところまで行ったことがございましたが、その後ずっと一貫して給与水準は低下してまいりまして、今、平成七年では一〇一・八というところまでなっております。それから、一〇〇未満の団体が二千二百六十三団体ということで、七割近い団体は国家公務員を一〇〇といたしますとそれ未満であるという状況に今なっております。
もう一つ、最後に公務員の数でございますけれども、地方公務員の数は平成七年の四月一日現在で三百二十七万八千三百二十二人ということでございます。前年に比べまして四千人ちょっと減少になっております。
分野別に、右下隅をごらんいただきますと、消防、警察、教育といったこういういわゆる特別な行政部門が百六十七万人で半分以上を占めておるということでございます。それから、それ以外の職員でも、公営企業関係、病院でありますとかあるいは上水道でありますとか、料金収入で賄っているところも四十万人以上ございまして、いわゆる一般行政職というのは百十七万人、その中で福祉関係が四十七万人ございますので、福祉を除いた一般行政分は約七十万人という数字になっております。全体として昭和五十六年度以降をごらんいただきますと、三百二十万六千人から三百二十七万八千人ということで二・三%程度の増に今なっておる、それから福祉関係を除いた一般行政部門の職員数はほぼ横ばいという状況になっておるということでございます。
以上で終わらせていただきます。