井上繁の発言 (国民生活・経済に関する調査会)
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○参考人(井上繁君) 私に対する質問は二つあったように思います。
一つは自動車の都心への乗り入れの問題でございます。これは海外の例なども私かなり見ておりますけれども、いろんなやり方、いろんなケースがあると思います。ですからなかなか一概には言いにくいわけです。全面禁止にした場合に、やはり町の中で事業を営んでおられる方もおられますので、そういう方に支障があってもいけないということが一つあるわけでございます。
例えば、オランダなどでボンネルフという考え方がございますけれども、要するに、住宅街などにおいては車の制限速度を二十キロぐらいに制限をして、道路の真ん中を膨らましておいて自動的にスピードが出ないようにしておくというような、そういうやり方をしているようなところもございます。
それから、例えば東京の武蔵野市でムーバスというのが入っております。これは買い物の足として小型バスで市が民間に委託をして事業としてやっておりますけれども、これは結果的に、ムーバスが住宅街をきめ細かく走っていますのでマイカーに乗らないで済むというような仕組みにもなっております。ですから、これは言ってみればマイカーから大衆輸送機関への乗りかえを誘導するというようなやり方だと思いますし、いろいろございます。
スウェーデンのある都市では、都心の駐車場の料金をやたら高くして周辺は安くしておいて、安いのがいい人は少し健康のためにも歩いてくださいということで、そんなことで選択に任せるというやり方をしているところもございます。手法はいろいろあろうかと思います。
それから二つ目の、駅前保育に関するお話でございました。堂本委員のおっしゃる趣旨は私なりにわかりました。ですから、これもなかなか一概に言えないのかなと。私も実はそういう研究もやっておりまして、コミュニティーが大変大事だということも理解しているつもりでございますけれども、ただ現実の問題として、やはり地域の中でそういう子育てをするようなコミュニティーが十分育っているかというと、現実は必ずしもそうでないような部分もございます。地方都市なんかでは案外そういうことが有効かもしれませんし、ほとんどの人が共稼ぎをしているようなところですと、子供を見るといってもそういう場もないということになるとやっぱり駅前の方が便利ということで、現実にそういうお母さん方の声もございます。私、あるところでちょっと研究会のようなことをやっていたことがあるんです。ですから、ニーズは両方あるんじゃないか。
だから、これも単純に駅前がいい、あるいは地域がいいということだけでなかなかちょっと割り切れないんじゃないかなというのが私の率直な気持ちでございます。