小林秀資の発言 (臓器の移植に関する特別委員会)

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○政府委員(小林秀資君) 脳死の判定につきまして家族の方が拒否する権利があるのかというおただしでございますが、私は、衆議院の厚生委員会におきましても、そういう拒否権という考え方を認めるというふうには申し上げておりません。
 ただ、その前に、提案者の方からもお答えがありましたところを少し省いてしまったから誤解があろうかと思いますけれども、実際の医療として行われる場合、救急医療の先生というのはずっと患者さんの病状を見ていらっしゃる。もちろん脳死に近いから本人はもう意識がございません、呼吸もとまります、それからいろんな脳の反射も見ていきますと、これももう死の兆候を示している、こういう状況下に置かれての判断です。
 そういうときに当たって、やっぱり医者たる者は患者のために最善を尽くすのであります。したがって、最善を尽くし、まさに亡くなられようとされている方についても、その人の尊厳性というものは保たなくてはいけない。したがって、医者としては死という客観的事実を見ていく。その一連の行為として、脳死判定といって一番問題になりますのは、脳死判定の中の無呼吸テストということが実は脳死者にとっては決定的に死に至らしめるのではないかということの御意見もありまして、こういう一部の意見が出るんだと思いますけれども、いずれにしても、脳死判定を家族の方は嫌がられる。そのときにどうしても必要なことは、いわゆる家族の方に説明をきちっとして御理解いただくということが大変重要である。
 これは提案の方々からも言われたし、そして実際に説明をし御理解を得る努力の過程で患者さんが亡くなられる、結果として実際には拒否したと同じ結果になる。結局、家族に説明と御理解を求めようとしていても実際には行えない。そして、実際に医療の現場では、医師というのは法律上インフォームド・コンセントのことが義務づけてあるわけではないんですけれども、御理解をいただくということをしていく最中に、結果として実際には脳死判定が行われないということがあり得ますということを提案者の方がお答えされていらっしゃいますが、私もそのように考えております。

発言情報

speech_id: 114014604X00319970526_017

発言者: 小林秀資

speaker_id: 2211

日付: 1997-05-26

院: 参議院

会議名: 臓器の移植に関する特別委員会