湊和夫の発言 (地方行政委員会)

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○政府委員(湊和夫君) 全体として課税自主権を尊重する立場で今後の税制を考えていくべきだという基本的な考え方は私ども全く相違があるわけではございませんが、現在における制度あるいは考え方を若干説明させていただきますと、まず固定資産税の評価についてでございますけれども、固定資産税の課税は、当然のことながら資産価値に応じて課税するという仕組みをとっているわけでございまして、その資産価値を評価ということを通じて明らかにしておる仕組みがとられておるわけでございます。
 このために税負担が資産価値に基づいて決まるということでございますので、個々の固定資産の価格を可能な限り適正に均衡のとれた形で評価する必要があるというふうに考えておりますし、特にこれは納税者の側からも、個々の資産を相互の均衡を十分留意して、例えば土地について申しますと、土地の区画、形質等にも留意した上で評価すべきだという要請もあるわけでございます。
 この点は平成元年に制定されました土地基本法の第十六条においてもその趣旨が明記されているわけでございまして、それ以前、ややもすると固定資産税の評価が町村内あるいは町村間、地域間で均衡を欠いているということが大変大きな批判を受けたところでございます。
 そういう批判のもとに土地基本法十六条が制定されまして、評価の均衡化、適正化を図るべきだ、公的評価の間の均衡を図るべきだという規定が設けられたのはそういう考え方を背景にしたものであるというふうに考えております。そういう意味では、市町村において評価そのものの作業を行うわけでございますけれども、全国的に均衡のとれた形での評価というものを一定のシステムのもとにやっていく必要がある、これがまた一方では国民の要請にもこたえる方向であろうというふうに考えております。
 なお、これは財政的な見地からもう一つつけ加えさせていただきますと、現在、交付税の算定は、それぞれの税目について収入見込みを立てて需要額と収入との差し引きで決まっているわけでございますけれども、この際に、より公平な収入算定を行うという意味でも評価額が基本的に市町村間で統一された形で実施されるということが大変大事なことになっておるわけでございます。
 それから、税率についてでございます。御指摘がありましたように、現在の主要税目は、固定資産税については標準税率が一・四、それから制限税率二・一という形で税率の幅が設けられております。これは固定資産税だけでございませんで、主要な税目については同じような形で課税の自主性を尊重するという観点から税率採用の幅が設けられております。一・四%と二・一%といいますのは、要するに五割増しの税収がそれぞれの市町村の財政需要に応じて求めることができるということになっているわけでございます。
 個々的に財政需要との関係において個別の税目で全くフリーにという考え方も理念的にはないわけではないと思いますけれども、現在の日本の税制は一つの税目だけで税が構成されているわけではございませんで、幾つかの税が、しかも主要税目、大きな税目が幾つもございまして、こういったものを組み合わせた形で全体の税制が仕組まれております。
 それから、あわせて交付税制度といいます世界には例のない財源調整補てんの仕組みも設けられておりまして、個別の税目と市町村の行政歳出といいますか、需要に対する住民の受益というものが厳しい意味で必ずしも連動をしておりませんので、個別税目ごとに完全な形で、先生の今おっしゃったような意味で地域の需要に連動したような形で税率を決めていくということは大変難しい形にもなっているというふうに考えております。
 いずれにしても、税率の採用幅も設けた形で現在の制度ができておりまして、私どもはこういった制度の考え方を今後とも大事にしながら、より市町村の自由度が高められる部分については、分権推進委員会の議論の中でもいろんな御指摘もいただいておりますので、今後検討を進めていきたいと思っております。

発言情報

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発言者: 湊和夫

speaker_id: 11787

日付: 1997-03-19

院: 参議院

会議名: 地方行政委員会