二橋正弘の発言 (地方行政委員会)
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○政府委員(二橋正弘君) 今、地方交付税制度の本来の趣旨につきましては山本委員からお話のあったとおりでございます。
端的に一つの例で申しますと、地方交付税というのはどういう役割を果たしておるかという例でありますけれども、例えば義務教育をとって考えてみますと、日本では義務教育は六年、三年ということで、これは大都会でありましてもあるいは田舎でありましても、同じような教育でかつ同じような教育内容にすべきであるというふうな考え方が基本になっております。大都会が四十人学級であって田舎は五十人学級でいいじゃないかという考え方は国民の側も受け入れないというのが大前提でございます。そういうことはまた文部省の法律で決められております。そして、地方団体がそれによって義務教育を行うというシステムになっておるわけでございます。
そういたしますと、委員も今おっしゃいましたように、地方の財政力はさまざまでございます。しかし一方で、今申しました義務教育を例にとりますと、非常に詳しい教育の水準、あるいはもちろん年限も含めてでありますけれども、そういうことが決められておる、それをどうやって実行するかということであります。そのために財源の手当てをする必要があるというのが交付税制度の一番基本のところでございます。したがいまして、そういう仕事の役割の分担と仕事の内容、それからそれを賄うための税金がどうなっておるかということ、したがって足りない財源をどう埋めるかということが三者一体になっておるというのがまず基本でございます。
そこで、委員も今、分権が進んで自主財源が十分に行き渡るようになれば交付税の役割というのは縮小したり見直しされる必要があるんじゃないか、こういうお話でございました。理屈の上では全くそのとおりでございます。そのためには自主財源が大幅に強化される必要がございます。そういう意味合いで申しますと、先ほど委員が特殊法人の話をたまたまされましたけれども、私も先ほどから自主財源の話と特殊法人の話をいろいろあわせてお聞きしながら、やや複雑な思いで聞いておりました。自主財源の強化ということからいえば、私どもは代替財源のいろんな議論をもっと十分にしないで、特殊法人についての扱いということについては財政的な面からいえばやはりもう少し検討の余地があるんじゃないかという思いは正直にございます。
したがいまして、交付税制度全般を議論される場合には、そういう税制のあり方、特に地方税をどういうふうに増強するかということがまずあって、片方で各省庁が行っている仕事の内容、地方団体に義務づけている仕事の内容、水準についてどういう決め方をするのか、そのことについて国民、住民がどういう判断をするかということが基本であります。そこのところは、先ほどの義務教育の例で申し上げれば、教育内容というのはもっと財政力によっていろいろ差があっていいじゃないか、それは住民の選択じゃないか、極端に言えば五十人学級であろうとあるいは教科の内容についてももっと地方が選べるようにしたらいいじゃないかというふうなところまでいけば、この交付税の算定のやり方につきましても抜本的に変えることは可能だろうと思います。そういうところは全部組み合わせたものであるということはぜひ御理解いただきたいと思います。
それから、自主財源の増強ということについては非常に大事な話でありますので、私どもも努力をしなくちゃいけない課題でございますし、また分権委員会もそういう方向で議論されると思いますけれども、委員におかれましても、ぜひそういう観点から地方の自主財源の増強ということについてもいろいろ御示唆をいただければ大変ありがたいと思う次第でございます。