梶山静六の発言 (予算委員会)
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○国務大臣(梶山静六君) まず、事実関係について申し上げます。
ナホトカ号事故については、一月二日、海上保安庁から内閣情報集約センターを通じ第一報を受けました。その後も引き続き同船の船首部の漂流状況、油の流出状況などにつき報告を受けており、一月四日には、流出した油と漂流中の船首部の油は合わせて六千五百キロリットルに及ぶこと、海上保安庁では管区保安本部に対策本部を設置したことなどの報告を受けました。このような重大な事故であるので、一月六日の本年当初の記者会見でも私から状況を説明いたしております。
政府としては、このため、漂流している船首部の沖合曳航等の作業に取り組むとともに、流出油の監視、防除にも取り組んでまいりましたが、荒天のため残念ながら船首部の曳航は成功せず、福井県の沿岸に着底し、また流出油の一部も沿岸に漂着をいたしました。
この間、六日及び七日に既設の油汚染事件に対する準備及び対応に関する関係省庁連絡会議を開催し、情報交換、対応等について協議をしたが、さらに事態の推移を踏まえ、十日には応急対策を全力で推進するために運輸大臣を本部長とする政府対策本部を設置し、また二十日には応急対策、被害対策及び再発防止策等について関係行政機関相互の緊密な連携を確保し、効果的かつ総合的な対策の推進を図ることを目的として関係閣僚会議を開催し、重油の流出に係る総合対策の推進に取り組んでおります。
初期の段階では流出した重油の性状が十分に把握できなかったこと、それから当時の複雑な動きを示した日本海の海流や風向きの正確な将来予測が困難であった等のため、本事故の影響評価が十分にできなかったことを率直に認めざるを得ません。事態の推移に応じて時々に必要な措置で全力で対応したことを御理解いただきたい。
こういうことですから、形式的には一応体制は整えたのでありますが、逆に実際面では有効な手段、すなわち船舶や機材等の保有がなかったという現実があります。ですから、考えてみますと、海上保安庁を中心とする運輸省、あるいは防衛庁、自衛隊の方々、それから関係の県、市町村、あるいはボランティアの方々、漁民の方々、総力を挙げて、全力を挙げて対策に取り組んでいただきましたけれども、残念ながら有効な対応がとれなかった。これは気持ちと裏腹に、実際に日本海の荒天に対応できるいわば油の回収船ないしはそういうものの中和剤、あるいはその他のフェンス、こういう機材のいわゆる集積がないというよりも、対応できる手段方法を残念ながら保有していなかった、開発していなかったという現実がございます。
そういうものに向かって、苦しいけれども全力で取り組んでまいる決意であります。