予算委員会

1997-01-31 参議院 全297発言

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会議録情報#0
平成九年一月三十一日(金曜日)
   午前九時一分開会
    —————————————
   委員の異動
 一月三十日
    辞任         補欠選任
     戸田 邦司君     長谷川道郎君
     大脇 雅子君     清水 澄子君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長        大河原太一郎君
    理 事
                片山虎之助君
                佐藤 静雄君
                斎藤 文夫君
                田沢 智治君
                木庭健太郎君
                都築  譲君
                横尾 和伸君
                山本 正和君
                有働 正治君
    委 員
                阿部 正俊君
                板垣  正君
                加藤 紀文君
                金田 勝年君
                久世 公堯君
                沓掛 哲男君
                関根 則之君
                竹山  裕君
                武見 敬三君
                谷川 秀善君
                成瀬 守重君
                野間  赳君
                真鍋 賢二君
                山崎 正昭君
                依田 智治君
                石田 美栄君
                市川 一朗君
                牛嶋  正君
                菅川 健二君
                田村 秀昭君
                高野 博師君
                高橋 令則君
                長谷川道郎君
                浜四津敏子君
                大渕 絹子君
               日下部禧代子君
                清水 澄子君
                照屋 寛徳君
                川橋 幸子君
                小島 慶三君
                本岡 昭次君
                藁科 滿治君
                上田耕一郎君
                緒方 靖夫君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       内閣総理大臣   橋本龍太郎君
       法 務 大 臣  松浦  功君
       外 務 大 臣  池田 行彦君
       大 蔵 大 臣  三塚  博君
       文 部 大 臣  小杉  隆君
       厚 生 大 臣  小泉純一郎君
       農林水産大臣   藤本 孝雄君
       通商産業大臣
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官事務代理)   佐藤 信二君
       運 輸 大 臣  古賀  誠君
       郵 政 大 臣  堀之内久男君
       労 働 大 臣  岡野  裕君
       建 設 大 臣  亀井 静香君
       自 治 大 臣  白川 勝彦君
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    梶山 静六君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 武藤 嘉文君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  稲垣 実男君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       久間 章生君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  麻生 太郎君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       石井 道子君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  伊藤 公介君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  安富 正文君
   政府委員
       内閣参事官
       兼内閣総理大臣
       官房人事課長   及川 耕造君
       内閣審議官    平林  博君
       内閣官房内閣外
       政審議室長
       兼内閣総理大臣
       官房外政審議室
       長        三井 康有君
       内閣官房内閣安
       全保障室長
       兼内閣総理大臣
       官房安全保障室
       長        大森 政輔君
       内閣法制局長官
       内閣法制局第一
       部長       秋山  收君
       阪神・淡路復興
       対策本部事務局
       次長       生田 長人君
       警察庁刑事局長  佐藤 英彦君
       総務庁人事局長  菊池 光興君
       総務庁行政管理
       局長       陶山  晧君
       総務庁行政監察
       局長       土屋  勲君
       防衛庁参事官   山崎隆一郎君
       防衛庁教育訓練
       局長       粟  威之君
       防衛庁経理局長  佐藤  謙君
       防衛施設庁長官  諸冨 増夫君
       防衛施設庁建設
       部長       竹永 三英君
       経済企画庁調整
       局長       土志田征一君
       経済企画庁国民
       生活局長     井出 亜夫君
       経済企画庁調査
       局長       中名生 隆君
       科学技術庁長官
       官房長      沖村 憲樹君
       科学技術庁長官
       官房審議官    興  直孝君
       環境庁水質保全
       局長       渡辺 好明君
       国土庁防災局長  福田 秀文君
       法務省刑事局長  原田 明夫君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     朝海 和夫君
       外務省アジア局
       長        加藤 良三君
       外務省北米局長  折田 正樹君
       外務省条約局長  林   暘君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     武藤 敏郎君
       大蔵省主計局長  小村  武君
       大蔵省主税局長  薄井 信明君
       大蔵省理財局長  伏屋 和彦君
       大蔵省証券局長  長野 厖士君
       大蔵省銀行局長  山口 公生君
       大蔵省国際金融
       局長       榊原 英資君
       文部大臣官房長  佐藤 禎一君
       厚生大臣官房長  近藤純五郎君
       厚生省老人保健
       福祉局長     羽毛田信吾君
       農林水産大臣官
       房長       堤  英隆君
       農林水産省構造
       改善局長     山本  徹君
       農林水産省農産
       園芸局長     高木  賢君
       食糧庁長官    高木 勇樹君
       通商産業大臣官
       房長       広瀬 勝貞君
       運輸省運輸政策
       局長       相原  力君
       運輸省海上技術
       安全局長     山本  孝君
       海上保安庁長官  土坂 泰敏君
       郵政大臣官房総
       務審議官     高田 昭義君
       労働大臣官房長  渡邊  信君
       建設大臣官房長  小野 邦久君
       建設大臣官房総
       務審議官     村瀬 興一君
       建設省都市局長  木下 博夫君
       建設省道路局長  佐藤 信彦君
       建設省住宅局長  小川 忠男君
       自治大臣官房長  谷合 靖夫君
       自治大臣官房総
       務審議官     嶋津  昭君
       自治省行政局選
       挙部長      牧之内隆久君
       自治省財政局長  二橋 正弘君
       自治省税務局長  湊  和夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮本 武夫君
   参考人
       住宅・都市整備
       公団総裁     牧野  徹君
       日本銀行総裁   松下 康雄君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成八年度一般会計補正予算(第1号)(内閣
 提出、衆議院送付)
○平成八年度特別会計補正予算(特第1号)(内
 閣提出、衆議院送付)
○平成八年度政府関係機関補正予算(機第1号)
 (内閣提出、衆議院送付)
○予算の執行状況に関する調査
 (平成八年度補正予算等に関する決議の件)
    —————————————
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大河原太一郎#1
○委員長(大河原太一郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成八年度補正予算三案の審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁松下康雄君及び住宅・都市整備公団総裁牧野徹君をそれぞれ参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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大河原太一郎#2
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    —————————————
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大河原太一郎#3
○委員長(大河原太一郎君) 平成八年度一般会計補正予算(第1号)、平成八年度特別会計補正予算(特第1号)、平成八年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。
 昨日に引き続き、質疑を行います。長谷川道郎君。
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長谷川道郎#4
○長谷川道郎君 平成会の長谷川道郎でございます。
 本日は、補正審議にかかわりまして、ぜひ今般のタンカー事件の施策をお願い申し上げたいという点で質問をさせていただくわけでございます。
 今回のタンカー事故につきましては、もう状況は御承知のとおりでありますが、日増しにその被害が拡大し、事故発生以来、既に一カ月を経過しようとしておる今日であります。沿岸住民の苦悩はますます深刻化し、肉体的、精神的な疲労も既に極限に達しようとしておるわけでございます。
 危機管理という問題が叫ばれて久しいわけでありますが、残念ながら、今回の事故に関しましても、阪神・淡路大震災の教訓が少しも生かされていないなという反省があるわけでございます。
 今回の事故は、現在進行中の災害でございますので、まだ分析評価をするという時期ではないと思うわけでありますが、今回の補正でぜひ措置をお願い申し上げたいという点並びにケース・アンド・スタディーという意味で政府の見解をお伺いいたしたいと思うわけでございます。
 まず、官房長官にお伺いいたしますが、今回の事故の第一報は、一月二日、官邸に入ったということでございます。ただ、一月二日の朝の段階では流出油の量また事故の規模というのが正確には掌握をされておらなかったと思うわけです。しかし、その後、徐々に流出油の量が極めて甚大であるということが判明してきたわけでありますが、官邸に被害が甚大であるというその情報が入った時期並びにその後各省庁にどういうふうな指令を出されたか、官房長官にお伺いをさせていただきます。
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梶山静六#5
○国務大臣(梶山静六君) まず、事実関係について申し上げます。
 ナホトカ号事故については、一月二日、海上保安庁から内閣情報集約センターを通じ第一報を受けました。その後も引き続き同船の船首部の漂流状況、油の流出状況などにつき報告を受けており、一月四日には、流出した油と漂流中の船首部の油は合わせて六千五百キロリットルに及ぶこと、海上保安庁では管区保安本部に対策本部を設置したことなどの報告を受けました。このような重大な事故であるので、一月六日の本年当初の記者会見でも私から状況を説明いたしております。
 政府としては、このため、漂流している船首部の沖合曳航等の作業に取り組むとともに、流出油の監視、防除にも取り組んでまいりましたが、荒天のため残念ながら船首部の曳航は成功せず、福井県の沿岸に着底し、また流出油の一部も沿岸に漂着をいたしました。
 この間、六日及び七日に既設の油汚染事件に対する準備及び対応に関する関係省庁連絡会議を開催し、情報交換、対応等について協議をしたが、さらに事態の推移を踏まえ、十日には応急対策を全力で推進するために運輸大臣を本部長とする政府対策本部を設置し、また二十日には応急対策、被害対策及び再発防止策等について関係行政機関相互の緊密な連携を確保し、効果的かつ総合的な対策の推進を図ることを目的として関係閣僚会議を開催し、重油の流出に係る総合対策の推進に取り組んでおります。
 初期の段階では流出した重油の性状が十分に把握できなかったこと、それから当時の複雑な動きを示した日本海の海流や風向きの正確な将来予測が困難であった等のため、本事故の影響評価が十分にできなかったことを率直に認めざるを得ません。事態の推移に応じて時々に必要な措置で全力で対応したことを御理解いただきたい。
 こういうことですから、形式的には一応体制は整えたのでありますが、逆に実際面では有効な手段、すなわち船舶や機材等の保有がなかったという現実があります。ですから、考えてみますと、海上保安庁を中心とする運輸省、あるいは防衛庁、自衛隊の方々、それから関係の県、市町村、あるいはボランティアの方々、漁民の方々、総力を挙げて、全力を挙げて対策に取り組んでいただきましたけれども、残念ながら有効な対応がとれなかった。これは気持ちと裏腹に、実際に日本海の荒天に対応できるいわば油の回収船ないしはそういうものの中和剤、あるいはその他のフェンス、こういう機材のいわゆる集積がないというよりも、対応できる手段方法を残念ながら保有していなかった、開発していなかったという現実がございます。
 そういうものに向かって、苦しいけれども全力で取り組んでまいる決意であります。
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長谷川道郎#6
○長谷川道郎君 今の質問は、実はあえて総理じゃなく官房長官にお伺いしたのは、いわゆる危機管理という問題は、もちろんリーダーシップも大きな要素ではありますが、幾らリーダーシップを発揮するということであっても、システムがなければリーダーシップは機能しないわけです。したがって、官房長官に今お伺いした理由は、まさにシステムという点でどういうふうな体制になっているかというのを検証させていただきたいということでお伺いをいたしたわけであります。
 今、官房長官の御説明がございましたが、実は一月二日の事故であります。今お話のございましたように、流出油の状況並びに事故の状況については、当初の段階では荒天であったということもあり、評価が定まらなかったわけでありますが、一月四日の朝刊がほぼ事故の概要の第一報になると思うんです。一月四日の各紙には、既に流出重油が三千七百キロリッター、これが後に五千キロリッターに訂正をされましたが、なお当該重油は近々のうちに福井県、石川県、能登方面に漂着をするであろうというような、今の状況をほぼ正確に予測する記事があるわけであります。
 したがって、私でさえもこの記事を目にしておるわけでありますので、当然官邸並びに各省庁ではそのような予測をされたと思うんです。なお、一月五日の新聞には既にタンカーの船首部分も沿岸に漂着をするだろうという予測記事も出ている。極めて正確な予測が既に事故発生後二日ないし三日で出ておるわけであります。
 実は私は、一月四日のこの新聞記事を見ましたときに、三千七百キロリッターの重油流出があるという記事を見ました。後に五千キロリッターに訂正をされたわけですが、この三千七百キロリッターの重油は約三百キロの日本海沿岸に漂着をするという記事を見ました。三千七百キロリッターの重油が三百キロの沿岸に漂着をするとどういう状況になるか。これは簡単な計算でありますが、三千七百キロリットルを三百キロで割ってみたんです。そうしましたら、何と一メーター当たり十二リッターの重油になるわけであります。今、私と総理の間は三メーターぐらいでしょうか、ですから、私と総理の間に三十六リッター、バケツで十一杯ぐらいの重油をここにどんとまくという、そういう状況が東京から名古屋まで続くという、極めて重大な事故であるなというふうに、私は一月四日の段階でそういうふうに感じたわけであります。
 しかるに、残念ながら、官房長官が今おっしゃったように、官邸の対応がおくれたという、そういう言及もありましたが、今どの新聞にも官邸でどういう動きがあるかという記事があります。
 確かに、この正月早々、官邸、総理は例のペルーの事件で繁忙をきわめていらっしゃった。しかしながら、この一月四日以降アジア御訪問までの間に官邸でこの油流出事故に対して対応されたという記事を私はこの中で目にすることができなかったんです。そういう意味でもいささか対応に対しては手抜かりがあったのではないかなということは申し上げられると思うんです。
 しかし、今、日本で総理大臣が、よし、やれとおっしゃれば大概のことはできるわけです。おてんとうさまを西から上げること以外は大概のことは総理大臣ができるわけでありますので、ぜひ迅速に対応をしていただきたかったなというふうに感ずるわけであります。
 総理はよく御記憶だと思うわけでありますが、一九八六年十一月、大島で三原山の大災害、大噴火がございました。このとき、いろいろ小田原評定といいますか、長い会議があったんですが、あるとき、よし、もうこれじゃ大変だということで、運輸省は四十隻の艦艇、民間船をわずか二時間の間に借り上げて、一晩にして一万三千人の大島島民を島外に退去させたわけであります。このときの運輸大臣は橋本総理であったわけです。
 そういうことで、まだまだ今回の事故は進行中、であり、これからでも決して遅くないわけでありますので、橋本総理のぜひ果敢な対応をお願い申し上げたいと思うわけであります。
 次に、総理にお伺いいたしますが、本会議における総理の御答弁で、結果として政府の対応に反省すべき点があったというお話がございました。この具体的に反省すべき点というのはどういう点であるか、御説明をお願い申し上げたいと思います。
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橋本龍太郎#7
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、官房長官から時系列的に御報告を申し上げたわけでありますが、私の手元に第一報が入りましたのは、二日のたしか十一時過ぎだったと思いますが、その時点においては人命救助に関する報告が先行をいたしておりました。そして、たしか二時過ぎぐらいだったと思います。一名の行方不明者を除き漂流中の船員全員救出という知らせとともに、油が流れている、海上保安庁の航空機及び船艇によってその状況把握に努めている、これが流出油に関する第一報でありました。
 今御指摘のように、私は率直に対応のおくれということを反省点として申し上げたわけでありますけれども、現段階で申し上げられることの一つは、政府の対応体制をもっと早くすべきではなかったかという反省が第一点。
 しかし、それ以上に、本質的な部分といたしまして、外洋における、公海上における事故というものを想定した油防除の体制というものをつくり上げておらなかった。そして、今までありました体制というものは、むしろ海上交通の非常にふくそうする海域、言いかえれば領海内の比較的静かな海を想定した対応だけであった。そのために、真冬の日本海といった非常に荒れる海における体制そのものができておらなかった。
 現時点におきましても、波高四メートル、六メートルといったような状況の中で油回収のできる能力を持つ船を日本自身が有していない、こうした点を非常に深刻に受けとめております。
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長谷川道郎#8
○長谷川道郎君 先ほど申し上げましたように、今回の災害はまだ現在進行中でございますので、まだまだこれから的確に対応していただければ十分間に合うと思うんです。結果として、総理が反省していただかなくてもいいような対応をぜひお願い申し上げたいと思うわけであります。野党の私が総理に反省しないでくださいと申し上げているんですから、ひとつ最終的に反省をしなくてもいいような御対応をお願い申し上げたいと思います。
 今ほど官房長官の御答弁にありましたが、去る本会議におきまして、十分な手段を持っていなかったという深い反省があるという官房長官の御答弁がございました。これについて運輸大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
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古賀誠#9
○国務大臣(古賀誠君) 御質問の点につきましては、総理並びに官房長官の御答弁に尽きるのではないかと思いますが、私も今回のタンカーの事故、いろいろと問題点を検証しているわけでございますけれども、やはり一番残念に思いますことは、油の回収船また装置を含みます資機材がどうしても静穏な海域を前提として整備されたものである。
 また同時に、つけ加えますと、海上災害防止センターの資機材等を設置いたしております基地におきましても圧倒的に太平洋側が多い。これは今もお話があっておりますように、タンカー等の船舶交通が大変ふくそうしている地域、また一たび事故が起きると大変な災害になる、こういったところを想定した整備体制であったということを大いに反省いたしているところでございます。
 同時に、初動体制の対応につきましても、当然のこととして問題点を検証する中で反省をしていかなければいけない、そのように認識いたしております。
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長谷川道郎#10
○長谷川道郎君 官房長官の御答弁の繰り返しであったわけでありますが、果たして日本は十分な手段を持っていなかったかどうかという点で若干の検証をいたしたいと思うわけであります。
 三菱重工では、一万重量トンの小型作業船を三隻、ヘリ搭載の大型油回収船の技術開発をいたしております。ところが、この作業船については政府から一回の照会のないまま幻の技術に終わってしまったということであるわけであります。また、海上災害に絶大な効果があります飛行艇があります。これはカナダで製造している飛行艇でありますが、この飛行艇は実は日本の三菱重工が技術提携をしてつくっておるということだそうであります。
 また、外洋で活躍できるような油回収船の準備がなかったというお話でありますが、実は日本は油回収船でも極めて高い技術を持っております。最近でも、アレクサンドリア港湾庁、ジブチ共和国、中国の青島港務局等に日本の油処理船が輸出されております。日本で製造した油処理船が外国で活躍をしているわけで、決して日本が技術を持っておらなかったというわけではないわけです。あえて言うならば、日本に技術はあったけれども、政府としてはそれを保有していなかったというのが私は正確であると思います。
 お話にございました第五港湾建設局所有の清龍丸、これは油回収タンクが千四百五十キロリッターだそうでありますが、油回収船の能力は回収能力それから耐波高能力、いろいろあります。実は、一概に能力が高いと言えるかどうかわかりませんが、清龍丸よりもはるかに大きい回収装置を備えた船が何隻かございます。例えば、第二オーシャンブル一号は六千四百キロリッターの処理装置、第一清海丸は八百五十キロリッターの回収タンクを備えております。第二清海丸も二千キロリッターの油回収タンクを備えている。申し上げましたように、大変高い技術を持った油処理技術があるわけです。
 今手作業で油をくみ取っている。今どきそんなことがあるのかなというような大変な光景があるわけでありますが、石川県珠洲市ではMJP、空気をまぜる混気ジェットポンプが大活躍しておる。等々、油処理技術では決して日本は技術的におくれておるということではないわけです。あくまでも日本は産業として技術を保有しているが、それに政府が気がつかなかったというのが私は今回の結果ではないかと思うわけでございます。
 それでは、次に対策本部についてお伺いをさせていただきます。
 けさの新聞でも新規の立法というような報道がございますが、法律上の問題点と災害対策本部のリンクについてお伺いいたします。今、運輸大臣を本部長としていらっしゃいます災害対策本部、これはいかなる法律に基づく対策本部であるのか、御説明をお願い申し上げます。
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古賀誠#11
○国務大臣(古賀誠君) お答えいたします。
 今回、私のもとにつくらせていただいております対策本部は、ナホトカ号の海難流出油災害の応急対策を関係行政機関相互の密接な連携と協力のもとに強力に推進するという目的で、一月十日、閣議了解に基づいて設置されたものでございます。
 今回の対策本部は法律に基づくものではございませんけれども、各省庁一致協力して流出油の防除等の応急対策に全力を挙げて取り組んでおり、実質的には法律に基づく対策本部の場合と何ら遜色のない対応がなされているものと認識をいたしております。
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長谷川道郎#12
○長谷川道郎君 現在の対策本部が法令に基づくものではないというお話でありますが、なぜ法律に基づく対策本部にならないのか、運輸大臣、御説明いただけますか。
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古賀誠#13
○国務大臣(古賀誠君) 法律に基づくものではありませんけれども、ただいま御説明申し上げましたように、十日の閣議了解に基づいて設置されたものであります。そういう意味では、実質的には法律に基づく対策本部の場合と何ら遜色はない、そう認識をいたしております。
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長谷川道郎#14
○長谷川道郎君 ちょっとわかりにくい御答弁ではないかと思うのでありますが、災害対策基本法第二条に災害の定義がございます。いろいろございまして、その他の政令で定める原因により生ずる被害をいうと。そして、その施行令におきまして、大規模な原子力災害並びにその他の大規模な災害とするという定義がございます。私はこれで今回の災害は、災害対策基本法で言うところの非常災害対策本部を設置する要件に十分合っておるのではないかと思うんです。
 なぜこんなことを申し上げるかと申しますと、先ほど申し上げましたように、ここに一月二十二日の毎日新聞がございますが、手作業ですくうよりはるかに効果的な機材もノウハウもあるが、コストがかかるという船主の了解が得にくいというような記事が出ております。同じような話も業界の関係者からは、日本は技術があるのだが要するに金の問題である、金で面倒を見てもらえるという保証がなければなかなか業界としては乗り出すわけにいかないというような話がございます。
 政府の御答弁で、今回の事件は民事、加害者が特定をされている事件でありますので、保険並びに基金でカバーをするという御見解であります。しかし、今回の事故災害の規模は保険や基金でカバーをするという範晴を既にはるかに超えた政治的な問題であると私は思うんです。
 日本海のある海岸で砂まじりの油を採取いたしました。ところが、砂がたくさんまじっておりますのでなかなか処理コストがかかる。船主代理人側はコストがかかり過ぎるのでそれはやめてくださいというお話があったそうです。それが海岸で野積みになったままどんどん油がその海岸にしみ出していく。結局、対応のおくれが高いものにつくということになるわけであります。
 ここで私は、ぜひ政府に非常災害対策本部を設置していただき、政府が全力を挙げて取り組むという姿勢をおとりいただかないと、申し上げましたように、技術はあるけれども仕事ができないと二の足を踏み、かつその対応のおくれが結局高いものにつくということになるわけであります。
 先ほど申し上げましたように、けさの新聞報道でも、今の現行法では対応が困難だから新規立法というお話もございます。しかし、今進行中の事故でありますので新規立法を待つわけにはいきません。私は、政府に直ちに災害対策基本法に基づく非常災害対策本部を設置していただきたいということを強くお願い申し上げるわけであります。
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古賀誠#15
○国務大臣(古賀誠君) 申し上げておきますが、最初の応急対策につきまして、確かに今回の事故は船主側と被害者の方々との民事上の話ではございますけれども、私が設置いたしました対策本部におきまして、油の流出に対する防除、これは可能な限り、財政的なことをおいて、災害を最小限に食いとめるということに全力を尽くしたということをまず正確に申し上げておきたいというふうに思います。
 なお、今御指摘いただきましたさまざまな問題が今後出てくるだろうと思います。今おっしゃいました油の処理の問題、漁業者、中小企業の皆様方への今後の対策の問題、いろんな分野において的確にどう対応していくか、こういうことを踏まえた問題については、官房長官が主宰する関係閣僚会議を既に二十日には設置いたしております。そういうところで万全を尽くして国民また被害を受けられた方々に対する問題については対処してまいりたい。ぜひひとつ御理解をいただきたいと思います。
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長谷川道郎#16
○長谷川道郎君 お話は、要するに災害対策本部の看板は出さないが仕事は一生懸命やるというお話だと思うんですが、しかしそれでは地方の現実に災害に直面している市町村、地方自治体では政府の意気込みをなかなか感じられないと思うんです。
 私の出身の新潟県でも、地方自治体は災害対策本部をつくって一生懸命やっております。もちろん政府の、今の運輸大臣の御答弁で一生懸命やるよというお話は十分わかりますが、しかしこれは形の問題であります。どうも政府は民事事件だから当事者同士で、あなたたちは保険会社と交渉しなさいよというようなことではもちろんないと思いますが、もしもそういうふうにとられるとしたら、やはりきっちりとした非常災害対策本部が設置されていないということが私は大きな原因になるのではないかと思うわけであります。
 それでは、次に自治大臣にお伺いをさせていただきます。
 自治大臣は、先般の衆議院の予算委員会で、基金や保険からの補償だけでカバーできなくても特別交付税できちんと措置をする、防除に全力を尽くすように各自治体に要請をしたという御発言がございます。同様の御発言は新聞の紙上でも、とにかく金のことは交付税で何とかするから一生懸命やってくださいという、従来の政府の御見解からは相当踏み込んだ御発言があったわけでありますが、本院におきましてもこの点御確認をお願い申し上げたいと思います。
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白川勝彦#17
○国務大臣(白川勝彦君) 少なくとも地方公共団体が現在取り組んでおります油の除去作業、大変御努力をいただいているわけでございますが、それに関してはどういう事態になろうが御迷惑をおかけすることがないから全力を出して取り組んでほしい、こういう趣旨でございます。
 ただし、私が申し上げたいのは、今回の事件はそういう面では自然災害ではありませんので、今地方公共団体で鋭意努力してやっていただいていること等を含めて本来的には責任を負わなきゃならぬ人がいるわけでありますから、そこに請求できるものは地方自治体でやったものを含めて請求するというのは当たり前のことでございます。
 そして、それらを最大限求めたいと思いますが、仮に責任があってもそれを払えないというケースは間々あるわけでございます。それについては、当然大蔵省を初めとして国としても今回の事故等にかかわることに関してどういう形で対策をとるかということについては、自治省だけでなくて政府全体としても考えていただけるものと思いますけれども、これは、災害いろいろありますけれども、予定していても出ない場合もあるわけでございます。そこが各地方自治体の長の皆様の悩みでありますから、今地方自治体が中心になって懸命な努力をしておられることについては、少なくとも自治省限りにおいても御迷惑をおかけしない、そして頑張ってもらいたいということであります。
 念のため一つだけ申し上げますが、警察官も今懸命になっておりますが、その屈強な警察官が現実に油回収作業に出て漏らした感想でも、油塊でいっぱいの麻袋を回収トラックに積み込む作業がつらい、風が強く寒さがとにかく厳しい、また福井県では回収作業時は着衣に油が付着し車両で休憩できない、トイレの使用のときが一番困る、服を脱ぐのがつらく面倒くさいと。
 屈強な機動隊員でもこういうようにつらい作業をしているわけでございます。ボランティアの方いろんな方が来ていただいているようでございますが、例えば私も新潟県生まれ、育ちでございますが海の育ちではありませんので、現場に立ってみると海の寒さは違うんですね。ましてや、例えば遠来のところから寒いだろうと思って防寒具を持ってこられたようでございますが、東京で使える防寒具ではあの浜辺に立って一時間もいたらもう凍えてしまうわけでございますから、それは現場の方に、せっかくボランティアで来られた方が作業しやすいように防寒具等もきちんと準備しておかれたらどうですかということを私は申し上げているわけでございまして、そういう費用等についてどうぞ心配しないでください、こう申し上げているわけでございます。
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長谷川道郎#18
○長谷川道郎君 ただいまの自治大臣の御発言、総理はいかがでございますか。交付税の問題であります。
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橋本龍太郎#19
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、自治大臣が申し上げましたように、また運輸大臣からも答弁を申し上げましたように、今後我々はあらゆる努力を払っていかねばなりません。その中に当然御指摘のような問題が含まれてくることは我々として真剣に受けとめるべきことと、今そのように考えております。
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長谷川道郎#20
○長谷川道郎君 自治大臣の御答弁に、地方自治体でも大変困っているというお話がありました。民事事件だから地方自治体は保険会社、基金と折衝をしなさいよというお話でありますと、これから損害の算定、基金、保険会社の査定という気の遠くなるような事務が重なるわけです。そういう事務的な煩雑ということもともかくとして、申し上げましたように金の問題があってどうにも動きがとれないというのが今の実情であるわけです。
 地方自治体では、この保険請求の問題を国が窓口で一本でやっていただけないかという強い要請がございますが、自治大臣いかがでございますか。
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白川勝彦#21
○国務大臣(白川勝彦君) この問題は、むしろ災害対策本部長の古賀運輸大臣の方からお答えをしていただいた方がいいと思いますが、現在地方自治体が懸命にやっている油回収作業等も、基本的には今回のタンカーの沈没、油の流出ということに伴う被害からくるためにやっている作業でございますし、その費用はまず第一義的にはそちらの方で負担してもらわなきゃいけないわけでございます。対策本部全体として漁業補償その他を含めてどういうふうにするのか、むしろ古賀運輸大臣が本部長を務めているこの対策本部全体で決めていただくものと思うのでございますが、地方自治体の方にそういう御要望があれば、自治省としても災害対策本部に対して強く申し入れたいと思います。
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長谷川道郎#22
○長谷川道郎君 それでは、同様の質問で運輸大臣お願いいたします。
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古賀誠#23
○国務大臣(古賀誠君) 先ほども申し上げておりますように、私の方で対策本部を設置いたしております。関係各省庁、局長さんクラスから構成されております。同時に、それぞれの問題点ごとにワーキングチームをつくらせていただいている中で、恐らく関係自治体の問題等も御要望が上がってくると思います。
 窓口を私ども一本にいたしておりますので、取りまとめさせていただきまして、最終的にはただいまも申し上げましたように関係閣僚会議の中で適切に対応してまいりたい、このように思っております。
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長谷川道郎#24
○長谷川道郎君 重ねて申し上げますが、地方の極めて強い要請がございます。ですから、地方の基金、保険に対する債権を国が譲渡を受けて一括請求する、被害については交付税で賄うと。そして、大蔵大臣にちょっとお伺いしたいんですが、結果として基金、保険から百八十億、二百億という損害賠償が、保険がおりた場合はそれを国庫に入れるというようなことをしていただければ、地方自治体は非常に安心して今回の事案に取り組めると思うのでありますが、その点いかがでございましょうか。
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三塚博#25
○国務大臣(三塚博君) こういう極めて緊急、甚大な被害が予想され、大変な事態でございますから、従前の考えの枠を超えた形の中で取り組まなければならないと思っております。
 自治大臣からの話、本部長である古賀運輸大臣の話、関係閣僚会議のメンバーとしても当然臨機応変にその辺のところをよく整理しながら、対策に専念をされておる地域の皆さん、関係機関、関係業界等々に、心配しないでやり得るよう対応をこれから進めてまいりたいと思います。
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長谷川道郎#26
○長谷川道郎君 困ったときはやっぱり国が頼りになるなということで、そう言われるような結果になるようにぜひお願いを申し上げたいと思うわけであります。
 次に、OPRCの閣議了解が平成七年十二月にございました。このOPRCの閣議了解で運輸省はいかなる対応をされたか、また十九省庁連絡会議というのがその後どういう機能を果たしたのか、御説明をお願い申し上げます。
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古賀誠#27
○国務大臣(古賀誠君) 御承知のとおり平成七年十二月に国家的緊急時計画が決定されたわけでございますが、海上保安庁ではこれを受けまして、排出油の防除に関する計画を、従来の東京湾、伊勢湾、大阪湾等六海域から、山陰、若狭、北陸等全国で十六の海域に拡大させていただきました。
 また同時に、油防除のための訓練、また今お話しいただきました関係省庁連絡会議、こういう会を重ねまして、緊急時計画の趣旨に沿って関係省庁の協力関係がさらに強化されるように、またこういった緊急時に備えてのさまざまな勉強、検討を重ねさせていただいているところでございます。
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長谷川道郎#28
○長谷川道郎君 OPRCには今回のような事案に適切に対応するというかなりいいことがたくさん書いてあるわけでありますが、今回これが生かされないというのは極めて残念なわけであります。
 引き続き、外国からの援助申し入れもしくは外国への援助要請について、米国沿岸警備隊が日本政府に通知を出したという報道がございますが、この点いかがでございましょうか、運輸大臣。
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土坂泰敏#29
○政府委員(土坂泰敏君) 外国との関係でございますが、日本側から外国に対しまして、どういう防除資機材をお持ちか、それを使わせていただくことができるかどうか、その場合に有償か無償か、その他の点について外交ルートを通じて照会をいたしておりまして、さまざまな御回答をいただいております。また、政府レベル以外でも、いわゆる外国の企業ベースでいろんな情報が寄せられております。
 私どもとしましては、使えるものは極力使っていきたいということで考えておりますが、やはり現実に今の日本海の厳しい気象条件のもとでそれが本当に使えるかどうかというチェックはしなければなりませんし、海洋汚染防止法その他の技術上の基準あるいは環境上の基準、こういうものとの関係で問題がないかどうかということもチェックしなければならないと思っております。そういうものを確認しながら、できる限りのものを使っていくということで対処しているところでございます。
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