川橋幸子の発言 (予算委員会)

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○川橋幸子君 私は、民主党・新緑風会を代表して、政府提出の平成九年度予算三案に対し、反対の立場から討論を行います。
 我が国は、現在、欧米に追いつき追い越せという単線的な目標に国民を駆り立ててきました国家中心システムから、多様な価値観を反映した市民主導の複線型の行政システムヘと転換すべき岐路に立っております。システム全体を見直すことが必要であります。経済構造改革、行政改革、地方分権の推進などと一体のものとしての財政構造改革を強力に推し進めることが喫緊の課題となっております。巨額の財政赤字を放置したままで諸改革が滞れば、日本経済は活力を回復することができず、少子・高齢社会や国際化の進展にも対応することは不可能だと考えるのであります。
 このような視点に立って橋本内閣が編成いたしました平成九年度予算を見ますと、我が国の未来を見据えたものとは到底言うことができない内容であると断ぜざるを得ません。
 以下、順次本予算に対し反対する理由を申し述べます。
 反対する第一の理由は、歳出削減の切り込みが全く不十分な点であります。
 政府は、平成九年度を財政構造改革元年と位置づけ、歳出全般に聖域を設けることなく徹底した洗い直しに取り組むという予算編成方針を掲げ、国民にも訴えてきました。しかしながら、昨年末閣議決定をしました下水道、都市計画などの七つの新たな公共事業長期計画はその総額が五十一兆円と、それ以前の計画と比べて四割もの増額を見込んでおります。改革の痕跡も見えない旧態依然の公共事業計画と言わざるを得ません。
 すなわち、民間の工事より二、三割高いと言われる公共事業費の単価の見直しはもとより、ばらまき的な性格の強い公共事業の配分見直しが全く見られないのであります。今こそ時代の要請に合わなくなった公共事業を中止すること、またコスト削減や事業計画を繰り延べることなどが国民の声であることを認識すべきだと思います。
 反対する第二の理由は、公債の減額が不十分な点であります。
 消費税率の引き上げや特別減税の打ち切りで、国民に七兆円もの負担増を強いているにもかかわらず、公債発行の減額は四兆三千億円にとどまっているにすぎません。新たに十六兆七千億円の借金をふやしてしまったというのが国民の実感ではないでしょうか。平成十年度以降は新たな税収増加が見込みがたいことから、二〇〇三年度の財政健全化目標の達成のための公債発行の大幅減額を続けることはとても無理だという声が早くも出始めております。
 ヨーロッパ連合の通貨統合に当たっては公的債務残高をGDPの六割以内とすることが条件となっていますが、我が国の国と地方を合わせた借金の累積はGDPにほぼ匹敵する額に上っており、とてもEUの水準には及ばない状況であることをこの際強調しておきたいと思います。
 反対する第三の理由は、本予算からは行政改革への取り組みの姿勢がよく見えてこないということであります。
 橋本総理は、施政方針演説において六つの改革を明らかにされました。国民もその実現について総理の強いリーダーシップを期待しているところでございます。とりわけ、行政改革の必要性につきましては、国民の側の要望も強く、私たちもその進展を望みまして具体的な提案をしていることは御存じのとおりでございます。
 しかし、これら改革につきましては、総論は賛成でも、各論になるといわゆる族議員や関係業界の反対も強く、その前途は多事多難であることは否めない事実であります。
 反対する第四の理由は、税収の使途を限定した特定財源制度の見直しを行っていないという点であります。限られた財源を有効かつ効率的に使用するためには、特定財源を一般財源化するなど、抜本的に見直し、弾力的な制度に改革すべきだと考えます。
 以上申し上げましたように、政府が提出いたしました平成九年度予算は、我が国経済を失速させる危険をはらんでおり、財政再建を最優先する国際社会の流れとは乖離したものとなっており、到底認められるものではございません。
 最後に、私たちが提唱する財政構造改革と市民主導の行政システム構築のための行政監視院の設置につきまして政府が前向きに取り組まれることを強く求めまして、私の反対討論を終わります。(拍手)

発言情報

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発言者: 川橋幸子

speaker_id: 1047

日付: 1997-03-28

院: 参議院

会議名: 予算委員会