屋山太郎の発言 (予算委員会公聴会)

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○公述人(屋山太郎君) 個別法は必要なんだという御趣旨かとは思いますが、私は個別法をみんななくせと言っているんじゃなくて、日本の個別法というのは非常にぼんやり書いて、あとは行政指導でやりましようというので、非常にあいまいな点が多いんですね。ですから、個別法ではきちんと法律で書く、それであとのチェックは公取がやるとか金融監督庁がやるとか、そういうふうにチェックを厳しくすればいいということでありまして、個別法を全部なくして、全部さっき申し上げた一般法でやるという趣旨ではございません。要するに、行政指導の余地を非常に少なくするようなことをまずすべきだということであります。
 それから、各国によって制度が異なってもいいじゃないかと、これは確かなんですが、例えばEUというのを考えた場合、ECと言われる時代からEU、これから通貨統合に向かっていくわけですけれども、私、その間、七年ほどヨーロッパにおりました。ずっといろんな交渉、どういう意味があるのか、私は実は十五年ぐらい前に帰ってきたんですけれども、それを始めたときによくわからなかった。ところが、政治、経済の統合に向かっていくと、各国で制度が違うと物の流れがひつかかりひっかかり、スムーズに流通しないんですね、物、金というのは。
 そこで彼らがやっていたのは、大体同じような垣根にしようじゃないかというので、二百八十八項目についてEUで統一基準をつくっていく。その中には医者の免許なんというようなものまで含まれている、例えばイタリア人の医者がドイツに行っても開業できるとかですね。これは日本でやろうと思ったらそういうことは考えられないようなことなんですが、そこまでやらないとEUの統合というのはできない。
 国際経済を見てみますと、地球一個全部がそういうEUのスタンダードというか、国際的なグローバルスタンダードというもので統一していかないと、どうも物、金の流通がうまくいかない、あるいはどこか不備が出てくる。だから、そういうことで日本に対する投資というのは非常にあらゆることを示しておりまして、人件費が高いとか物価が高いとか、それだけじゃなくて、この国でやってももうからないと、いろんな指数でさんざん考えて、あげくがわずかの〇・四%ということは、やはり日本がそれだけ問題を抱えているんじゃなかろうか。
 各国によって制度が違うのは、歴史的な違いがありますけれども、しかし、これは違うからおれたちはおれたちでやるんだということにはならないと思うんですね。国際経済がそうやってグローバル化しているんですから、あらゆる点で制度を似せていかなくちゃいけない、レベルを同じにしていかなきゃいかぬ。
 ですから、先生がおっしゃった日本の伝統的な制度といって、今それは変えちゃ困るよというのは、実は天皇制とか和歌とか俳句とか、そういうものを簡単に変えるなという議論は私も賛成ですけれども、それじゃ銀行法はどうなんだと。どんな法律でも、要するに戦争の前か後にできた、たかだか五、六十年しか続いていないものでありまして、これが消えたから日本人が日本人じゃなくなるのかというようなところにはほとんど関係ない話であります。ただお役人が、それがあった方が便利と言ってしがみついているようなものが多いのでありますから、そこをやっぱり思い切ってやる。六つの改革ができれば、私は本当にすばらしいことだと思います。
 特に、経済構造の改革をどうするかということでありましたが、これやっぱりグローバルスタンダードに合わせていくということなんですね。これを合わせれば何も文句を言われないんですから、合わせないものですからジャパン・バッシングというのでたたかれた。ところが最近は、もうこんな変わった人とつき合わないで、ほかへ行ってやろうと、いわゆるジャパン・パッシングなんですね。文句を言われているうちが花で、はなもひっかけられなくなったらこれは落ち目だと、私はその落ち目を心配しているわけであります。
 それから、天下りですけれども、さっき申し忘れましたけれども、人事院の調査だと、毎年三万七千人が退職するんです。このうち七千人が本当の定年退職、三万人はいわゆる肩たたきでやめていく。この人を十五年間役所が面倒を見るとすると四十五万ポスト、民間のポストの四十五万が必要になるんですね。特にキャリアは毎年八百人、この人は大体やめるのが五十歳前後ですから、それを二十年面倒を見ると一万六千のポストが必要になる。民間の指導層的部門に一万六千人のキャリアが天下るということは、それだけで非常に経済の硬直化というか規制社会を形成しているということで、これを何とかしないと私は規制緩和は進まないというふうに思います。
 以上です。

発言情報

speech_id: 114015262X00119970317_008

発言者: 屋山太郎

speaker_id: 5699

日付: 1997-03-17

院: 参議院

会議名: 予算委員会公聴会