高島順子の発言 (労働委員会)
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○参考人(高島順子君) 連合の高島でございます。
本日は、均等法並びに労働基準法、育児介護休業法の改正審議に当たりまして、参考人として意見を述べる機会をいただき、ありがとうございます。
今回の均等法改正が婦人少年問題審議会で審議されるということで、連合は昨年の六月にそれに臨むに当たっての方針を作成いたしました。
その内容といいますと、一つは、男女にかかわらず性を理由にした雇用における差別は禁止する男女雇用平等法にしていく、そして実効ある救済機関を確立する。さらに、この十年間に先進各国で新たに制度化されている間接差別だとかセクシュアルハラスメントだとかポジティブアクションを法律の中に義務づけするという点であります。二点目は、妊娠、出産にかかわる母性保護については、妊娠、出産が差別とされたら女子に対する差別だというふうに解釈して、これは禁止する。さらに母性保護の措置は強化をしていく。三点目として、時間外・休日労働及び深夜労働にかかわる男女異なる取り扱いは解消する。そして、新たに男女共通の法規制をつくる。また、賃金格差の改善を図っていく措置を講ずる。四点目として、伝統的性別役割分業を前提とした雇用、社会のあり方を改革し、家族的責任は男女がともに担い、仕事と家庭の両立を図ることができる支援体制を充実するため、育児・介護休業法を改正するという四点であります。こうした方針で審議会に対応してまいりました。
審議会は、昨年十二月に建議、そして一月には諮問に対して答申ということでありましたが、建議でまとめられた内容並びにその答申に際して、連合としては、私たちが要求した中身を完全に満たしているものではありませんけれども、おおむね妥当との態度をとってまいりました。均等法の改正については、大筋で評価ができるというふうに考えています。
しかし、先ほど申し上げました四点の柱から言いまして、その均等法につきましては妊娠、出産を理由とする差別あるいは家族責任を理由とする差別というのは差別なんだということを明確にすることができていません。さらには、間接差別も禁止することができませんでした。そして、一番の柱でありました、現在の女性を援助するという福祉法的な均等法を男女雇用差別禁止法にしたいというのが私どもの考え方でしたけれども、女性差別禁止法というところまでしかできませんでした。特に、救済機関の強化がなお不十分であると考えています。これらについてはさらに今後の重要な課題であると考えています。
一方、労働基準法の関係でありますけれども、こちらにつきましては、労働時間の女子保護規定の解消とその後の扱いが大きな問題です。
連合は、最初の要求として、女子にだけある、女子と男子違う二重基準というのはやめよう、そして男女一緒の基準にしようということを言ってきたわけですけれども、それは、男子の方の法規制の水準のレベルを上げていくということが必要だということであります。新たな男女共通の規制を主張したわけであります。この点について、昨年十二月の建議では、「女性が能力を十分に発揮できるためにも、男女がともに健康でバランスのとれた職業生活と家庭生活を送ることができるような環境の整備が必要であり、こうした観点からも、労働時間短縮のための取組や対策が引き続き積極的に推進されることが重要である。」、「時間外・休日労働の在り方について関係審議会において速やかに検討が行われることが望まれる。」ということにとどまりました。
婦人少年問題審議会としては、関係審議会に要望するということを三者で一致して要望したわけですけれども、この点については、中央労働基準審議会の課題であるということで、同時にその議論ができなかったことは大変残念でありますけれども、それが行政の仕組みであるということですから、中央労働基準審議会で速やかな検討と取りまとめがなされるよう期待をしているところです。
男女にかかわる労働時間の問題については、既に中基審で審議がされていますけれども、本来であれば、九二年に、時間外・休日労働の上限規制や法制化の検討については九五年一月以降適正化指針の次回見直しとあわせて行うということを確認しているわけです。このことが、四十時間法制をめぐる使用者側の動きによって、スケジュールどおりに行われなくて延び延びになってきているということは極めて残念であります。しかし、今年に入り具体的審議が進んできていますので、年内の取りまとめを期待していますし、それは何としてでも実現させなければならない課題であると思っています。
労働時間問題というのは、単に労使間の問題だけではなくて、国民の毎日の生活そのものにかかわる事柄であります。労働省の審議会の枠組みを超えて、国会審議の中で労働時間規制のあり方について十分な審議をしていただき、私どもの期待にこたえていただきますようお願いする次第です。
既に、労働時間問題についての連合の要求については、衆議院における審議の際に鷲尾事務局長が出席し連合の考え方を申し上げていますけれども、改めて、私どもの要請というのは、女子保護規定解消に伴う新たな男女共通規制の実施と、その実施時期を一九九九年四月からできるようにするということであります。
このため、私は特に次の四点について、これまでも国会で御議論いただいておりますけれども、改めて申し上げて、与野党でぜひ補強してくださるようお願いをしたいと思います。
その第一点は、政府の目標である年間総労働時間千八百時間の達成、これは二〇〇〇年を目標年次とする第八次雇用対策基本計画でも改めて確認されていることですけれども、中央労働基準審議会で時間外・休日労働のあり方について、衆議院の審議及び附帯決議の中で、中基審の検討に際し、適正化指針の実効性を高めるための方策について検討していただくようにするというふうに労働省はおっしゃっています。この適正化指針の実効性を高めるということは、法制化をするということであることをぜひ国会の論議の中で明らかにしていただきたいと思います。
それから二つ目として、実効性を高める措置の実施というのは、先ほども申し上げましたけれども、改正均等法の施行と同時であるという点であります。
三点目としては、衆議院の審議並びに附帯決議で、家庭責任を有する女性労働者がこうむることになる職業生活や家庭や労働条件の急激な変化を緩和するための措置については、激変緩和だけが経過措置として先行されるべきではないということであります。
それから第四点としては、深夜労働の問題でありますが、時間外・休日労働のあり方との関連事項として中央労働基準審議会で検討していると労働省はおっしゃっていますけれども、深夜労働というのは本来男女とも健康及び家庭生活、社会生活上から望ましいものではないということは論をまたないところであります。できる限り抑制されるべきであります。深夜労働の新たな広がりの中で、かつ女子保護規定解消による影響を考慮し、新たな規制が必要であると思います。このため、深夜の労働時間数、深夜労働の回数、勤務と勤務との間隔時間の確保等について制限を設けるべきであることをぜひ明らかにしていただきたいということであります。
以上提案いたしまして、私の意見とさせていただきます。ありがとうございました。