諸田敏朗の発言 (決算委員会)
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○諸田会計検査院説明員 会計検査院が行っております医療費の検査につきまして概要を御説明いたします。
お手元に配付いたしました資料の一ページをお開きいただきたいと思います。
まず、検査の観点でございます。
年々増加しております医療費は、多種の医療保障制度によりましてその給付が行われております。そして、これに対する国の負担も増加している状況であります。したがいまして、会計検査院が行っております医療費の検査は、医療保険の保険者等が行った診療報酬の支払いにつきまして、医療機関からの請求が適切に行われているか、また、社会保険診療報酬支払基金あるいは国民健康保険団体連合会、国民健康保険の保険者であります市町村等における診療報酬明細書、いわゆるレセプトでございますが、この審査点検が十分に行われているかなどについて行っているところでございます。
検査の対象でございます。
国民健康保険、老人保健等に基づきます医療給付に対しまして国の負担が行われていることから、保険者であります市町村や社会保険事務所に赴きまして、レセプトの内容を点検しているところでございます。また、市町村、医療機関に対する指導権限を有しております都道府県につきましても、あわせて検査を実施しているところでございます。ただし、医療機関に対しましては、本院の検査権限がないということから、実施できない
ところでございます。
次に、検査の方法でございます。
医療機関から審査・支払機関に医療費の請求書とともに提出されましたレセプトは、審査・支払機関の審査を受けた後に、国民健康保険の保険者であります市町村や社会保険事務所等に送付されております。したがいまして、医療費の検査は、レセプトが保管されております市町村等におきまして医療機関単位で点検し、レセプトの請求の傾向等に着目して点検する方法をとっております。また、都道府県におきましても、新看護等に係る報告書等の資料に基づき医師、看護婦等の配置状況等を把握するとともに、これら資料と市町村等のレセプトの内容の整合性にも留意して検査しているところでございます。
二ページをお開きいただきたいと思います。
検査の実施体制とその実施状況でございます。下の米印がついておるところでございます。
現在、会計検査院では、厚生省関係の医療費の検査に当たりましては、厚生検査第二課がその検査を実施しております。現在、医療費の検査に従事している職員は八名でございます。
検査の実施状況でございますが、過去三年間をとってみますと、大体四百五十人目前後行っておりまして、市町村等の検査実施箇所数でいきますと約三百カ所前後というふうになっております。
三ページをお願いいたします。
会計検査院は昭和六十一年度から厚生省の医療費の検査を開始しまして、昭和六十一年度から平成七年度までの十年間の指摘額は、「ア 不当事項」と「イ 意見を表示し又は処置を要求した事項等」を合わせまして、国庫負担額で合計八十三億一千万余円となっております。そして、この間におきます指摘額は増加したりあるいは減少したりしている状況でございまして、また、指摘した医療機関数は最近では百余りで推移しており、医療費の不適切な支払い件数が必ずしも減少傾向にあるとは考えておりません。
また、毎年度「不当事項」として検査報告に掲記しているほか、年度によっては「意見を表示し又は処置を要求した事項等」としても掲記しております。意見を表示しまたは処置を要求した事項は、六十一年度から平成七年度までの十年間で九件でございます。不当事項につきましては、毎年多岐の項目にわたっておりまして、事態も毎年違いがありますので、不当事項のうち、最近の主な指摘の態様につきまして資料で御説明申し上げます。
四ページをお開きいただきたいと思います。
ここには、過去三年間の指摘態様あるいは指摘金額を掲げております。このうち、三つの態様について簡単に御説明させていただきます。
五ページをお開きいただきたいと思います。
第一に、初診料、再診料等に関する指摘でございます。
特別養護老人ホーム等の配置医師によります施設入所者に対する診療費のうち、初診料、再診料と一定の指導料につきましては、これらが別途実施されております国の補助事業の一環として行われているものであることから、診療報酬として算定できないこととなっております。しかし、会計検査院で市町村におきまして施設入所者のレセプトを調査しましたところ、配置医師が初診料等を算定していたというものでございます。
第二に、入院時医学管理料等に関する指摘でございます。
医療機関におきまして、医師及び看護職員の数が医療法等に定める標準人員にそれぞれ百分の八十を乗じて得た数以下である場合の翌月分の入院時医学管理料及び看護料につきましては、所定の点数に百分の九十を乗じて得た点数を用いて算定することとされております。また同様に、医師の数が標準人員に百分の五十を乗じて得た数以下である場合につきましても、翌月分の入院時医学管理料につきましては、所定の点数に百分の九十を乗じて得た点数を用いて算定することとされております。しかし、本院が市町村等におきましてレセプト等を調査しましたところ、医療機関におきまして、医師、看護婦不足または著しい医師不足であるのに、入院時医学管理料等につきまして所定の減額を行わないで算定していたというものでございます。
第三に、処置料に関する指摘でございます。
処置に当たりまして厚生大臣が定める薬剤を使用した場合の処置料は、処置の所定点数に薬剤の購入価格を十円で除して得た点数を合算した点数により算定することとされております。この薬剤につきましては、薬価基準に薬剤名、購入価格が定められております。このうち、人工腎臓に用いる透析液につきましては、薬価基準にキンダリー液の九リットル瓶等が掲載されてございますが、請求に当たりましては実際の使用量で算定することとされております。しかし、会計検査院が市町村におきましてレセプトを調査しましたところ、医療機関におきまして透析液を患者個々の透析時間に応じた実使用量で算定すべきところ、画一的に九リットル瓶等の全量で算定していたというものでございます。
次に、処置要求事項の一例につきまして御説明申し上げます。
七ページをお開きいただきたいと思います。
先ほども申し上げましたけれども、過去十年間に処置要求事項として九項目ございますが、このうち、平成元年度の処置要求として「医師看護婦等が標準人員に対して著しく不足している病院等の把握について」という指摘がございます。これについて御説明いたします。
診療報酬のうち、入院時医学管理料等につきましては、医師及び看護婦が医療法及び省令で定めております標準の人員に対し著しく下回っている場合には減額するなどの取り扱いにより、診療報酬の合理化とともに診療の適正化を図ることとしております。しかしながら、病院におきまして診療報酬の請求に当たり算定の基準についての認識が十分でなかったこと、都道府県におきまして医師等の配置に関する資料の活用が十分でなかったことなどのため、診療報酬が不適正に支払われたものでございます。したがいまして、厚生省におきまして、都道府県に対し、医師及び看護婦が標準の人員に対し著しく不足している病院等を的確に把握するよう指示するなどして、診療報酬の支払いの適正化を図る要があるとしまして処置要求を行ったものでございます。
会計検査院といたしましては、医療費適正化の重要性にかんがみまして、今後とも検査の観点、検査手法などについてさらに創意工夫を加えて、医療費について重点的に検査を実施していく所存でございます。
以上、簡単でございますが説明を終わらせていただきます。