諸田敏朗の発言 (決算委員会)

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○諸田会計検査院説明員 会計検査院が行っております防衛費の検査につきまして、概要を説明いたします。
 お手元に配付いたしました資料により説明させていただきます。
 一ページをお開き願います。
 まず、検査の観点でございます。
 防衛庁では、中期防衛力整備計画におきまして適切な防衛力の整備に努めることとして、戦車、艦船、戦闘機等の更新、近代化を図るため、引き続き正面装備の整備を進めることにしております。
 そこで、防衛庁の装備品は、特別仕様に基づくものが多く、市場価格も構成されにくいこと、多くのものは調達が長期にわたるため、価格変動や習熟効果によるコストの低減が見込まれることなどから、調達価格が妥当であるかに重点を置いて検査しているところでございます。
 さらに、装備品の調達数量及び調達の時期等は適切か、また装備品の修理の時期及び内容は適切かなどについても検査しているところであります。
 次に、防衛施設庁は、自衛隊等の諸施設を建設しております。また、地方公共団体等に対しまして補助金等を交付し、防衛施設の周辺地域における施策として、障害防止工事、防音工事、民生安定施設の整備の事業等を実施しております。そして、これらに対する事業費が多額に上っていることから、事業が適切に行われているかなどについて検査しているところであります。
 次に、検査の対象でございます。
 恐れ入ります、二ページをお開き願います。
 内部部局、陸上、海上、航空各自衛隊、調達実施本部及び防衛施設庁等について検査するとともに、装備品の製造会社等についても検査することとしているところでございます。なお、装備品の製造会社につきましては、現在、肩越し検査ということで各社の協力を得ながら実施している状況でございます。
 三ページをお開きいただきます。
 次に、検査の体制及び実績でございます。
 防衛庁の検査は三課体制で実施しておりまして、検査に従事する職員は現在六十九名でございます。検査人日数の推移でございますが、ここ三年間五千人目弱という実態でございます。
 なお、各課の事務分掌でございますけれども、海上自衛隊関係は防衛検査第二課が、航空自衛隊関係は防衛検査第三課が、それ以外を防衛検査第一課が担当しております。
 次に、検査の方法でございます。
 四ページをお開き願います。
 各自衛隊におきましては、人件費や糧食、燃料等の需品費が多額に上っていることから、装備品の運用が適切に行われているかどうかにつきまして、各補給処及び部隊等において検査しております。
 調達実施本部におきましては、当局が収集した原価計算に関する資料等をもとに、調達価格等の妥当性について検査しているところでございます。
 特に、防衛庁装備品は原価計算方式に基づいて予定価格が決定されることが多いため、主として中途確定契約について、発注先である会社の製造現場で、発生工数の把握、部品、材料の調達の実態の調査、仕様書と製造品との突合などを行うこととしております。
 防衛施設庁におきましては、施設の設計、積算は現場の条件等に合致しているか、施設は設計どおり適切に施工されているか、騒音防止等の補助事業が事業計画と照らして適切に実施されているかなどについて検査を行っているところでございます。
 本院は、防衛費の検査に当たりましては、ただいま御説明しましたような検査の観点、検査の方法等により、過去、種々の指摘事項を検査報告に掲記しているところであります。
 五ページにその状況を記載しておりますので、五ページをお開きいただきたいと思います。
 昭和六十一年度から平成七年度までの十年間の指摘額は、「ア 不当事項」と「イ 意見を表示し又は処置を要求した事項等」、合計三億九千三百五十五万円、背景金額といたしまして百三十四億五千八百五十一万円となっております。
 このうち、不当事項一件、意見表示または処置を要求した事項三件について、その概要を説明させていただきます。
 六ページをお開きいただきます。
 不当事項でございますが、三番目の「使用料金等の徴収が不足していたもの」、この事態は、海上自衛隊自衛艦隊航空集団第四航空群に属します硫黄島航空基地隊におきまして、硫黄島内で建設工事を実施している建設業者に対しまして生活用水道水を供給しております。この使用料金の徴収に当たりまして、給水単価の適用を誤ったなどのため徴収額が一千百万円ほど不足していたという事態でございます。
 次に、意見を表示し処置を要求した事項についてでございます。
 七ページをお開き願います。
 四番目の「防衛大学校を卒業した幹部候補者に対する退職手当の支給について」でございます。
 この事態は、防衛大学校を卒業しました幹部候補者に対する退職手当の算定上、卒業後引き続いて自衛官に任用されたことのみを学生としての在職期間を通算する場合の要件としておりましたため、自衛官に任用後六カ月未満の短期間のうちに退職した者は、防衛大学校で修得した知識等を自衛官としての職務にほとんどが生かしていないという点で、退職手当が支給されない非任官者と同様と認められるのに退職手当を支給するという不合理な取り扱いとなっていたものでございますので、退職手当の支給に当たりましては、自衛官としての在職期間を考慮するなどの措置を講じ、もって退職手当の支給を合理的なものにするよう適切な処置を講ずる要があるということで、院法三十六条の規定により、意見を表示したものでございます。
 次に、五番目の「防音工事により設置された設備を維持するための補助事業について」でございます。
 この事態は、自衛隊の航空機による騒音防止のために防音工事の一環として小中学校等に設置された換気設備の電気料金等を補助する事業におきまして、飛行場の運用形態の変更により騒音が低減したため、設備が使用されていなかったり使用時間が著しく減少していたりしているのに、使用実績に基づいた補助金の交付が行われていなかった。これについて指摘しましたところ、改善の処置がとられたというものでございます。
 次に、九ページをお開き願います。
 八番目の「航空自衛隊のレーダー基地等の光伝送装置に使用する光ファイバケーブルの費用の積算について」でございます。
 この事態は、レーダー基地等の光伝送装置の製造請負契約におきまして、装置に使用する光ファイバーケーブルに、光ケーブルメーカーの製品のうち、経済的なテープ形の光ファイバー心線を用いたものを使用しても支障がないのに、装置の製造会社がみずから心線を製造し、加工会社が加工して製造するものとして費用を積算したため積算額が過大になっていた。これについて指摘しましたところ、調達実施本部におきまして改善の処置がとられたものでございます。
 十ページをお開きいただきます。
 次に、日本工機株式会社、東洋通信機株式会社、藤倉航装株式会社及びニコー電子株式会社との製造請負契約に当たりまして、契約額が過大となっていた件に関する本院の対応について説明いたします。
 まず、日本工機についてでございますが、本院の五年七月の本社検査の前に調達実施本部が調査を実施し、昭和六十三年度から平成四年度までの経理に関する原価差異の事実を発見し、この結果、会社から約五億八千万円を返還させるなどした旨の報告を受けたものでございます。
 東洋通信機株式会社についてでございますが、六年三月に調達実施本部が調査を実施し、元年度から五年度までの経理に関する原価差異の事実を発見し、この結果、六年から七年にかけて約八億七千万円の是正処理を行った旨の報告を受けたところでございます。
 それから、藤倉航装についてでございます。
 本院の七年六月の検査の前に調達実施本部が調査を実施し、二年度から六年度までの経理に関する原価差異の事実を発見していて、この結果、会社から約三億五千万円を返還させるなどした旨の報告を受けたところでございます。
 それから、ニコー電子についてでございます。
 七年五月に調達実施本部が調査を実施し、二年度から六年度までの経理に関する原価差異の事実を発見して、この結果、約二億九千万円の是正処理を行った旨の報告を受けたところでございます。
 以上の経緯から、この報告について、会計検査院といたしまして、調達実施本部が各社から返納させた額等が妥当であるかどうかの確認を行ったものでございます。
 その結果、これらの契約はすべて原価監査を必要としない確定契約に係るものであり、工数等に関する資料の提出等が義務づけられていないため各種資料が整備されておらず、正確な工数の把握ができないこと、見積もり工数と実績工数との差異について、会社の経営努力によることも否定できないことなどから、十分な確認をすることは困難でありましたが、調達実施本部の計算した過大額について、著しく実情に沿わないものとは認められなかったものでございます。
 したがいまして、このような事態につきましては、今後の改善効果を見守ることとしているものでございます。
 今後とも、検査の観点、検査手法などについてさらに創意工夫を加えて、防衛費について重点的に検査を実施していく所存でございます。
 以上をもちまして、説明を終わらせていただきます。

発言情報

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発言者: 諸田敏朗

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日付: 1997-11-12

院: 衆議院

会議名: 決算委員会